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50代から増える「体の不調」、知っておきたい「健康維持」対策まとめ
加齢や女性ホルモンの減少により、さまざまな不調が現れ始めるアラフィー世代。更年期症状だけではなく、倦怠感や胃の不調、足腰の痛みや不眠など筋力の低下や体の衰えを実感する人も多いのでは?最近話題の50歳以上が対象の予防接種や50代に多い体の不調や健康維持に役立つ情報をさまざまな専門家が詳しく解説します。
【アラフィーの「更年期」白書〈まとめ〉】更年期世代の”リアルな声”から専門医が教える対策まで
そもそも更年期とは?
「更年期」とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間とを合わせた10年間
「更年期」とは閉経をはさんだ前後5年、計10年間を指し、女性の一生をホルモンの分泌量で大きく区切ったときの4つのライフステージのひとつ。閉経の平均年齢が50歳なので、40代半ばから50代半ばまでの人が多いが、閉経と同様に個人差がある。女性ホルモンは20~30代をピークに35歳から徐々に分泌量が減り、40歳以降に激減。それに伴い心身の様子も変わってくるため、更年期は突然の発汗やめまい、頭痛、腰痛、関節痛、不安症状などが出る人も多い。それら更年期由来の症状を「更年期症状」といい、その中でも日常生活に支障を来すほど重い症状を「更年期障害」という。
女性ホルモン分泌量
40代になると女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が激減。それに伴ってさまざまな変化が出る。
更年期世代のリアルボイス大公開
女性同士でも面と向かってはなかなか聞きづらい更年期のこと。みんなの「ほんとのところ」をアンケート調査!
(エクラ メルマガアンケート、40~65歳の150人の回答より)
Q1.「更年期」について、その時期や症状など、正しく理解できている?
約6割は「正しく理解できている」と回答した一方で、「No」も4割と高い割合。’22年の厚生労働省の調査でも、更年期はいつごろのことか「知っている」と答えたのは、40~49歳で約32%、50~59歳で約46%にとどまり、まさに更年期世代でありながらも、まだわからないことがあると感じている人が多いことが浮き彫りに。
Q2.今、更年期による心身の変化を感じている?
日常的につらさを感じている人から、以前とは何か違うな、という程度の人までさまざまながら、8割もの人が「変化を感じている」と回答。何事もない人のほうが珍しいということがわかる結果に。
Q3.あなたが感じている更年期症状は?(複数回答)
1位 疲れる、だるい、やる気がない…63人
2位 目が疲れる、見えにくい…59人
3位 首こり、肩こり…56人
4位 ホットフラッシュ…54人
5位 眠りが浅い、不眠…53人
6位 肌の乾燥、かゆみ…48人
7位 めまい…38人
7位 不安や憂うつになる…38人
9位 手足の関節の痛み、しびれ…36人
10位 頭痛…34人
〈10位以下〉11位 頻尿、尿漏れ(33人)/12位 便秘、下痢(32人)/13位 イライラする(31人)/14位 腰や手足の冷え(27人)/15位 デリケートゾーンの違和感(26人)/16位 胃腸の不調(25人)/17位 動悸、息切れ(22人)
多くの人は複数の症状を抱えている様子。なかでも一番つらい&悩んでいる症状を聞いた質問では、1位ホットフラッシュ、2位 疲れる・だるい・やる気がない、3位 手足の関節の痛み・しびれという結果に。
朝からボーッとしたり、外に出るのがおっくうになったり。最近は、仕事に行きたくない日も。(46歳・会社員)
Q4.更年期症状の度合いはどの程度?
生活に支障が出る程度/病院(婦人科など)に通う程度…29%
病院に通う程度ではないが心配になる程度…30%
なんとかやり過ごせる程度…38%
ほとんど気にならない程度…3%
Q5.症状に対して対策や治療はしている?
Yes…68% No…32%
ストレッチやマッサージをしてほぐしたり、お灸も使っています。(52歳・主婦)
経血量が多くなり、出血を抑えるためにミレーナを使用。その後、ジエノゲスト(ホルモン剤)も服用した。(51歳・主婦)
婦人科で漢方薬を出してもらったり、サプリメントもとっています。また、好きなドラマを見たり推し活などで気分転換するよう心がけています。(54歳・派遣)
リンパドレナージュ、整体、気功、パーソナルトレーニングなど、体調を整えるためにさまざまな方法を試している。(53歳・会社経営)
婦人科に行き血液検査をして、ホルモンパッチをはっています。漢方を2種類とサプリを複数飲んでいます。(54歳・主婦)
Q6.対策や治療の効果はある?
Q7.更年期症状の対策で一番やってよかったことは?
運動(ヨガなど)…23人
漢方薬の服用…13人
医療機関で処方された薬の服用…12人
エクオールサプリの服用…11人
食事内容・栄養バランスの見直し…6人
マッサージ、鍼灸…5人
推し活など趣味活動の充実…5人
ホルモン補充療法(HRT)…3人
特にない…26人
Q8.更年期症状について、パートナーや周囲の人に相談した?
Yes…69% No…31%
相談というより、調子が悪いとつい愚痴が出てしまうので知らず知らず家族に聞かせてしまっている。(54歳・派遣)
夫や職場の同僚に、痛みがあり内服などをしているので助けてもらえるとありがたいと話し、負担が少ないように配慮してもらえている。(48歳・会社員)
男性にも更年期はあるとはいうものの、女性ならではの症状はなかなか理解してもらえないと思うから。(58歳・主婦)
いってもとりあってもらえない。以前に更年期症状は病気ではないといわれた。(54歳・会社員)
「Yes」の相談相手の内訳は夫や子供などの家族、友人、医師などが多数。姉や同性の友人とは情報交換しているという人も。厚生労働省の調査では、更年期症状で日常生活に影響が出ていることについて「相談したくない」と答えた人が50~59歳で55%に。ひとりで悩みを抱えている人も多いよう。
Q9.更年期症状は日常生活に影響を及ぼしている?
Yes…68% No…32%
Q10.更年期症状が原因で、職場や家庭などで問題が起きたことはある?
自分の体の変化でつらいときに親の介護が重なり、メンタルもくずれた。(52歳・主婦)
初め膠原病を疑われたため、仕事を休んだり、検査の間は少し迷惑をかけました。手足のこわばりなどもあったため、痛くて家事が進まないこともありました。(45歳・講師)
それまでならやりすごせていたパワハラも跳ね返すことができず、うつで休職した。(56歳・会社員)
もともと細かいことを気にしてしまうタイプで、日常の中で、特に夫の言動や生活態度などにイライラしました。(55歳・主婦)
「Yes」は小さなイライラから精神的なつらさによる休職まで程度に個人差が。同じ症状でもYesと回答している人とNoと回答している人がいて「問題」と感じるか否かは個々の感じ方もあるよう。
朝起きられなくなり、お弁当作りや掃除など、家事をするのが苦痛な時期がありました。
Q11.症状の改善のために、婦人科に行ったことはある?
Yes…58% No…42%
通院しはじめるとずっと通わなくてはならなくなり、煩わしいから。(48歳・主婦)
エクオールサプリを飲みはじめてからだいぶ楽に過ごせているので受診するまでもないと思っている。(54歳・主婦)
つらいので行ってみようと予約してみるものの、予約はかなり先しかとれない。そのうちなんとなく落ち着いてくる、の繰り返し。(57歳・パート)
これくらいで、と思ってしまう。(54歳・会社員)
恥ずかしい。(53歳・会社員)
Q12.閉経していますか?
6割強がすでに閉経していると回答。40代半ばで閉経している人もちらほら。最も遅い人では61歳時という人も。閉経や更年期にはかなりの個人差があることが回答からうかがえる。
Q13.閉経したのは何歳のとき?
Q14.閉経したときにどんなことを感じた?
寂しさと快適さ。(55歳・非常勤職員)
煩わしさから解放された感じがしました。(58歳・主婦)
長年の相棒がいなくなったようで少し寂しかったです。(60歳・パート)
この日がきたなと。でも女性として終わりではないと。(66歳・会社員)
これで楽になると、せいせいしました。(54歳・派遣社員)
子供のいない人生だったなぁと思い、ちょっと泣きました。(50歳・派遣社員)
Q15.一番つらい!と感じている更年期症状は?
トイレがとにかく近く、パッドをしていないとトイレの個室に入った瞬間漏れることがある。(50歳・会社員)
頭や首まわりが汗びっしょりになり、髪から滴り落ちる汗が止まらないことがある。(63歳・公務員)
めまいが心配で、車に長時間乗れない。(53歳・主婦)
週に5日くらい、朝起きると寝汗をかいています。夜、目が覚めることはないですが、朝は着替えないと寒いです。布団乾燥機が手放せません。(51歳・パート)
定期的にわけもなくいいようのない不安感が急に込み上げてきたり、以前は気にもとめなかったような些細なことで落ち込み、涙が出てきたりします。外出や人に会うのもおっくうになったり、内にこもることが多くなった気がします。(54歳・派遣社員)
左手人さし指の第一関節、第二関節が痛くて曲がりません。(52歳・主婦)
ここ半年で睡魔におそわれる回数が多くなり、急に眠気がくると、頭が後ろにもっていかれて首がおかしくなる。そしてそれを繰り返している。(48歳・主婦)
集中力がなく仕事に支障を来したり、体が重くて朝出社するのがつらかったり。新しいプロジェクトに気合が入らない自分が怠け者になったような気分になる。(53歳・会社経営)
中途覚醒と早朝覚醒があり、寝た感じがせずに午後からの仕事効率が落ちているように思う。(48歳・会社員)
ホットフラッシュがくる前に必ず動悸が激しくなります。「あ、きた」と思ったら体がだるくなり動悸がし、その間の数秒(死にたい……)と思ってしまう。その動悸が治まるとぐわーっと熱くなりホットフラッシュがくる。(54歳・自営業)
急に下半身(太もも、足首、おしり)にかゆみが出る。眠れなくなるくらい続く。(55歳・医療コーディネーター)
イライラすると、家族への言葉がきつくなってしまう。母の介護にも優しくなれないときがあります。(54歳・会社員)
Q16.更年期を過ぎて心身の状態や生活が楽になったと感じますか?
ホットフラッシュが時と場合に関係なく急に起こるのでパニックになりそうだったが、今はだいぶ落ち着いて以前ほどではない気がする。手指のこわばりや腫れ痛みも間隔が空くようになってきた。(54歳・主婦)
顔汗がひどいときはハンカチが手放せなかったが2年ほどで落ち着いた。(56歳・会社員)
更年期症状はスッキリなくなったわけではありませんが、旅行の計画や夫婦生活がスムーズになりました。(65歳・主婦)
いつも心が安定している。(58歳・会社員)
めまいや動悸、重だるさといった明らかな体調不良もなくなり、精神的に不安定になることもない。当時はわからなかったが今思えば明らかな更年期のつらさだったと思う。(58歳・パート)
生理のバイオリズムからくるイライラや腹痛などがなくなり、気持ちを平穏に保つことができています。(59歳・自営業)
約6割が「楽になった」と答えた一方、「気づいたら閉経していて、更年期を過ぎても体の変化はあまりなかった」(57歳・自営業)、「まだ終わっていない感じ。突然熱くなったり不安定な体調が続いている」(55歳・会社員)という人も。
読者覆面座談会「私たちの更年期トラブル」
避けては通れない道だけど、やっぱりつらさはそれぞれあって……。今、まさに更年期のただ中!の読者代表の本音トーク。悩んでるあなた、ひとりじゃないですよ。
座談会メンバー
A子 49歳・自営業
B美 56歳・会社員
C絵 53歳・主婦
悩んでいた肌の乾燥には、「孫の世話に使っていたワセリンをたっぷりと。意外と役立ちました」と笑顔。
D代 56歳・主婦
急に見舞われた激しい不調。受け入れるしかないの?
A子 私が最初に体験したのは、突発性の激しいめまいでした。ある日の夜中、視界が360度ぐるぐる回りはじめ、そのうち吐き気がひどくなって歩けなくなり、入院したんです。40代後半になるまでは風邪もめったにひかず、健康診断の判定もすべてAだったので、とてもショックでした。さらに、いつまためまいにおそわれるかという不安から精神的な症状が出て、肩こりや腕のだるさにも悩まされ仕事も滞るように。そんなとき行った整形外科で出てこられたのが女性のお医者さまだったので、つらくて不安で、と訴えてつい泣いてしまったんですが、先生に「吐き気は胃がんかもしれないから胃カメラを」と突き放され、さらに泣きました。
医者に冷たくあしらわれ、診察室で号泣!(A子)
B美 ツラすぎです……。私も50歳になるかならないかのころ、夜中に急に症状が出ました。カーッと体が熱くなって、お布団がビシャビシャになるくらい汗が出て。不眠から昼間も体調がすぐれなくなり、情緒も不安定になってきたので、職場で周囲に話したら「それって更年期症状じゃない?」と。でも誰も解決策は知らなくて、私も受け入れるしかないのかなと思っていました。
A子 そうなんですよね。私はネットで検索していたとき、SNSでふと「更年期かも?」という書き込みを目にして、これってやっぱり!と。
C絵 私は40代半ばで乳がんになったんですが、女性ホルモンに関連して増殖するタイプのがんだったので、ホルモンを抑制する治療で強制的に生理を終わらせることに。めまいやほてり、体の痛み、胸のつかえに加えて、体のあちこちが乾燥して、かゆくなったりして。恥ずかしいんですが、デリケートゾーンも、おりものが出なくなってからヒリヒリと痛い感じがあって。
B美 あるある……。爪も乾燥して、もろくなりますよね。私は補強と爪ケアを兼ねてジェルネイルを始めました。
A子 私は髪が細くなったのが気になって、思いきってショートにしました。
弱った髪はショートに、爪はジェルで補強(A子&B美)
体の不調に、運命の転機。更年期は人生の曲がり角
C絵 あと、やはり悩まされたのは精神的な症状でした。若いころ、生理前に不安定になることがあったんですが、それがひどくなった感じ。女性ホルモンを補充すればいいのでは?といわれても、病歴のある私には無理だし、ちょうどそのころ、娘たちの出産などいろんなことが重なり、気持ちの行き場がなくて、しんどかったです。
D代 環境的なことも、体に影響しますよね。私もひと通り経験しましたが、一番ひどい時期に子供の受験と私の離婚問題が重なって、心療内科のお世話にもなりました。漢方薬もいろいろ試しましたが、女性ホルモン値を測っていただいたところ、やはり更年期だということでホルモン補充療法を始めることに。胃のむかつきがひどかったので、最初ははるタイプ、のちに塗るタイプの薬にしてもらいました。
離婚と子供の受験。ストレスが重なり、一時は心療内科のお世話に(D代)
A子 私は女性ホルモンに似た働きをするエクオールのサプリメントを試してみました。自分にはすごく効いた気がして、今も続けています。
C絵 私も。最初は大豆イソフラボンが更年期症状にいいと聞いて一生懸命お豆腐や豆乳をとっていたんですが、調べたら、イソフラボンをいくら摂取してもエクオールを作り出せない体質だとわかり……。あとは、更年期症状も診てくれる近所の内科で女性ホルモンと似た作用のあるプラセンタの注射を。めまいには効いた気がします。
B美 うーん、産婦人科、あんまり行きたくないんですよねぇ……。
D代 わかります。産科と一緒のところだと、なんとなく気持ち的にも抵抗を感じたので、私は婦人科で更年期障害の治療を行っているクリニックを探して行きました。なんとなく更年期障害=女として寂しい、というイメージをもっていたんですが、そこで出会ったお医者さまに「自分の心と体を見直すいいタイミングだと考えてください」といわれ、考え方が前向きになりましたね。心の問題は、離婚が成立してから、すっかり落ち着きました(笑)。
肩の力を抜いて、自分に優しく生きていこう
C絵 よかった! 実は、私もこの間に離婚と再婚を経験しまして……。学校を出てすぐ結婚して、古風な考え方の夫と家族の中で、主婦だから家事も育児も完璧にするのがあたりまえだと思って生きてきたんです。でも、それで変に自分を追い詰めていたところがあったなぁと。幸い、寛大なパートナーと出会ってからは、完璧じゃなくてもいいんだ、手を抜いてもニコニコしていたほうが自分も家庭もうまくいくんだなと、やっと学べた気がしています。
B美 人生、いろいろと浮き沈みがありますよね。私は毎年の定期検診で血液検査の数値が悪くて再検査をしたところ、ある難病だということがわかったんです。原因不明で完治はしないけれども、この先薬を飲んでいれば今のままの状態を維持できるというものだったんですが、早くに見つかってよかったということなのかな、と。
D代 すごい偶然……。実は私も、いろいろ検査しているうちに偶然内臓に良性の腫瘍が見つかり、経過観察中です。更年期が自分に病気を知らせてくれたわけですが、気になることがある人は、専門医に相談するといいと思います。
かかるなら更年期に詳しい婦人科医。検査するうち、思わぬ病気が見つかることも(C絵&D代)
A子 更年期って、自分に優しくなれるきっかけにもなるのかもしれないですね。私も、パニック期を経験して「がんばらなくていいんだな」と思えるようになり、今は自分のために好きなことを……。最近、友人のすすめでトランポリンを始めたんですが、これがけっこう体に合ってるみたいで。少し締まってきた気がするし、夜はぐっすり眠れるし。でも、尿漏れが怖いのでナプキンつけてやってるんですけど(笑)。
B美 必須ですよね! 私も以前にやってたとき、つけてましたよ。
肌、デリケートゾーン……全身あちこち乾燥してヒリヒリ、ピリピリ(C絵)
D代 有酸素運動、いいみたいですね。私はスイミングを続けています。でも、こうして皆さんが同じような経験をして悩みをもっているんだと知ると、私だけじゃないんだなって……誰もが通る道ですし、改めて、更年期を明るく過ごしたいなと思いました。
C絵 私も。身近な人には逆に話しにくいこともありますから。
B美 私たち世代、これからラブ・マイセルフで行きたいですよね。何があっても、私が私の一番の味方だと信じて。
一同 ぜひ、またお話ししましょう!
更年期、私の乗り越えストーリー
年齢を重ねるって、ネガティブなことばかりじゃない。気持ちを共有できる場と機会を支えにして
――タレント 渡辺満里奈さん
誰にも訪れる“砂漠”の季節。先輩たちがくれた勇気を胸に
アイドルとして脚光を浴びた10代、20代。それ以降もずっと、渡辺満里奈さんは今を生きるひとりの女性として、私たちに等身大の姿を見せてくれている。活動の幅を広げ、ライフイベントを経る中で、しなやかに、タフに変化する人。だからこそ、なのだろう。近年は、自身がさしかかった更年期についてもフランクに語り、発信している。きっかけになったのは’19年、ミュージシャンの野宮真貴さん、モデルの松本孝美さんとともに、「大人の女史会」を立ち上げたことだった。
「真貴さんのライブを孝美さんと見にいって、そのあとにお食事したとき、真貴さんが『女性ホルモン値を測ってもらったら、砂漠状態っていわれちゃったのよね!』ってあっけらかんとおっしゃったんです。私は当時、まだ40代で、10歳年上の真貴さん、5つ上の孝美さんのお話を聞いて『へぇ』『ほぉ』と思う立場でしたが、チャーミングに話される様子を見ていて、誰にもいつかはくる時期なんだ、そんなに暗く考えるようなことじゃないんだなと心強く思えて……。じゃあ、漠然と不安に思っている人や、渦中にいてつらいと感じている人に向けて楽しく情報発信をしていくといいんじゃない?と。プロジェクト名を考えたり、これからやりたいことを話し合ったりして、すごく盛り上がりました」
恐れるようなものではないはず。そう心構えをして、コロナ禍真っただ中に迎えた50代。渡辺さんの体にも、静かに変化の波がやってきた。
せき込む不安、無気力……家族の理解に支えられて
「まず、皮膚から髪の毛まで、あらゆる場所に乾燥を感じるようになりました。私の場合、特に感じたのは口の中。ラジオの生放送の最中は、乾燥でせきが止まらなくなったらどうしよう?といつも緊張します。ホットフラッシュまではいかなくても、ほてるような感覚もあって、気がつくと家の中で私だけ半袖だったり。それと、謎の痛み!
ももの横のあたりがなぜか痛んだ時期があって、病院に行って検査しても何も見つからず、先生がいいにくそうに『やはり年齢的に……』と(笑)。それまで感じなかった気圧の変化にも妙に敏感になって、天気によって頭が痛い、体が重いと感じるようになりました」
体の不調は、心にもさざ波を立てる。
「不機嫌になる、というほどではないですが、ときどき何もしたくない、やる気がまったく出ないというときはありますね。うちの家族は比較的寛容で、私がだるくて寝ていると『ママ、いいよ、寝てなよ』といってくれますが、家事や仕事が滞って周囲から責められたりする状況も、きっとまだまだ普通に起こっているんじゃないかな」
フルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジ。渡辺さんは自身に起こっている変化を、そうとらえている。「ガラッと変わるわけではないけれど、こうして少しずつのマイナーチェンジをこの先も繰り返して……年齢を重ねるって、そういうことなんでしょうね」
「体のあらゆる部分が乾燥したり、謎のせきや痛みにおそわれたり……年をとるって、体の“マイナーチェンジ”の繰り返しなんですね」
「こうでなきゃ」より自分の満足を優先
避けられないなら、なるべく心地よく、ほがらかに。「元来、楽観的」であるという渡辺さんは、前向きにとらえ、日々、できることを実践している。「少し前からメディカルアロマテラピーを勉強して、のどや鼻にいい香り、痛みがあるときにリラックスする香りなどを、対症療法として。体の内部の“冷え”には、ゆっくり半身浴。あとは、歌うことですね。’19年のデビュー30周年ライブに向けて久々にボーカルレッスンをしたんですが、全身を使って歌うのってアンチエイジングなんだ!と実感して。車の中で音楽をかけて思いっきり歌ったりしています」
そして、YouTubeのトレーニング動画を流しながらグループLINE通話で行う「宅トレ」も、毎日の日課に。
「コロナ禍でジムに行けなくなったころから、『じゃ、やる?』と声をかけ合って。ひとりだとなかなか続かないけれど、仲間がいるのがいいんですよね。孤独じゃないなって思えるのが」
共有すれば、乗り越えられる――それは、更年期の入口に教わったこと。だから、家族とも周囲とも、語り合う機会を絶やさないよう心がけている。
「自分ひとりで考えていたことを言葉にしてアウトプットした瞬間、『だからモヤモヤしてたんだ』とわかることもあるし、誰かからのレスポンスで気づくこともありますよね。だから、これからもどんどん発信して、女性ホルモンの砂漠を“緑化”していけたらな、と(笑)。年齢を重ねることって決してネガティブなことばかりじゃなくて、若いころより充実すること、楽しめることもたくさんあるじゃないですか。できれば若々しく、美しく、健やかでありたいけれど『こうでなきゃいけない!』ではなく、自分の満足を大事に……それを目ざして、みんなでシェアしながらのりきっていきたいと思うんです」
「ひとりで考えていたことも、言葉にして共有すれば“そうだったのか”と気づかされる。なにより、自分は孤独じゃないと実感できます」
渡辺満里奈さんの更年期お助けアイテム
2WAYドレープ ストールカーディガン
大人の女性の“あったらいいね”をつめ込んだアイテムを「大人の女史会」がプロデュース。柔らかなカーディガンは、はおったり巻きつけたりとアレンジ自在で夏場の冷房対策にも活躍。ブラック、パープルの2色。「natiaral」のサイト(www.natiaral.com)で好評発売中。各¥8,690
YouTube『まえあきチャンネル』
スポーツトレーナー・まえだあきさん考案のフィットネスプログラム(@maeakichannel)。1回5分でおしり、下腹部、二の腕はもちろん、首の裏側や背中など更年期世代のお悩みポイントを集中的にトレーニングできる。「毎日3本ずつ私が選んで、LINE通話での宅トレを楽しんでいます」
冷えとり靴下
スタイリスト・三上津香沙さんが手がける「w&fw」(www.wandfw.com)。インナービューティを目ざして作られた冷えとりアイテムは、シルクやコットンなど天然素材の肌ざわりが心地よく、ファッション性も◎。名倉家では夫婦で愛用中。SHINGETSU 3枚セット¥7,590
渡辺満里奈
閉経は、選択続きの人生からの解放!更年期の「壁」を乗り越えた人は強く、優しくなれる
――フリーアナウンサー武内陶子さん
多汗、不安、イライラ爆発。こんな自分じゃなかったのに
「あー、更年期症状、出はじめちゃいましたか! そうかそうかー。でもね、終わりますから。時がくれば必ず終わって、光が見えてくるんですよ」
テレビで見ていたのと同じ、曇りのない表情と力強い声だった。アナウンサーとしてNHKの朝の顔を長く務めた武内陶子さん。58歳、少し先をさっそうと歩く人の言葉は、やはり自身の体験に裏打ちされていた。
「私の母親が無症状だといっていたので、50代に入っていざ自分の体に変化が出たときは、本当に驚きました。それまでちっともかかなかった汗を急に、しかも首から上だけかきはじめて、ほてってのどがカラカラに。生放送中、『あ、くる』と予感がしても、どうしたら止められるのかがわからない。緊張も手伝って、ついには、カメラの前で言葉が出なくなりそうになりました」
専門外来を受診し血液検査をすると、女性ホルモン値はやはり激減。漢方薬やプラセンタ注射など、思いつくかぎりの手段を試したものの、その後も顔の皮膚の腫れ、指の関節が変形するヘバーデン結節などの不調が続いた。
「そのころ、家でも、子供たちに『ママ、怖い』といわれるようになっていたんです。家事も仕事もがんばってニコニコしているつもりでいたのに、それは完全な自己満で、実際にはちょっとした拍子に『なんでそんなことするの!』『もうママは出ていきます!』とイライラをぶつけていたことがわかって。自分はすごくハッピーな人間で悩みがないのが悩みだと思っていたのに、更年期になって、そうじゃない私が次から次へと……。恐怖、でしたね」
更年期女性の挫折は社会にとっても大損失
番組で、更年期について話してみない?――局からオファーを受けたのは、そんなときだった。
「センシティブな話題ですし、『更年期です』と看板を提げて表に出るのは、やはり勇気のいることで……。でも、私が経験していることが誰かのためになるのだったら、そして、この不調の対処法を一緒に探れるんだったら、と」
コロナ禍中、100人を超える同世代とオンラインで対話を重ね、’22年に特集番組『#みんなの更年期』を放送。人によって異なる更年期のありようを、武内さんはまざまざと知った。
「毎日、起きた瞬間からジェットコースターに乗っているみたいにめまいが続く。起きられず、夫や子供から非難される……皆さん、すごく悩んでましたね。職場でいえない、つらさをわかってもらえないという声も多かった。調査によると、更年期でも4割くらいの人は無症状なので、女性同士でもわかり合えない場合もあり、ひとりきりで悩んで仕事をやめてしまう人も少なくないんだと。ますます人として成熟する時期なのに、それって、社会にとっても大きな損失じゃないですか」
あなたのせいじゃない、決して自分を責めないで――。番組を通しての訴えは、女性たちからだけでなく、男性からも大きな反響を呼んだ。
「『母の不調に気づけなかった』『妻をわかってやれなかった』と、本当にたくさんの人から……。決して『更年期なんだからー!』と振りかざしたかったわけではないんですよ。でも、しんどそうな人を見かけたら『大丈夫?』と声をかけるように、女性も男性も歩み寄り、もっともっとお互いを思いやれる社会になれたら、いいですよね」
不調は、あなたのせいじゃなくて女性ホルモン減少のせい。だから、絶対に自分を責めないで!
もがいて手に入れた自信は必ず自分の糧(かて)になる
模索を重ねて症状や感情との付き合い方を会得するにつれ、不調は徐々に「『今は出てこないでくれる?』と抑えられるようになってきた」と武内さん。取材中に知ったある言葉が、今も胸に残る。
「BBC(英国の公共放送)が更年期の番組をやったときの合言葉が『Fi nally, Be Me(ついに私になる)』だったんですが、まさにそのとおりだなぁと。閉経イコール女性としては終わりだと長く思ってきたけれど、いざその立場になってみると、解放でしかなかったですね。性別にとらわれず人として生きられる、いよいよ唯一無二の私になれるんだと思うと、すごく楽になって」
結婚、出産、子育てと仕事、家庭と自分。悩んで選択しては壁に突き当たってきた女性の人生。しかし、そのつらさを経験してきた女性だからこそできることがあると、武内さんはいう。「壁を乗り越えるために起こしたアクションは、いつか自分の中で自信になる。さらに、それを誰かに伝えて共感してもらうことで、多くの人の発見にもつながっていくんです。だから、今、目の前に壁を感じていても、『これを乗り越えたら、きっとスッキリするだろうな』という思考回路を、ぜひ手に入れてほしい! 今はしんどくても、それは、これから先を生きていくうえでの最強のツールになるし、痛みを知る人は、そのぶん優しくなれるはずだから……。誰もが皆、フラットに働き、学び、暮らせるようになれば、今とは違う世の中がやってくる。更年期を乗り越えた女性が、いち早くそこにたどりつけるんだと、そのことを喜んでもらいたいなと思っています」
「性別を超えて、これからは人としてさらに自由に――私たちはついに私たち自身になれるんです」
フリーアナウンサー・ 武内陶子さん
婦人科医が“更年期”のお悩みに回答!
更年期症状は遺伝する?治療はどうしたら?家事と仕事の両立は?みんなのリアルなお悩みから素朴な疑問まで、女性の健康に詳しい医師がズバリ回答。
産婦人科医 吉野一枝先生
婦人科医を伴走につけて変化の激しい時期をのりきろう
「更年期はすべての女性に訪れますが、更年期症状の種類や程度は人それぞれ。スーッと過ぎてしまう人もいれば、社会生活を送るのが困難になる人も。でも何事もなくて婦人科を受診する機会がないことがいいのかというと、それはNO。更年期以降はがんや骨粗しょう症のリスクも上がるので、40代になったらぜひ婦人科を受診して、今後の健康について相談してほしい。そして一年に一回は婦人科検診を受け続けてほしいです。かつては“女性は男性の縮小版”という認識で、女性特有の年齢による変化や健康問題にはスポットが当たっていませんでした。ここ15~16年でだいぶ更年期のことがいわれるようになり、日本産科婦人科学会や厚労省のHPにも正しい情報は載っているのですが、まだまだお友だち情報やネットの口コミなどを鵜のみにしてしまう人も多いと感じます。更年期をのりきり、その後の人生を健やかなものにするには、正しい情報がなによりも大切。そのためにもぜひかかりつけの婦人科医をもってください。いい婦人科にめぐり会うにはとにかく行ってみること。相性もあるので他人がいいといっても自分とは合わない場合もありますが、受診が病気の発見につながることもあります。更年期を過ぎ60~70代になったら、それまでよりもっと元気でいきいきとした女性をたくさん見てきました。ぜひ自分に合う婦人科医を伴走につけ、更年期の変化をきっかけに一生の健康を考えてみてくださいね」
Q.私の更年期症状はホットフラッシュです。なかなか終わらないのですが、ずっと残ることもあるのでしょうか?(60歳・会社員)
A.更年期を過ぎているなら、自律神経のバランスの乱れかも
「閉経から5年以内であれば更年期の最中なので、症状が続くことは考えられます。でもそれを過ぎているなら、ストレスなどによる自律神経の乱れの可能性が高い。ときどき、20代など若い世代や更年期を過ぎた70代でそうした症状を訴える人がいますが、更年期に該当しない年代のホットフラッシュやのぼせ、異常な発汗などは、女性ホルモンの変動による影響ではありません。自律神経の治療が必要になるので、内科的な診察を受けるのがいいでしょう」
Q.実母も更年期症状が重かったのですが、遺伝は関係しますか?(56歳・パート)
A.遺伝は関係ありません。生活環境が大きいです
「卵巣機能は遺伝性があり、閉経が母親と同じ時期ということはあります。ただ更年期症状は遺伝とは関係なく、その時期にどういう生活をしていたかによります。更年期の不調はストレスが重なるほど重くなる傾向があるので、お母さまがつらそうにしていたなら、その時期に多くのストレスを抱えていたのでは。エクラ世代よりも上の女性は、女性の生き方や健康に関して今よりも世の中の理解がなくハードな時代だったので、そうした人も多かったと考えられます」
Q.病気で子宮をとりましたが、更年期症状はあるのでしょうか?(46歳・主婦)
A.更年期症状にかかわるのは、子宮ではなく卵巣です
「子宮のあり、なしは更年期症状に影響はしません。子宮はあくまで子供を産むための器官であり、20~30代ではニワトリの卵くらいの大きさですが、年齢とともにだんだんと小さくなっていき、80代ではうずらの卵程度のサイズまで縮みます。それはもう必要ない器官だからともいえます。一方で、卵巣は女性ホルモンを作る器官なので、病気などで卵巣をとると突然更年期症状が出てくる場合も。その場合もHRTが有効です。子宮がない人ももちろんHRTは可能で、子宮のある人と薬の処方が異なります」
Q.漢方では効くまでに時間がかかりそうで、HRTはよくわからない。どの治療法がいいでしょう?(52歳・主婦)
A.漢方は冷えや肩こりに効果的。HRTは更年期症状全般に◎
「漢方、HRTそれぞれに得意分野やメリット、デメリットが。更年期症状に効く漢方は『当帰芍薬散』『加味逍遙散』『桂枝茯苓丸』などがポピュラーで、冷え症や肩こりなど慢性的な不調の改善にはいいといわれます。ただ『この症状にはこの漢方』という感じで、不調が多いと何種類も必要になり、効果を感じるまで1カ月はかかるのが普通。体に優しいイメージをもつかたも多いですが副作用もあります。HRTはそれだけでほぼすべての更年期症状に効きますが、乳がんの人には使えないなど条件も。漢方とHRTは併用もできるので、相談してみても」
Q.更年期症状がないのですが、エクオールのサプリなど積極的に取り入れたほうがいいのでしょうか?(48歳・会社員)
A.サプリはHRTが使えない場合におすすめです
「エストロゲンと似た働きをするエクオールを配合したサプリメントが、近年多く出ています。HRTが使えない人(乳がん、血栓症の既往歴があるなど)にはサプリもいいと思いますが、更年期症状がなくても将来の骨や血管のために有効なのはHRTです。症状がないからといって婦人科にまったく行かないと、病気の発見が遅れるなどのリスクも。子宮体がんや卵巣がんは50代からかかりやすくなるので、特に悩みがなくても一年に一回の婦人科検診はマストです」
Q.手指関節に痛みがあります。リウマチではないといわれたのですが……(60歳・会社員)
A.更年期の典型的な症状「へバーデン結節」かも
「関節に痛みが出たり変形する病気にリウマチがありますが、リウマチは第二関節に出ることが多いです。血液検査をすればすぐにわかるので、リウマチではなくかつ第一関節に痛みや腫れ、こわばりがあるようなら、『へバーデン結節』である可能性が高い。更年期の女性に多い関節の病気です。HRTは、ある程度、予防や進行を遅らせる効果があるので、婦人科で対策を相談してみてください」
Q.更年期に入り、コレステロール値が年々上がっています抑えるにはどうしたらいい?(56歳・パート)
A.コレステロール値だけで心配する必要はありません
「悪者にされがちなコレステロールではありますが、実は女性ホルモンの原料でもあります。更年期になり卵巣機能が衰えて女性ホルモンを作り出す力が衰えていくと、原料が余ってしまう。だからコレステロール値が以前より高くなるのは自然なことであり、気をつけていても上がっていくものなので、中高年男性の中性脂肪と同じように扱うのは間違いです。コレステロール値に加えて肥満や高血圧、血糖値の急上昇などの症状が重なる場合は治療が必要ですが、コレステロール値だけが多少高い程度であれば、そこまで心配したり下げなくてはと焦らなくて大丈夫」
Q.閉経後、それまであった筋腫はどうなりますか?(58歳・主婦)
A.小さくなっていきます。大きくなるのは別の病気です
「子宮筋腫はエストロゲンの分泌によって大きくなるため、閉経後にエストロゲンの分泌がなくなれば筋腫は小さくなっていきます。もし閉経後に新たにできたり、それまであったものが大きくなるようであれば、筋腫ではなく肉腫(悪性の腫瘍)である可能性が。特に筋腫の大きさが10㎝以上の人は肉腫に変化するリスクがあるので、経過観察は必要。閉経しても婦人科検診を続けることが大切です」
Q治療のほかに自分でできることはありますか?(47歳・会社員)
A.生活習慣や食事などの見直しは症状の改善に効果大
「治療による対症療法も大切ですが、その前にまず見直したいのが生活習慣。更年期は代謝が落ちるため、遅く帰ってきて夕飯を食べてすぐ寝てしまう、夕飯をごはんまでガッツリ食べるといった若いときと同じ食事をしていたら、一年で10~20kg太ることもザラ。太ると更年期症状が重くなるわけではありませんが、肥満は将来的な病気のリスクを高めます。夕食は寝る3時間前までにすませ、炭水化物を控えるのを基本とし、一日30分でいいので歩く、エスカレーターは使わず階段を上るなど、簡単なことでいいので運動量を増やすことも心がけましょう。そしてよく眠る。更年期で生活改善ができると、その先の老年期はもっと元気に過ごせるはずですよ」
Q.更年期の症状と闘いながら、仕事と家のことを両立するのがしんどいです(55歳・パート)
A.自分ひとりでがんばらない! 子離れも考えるべき時期です
「仕事と家のことを両立しないといけないのは女性だけ?いいえ、そうではないはずです。ただでさえ心身の不調が増える更年期、それなのに家事も育児も仕事も……なんてできる人のほうがまれで、自分のいたらなさや能力のせいだと思う必要はまったくありません。パートナーがいる人はしんどいことを伝え、よく話し合って家事や育児を分担してください。子供がいる人は、子供が大きくなってくる時期でもあるので、今まで子供にかけていた手を少しゆるめ、上手に子離れしていくことも考えましょう。女性はもっと自分ファーストでいい。更年期ならなおさらです」
Q.更年期は骨折が増えると聞きました。骨密度を上げるには?(48歳・自営業)
A.食事や運動のほかHRTも選択肢のひとつ
「エストロゲンが減少するのに伴って骨ももろくなっていきます。ちょっとぶつけただけで指の骨を折るなど、閉経後の女性に小さな骨折が増えるのはそのためです。80代女性では2人に1人が骨粗しょう症なので、たとえ今骨密度が『同年代の平均値です』といわれたとしても、それはつまり80代には骨粗しょう症になる可能性が高いということ。決して安心はできません。骨を強くするにはカルシウムやビタミンDといった栄養素をしっかりとり、適度な運動をすることが大事。またHRTは骨密度の低下を防ぐ作用もあります」
Q.更年期が終わると中性的になるのではと不安です(46歳・主婦)
A.それはファッションの問題。ホルモンとは関係ありません
「ホルモン値は外から見てわかるものではなく、中性的であるかどうかというのは見た目の問題、つまりファッション。その人の意識しだいだと思います。同様に、よくいわれる『子宮をとると中性的になる』というのも、まったくのデタラメです。むしろ注意したいのは、更年期の妊娠。更年期に入っても月経と排卵があるうちは、確率は低いとはいえ妊娠の可能性は十分あります。実は40代後半の人工中絶の割合は10代後半に次いで高く、これは『更年期に入ったからもう妊娠しないだろう』という思い込みからと見られます。不規則であっても月経があるうちは、子供を産む予定がもうないなら、避妊はマストです」
朗報が続々!更年期世代のサポートNEWS
もやもや不調にひとりで悩むのはもうおしまい。更年期のウェルビーイングを応援する、新しいサービスやアイテムをチェック!
女性ホルモン検査や甲状腺ホルモン検査などが一度に受けられる“更年期ドック”が好評!
もしかしてそろそろ? 更年期のサインを感じたら、女性専用クリニック『クレアージュ東京 レディースドッククリニック』の「更年期ドック」で、今の心身の状態を客観的に把握してみては。内容は血液検査による女性ホルモン検査と甲状腺ホルモン検査、婦人科検査、内科診察、骨密度測定、身長・体重測定などで、全身の健康状態を一度に調べることが可能。
受付をすませるとまず更衣室で検査着に着替えてから検査フロアへ。まるでホテルのラウンジのような広々とした洗練された空間で、各検査室や診察室はすべてワンフロア、数歩の距離にあるため移動もスムーズ。受診者もスタッフも女性だけなので、人目を気にせず安心して診察を受けることができる。受付から終了まで合わせて1時間30分程度で、仕事の合間を縫って受けることもできるなど、忙しい人にもうれしいドックだ。検査結果は約1カ月後に郵送されてくるので、治療やケアの判断材料として生かすことができる。
料金は5万5000円。かかりつけの婦人科がまだない人や自分の体や生活を見直すきっかけがほしい人には、投資する価値のある健診だ。
婦人科検査では問診およびエコーで子宮や卵巣の状態を見る。子宮筋腫や内膜症などの疑いがあれば、再検査をすすめられる。検査結果によっては同院での治療も可能で、アフターフォローも万全。
エストロゲンの減少は骨密度低下につながる。骨密度測定ではエネルギーの低いX線を当てて大腿骨の密度を測定。じっとしているだけであっという間に完了
女性専用健診施設『クレアージュ東京 レディースドッククリニック』
東京都千代田区有楽町1の7の1有楽町電気ビル北館17F
0120・815・835
健診受付時間 8:30~11:00、13:00~14:30
定休日 日・月曜
更年期の女性たちのために、ハリウッドセレブたちも動きだしている!
女性の体や健康についての対話が盛んなアメリカにおいても、「ホルモンの話題は自分の内に秘めておくべきプライベートなもの」という認識が女性たちを沈黙させてきたが、近年、セレブリティが更年期の経験を公に語り始めたことから、その潮流が変わりつつある。
女優ナオミ・ワッツは、30代から更年期症状で苦しんだ経験をもとに、閉経期の女性のためのウェルネスブランド「ストライプス」を創設。肌や髪はもちろん、デリケートゾーンのケア商品からサプリメントまで、更年期特有のトラブルに対処するアイテムを展開し話題に。ドリュー・バリモアは、ホットフラッシュや腸内環境の改善を促す「ドクター・ケリアン」のサプリ“&ME”の顔を務め、グウィネス・パルトロウやキャメロン・ディアスは、更年期に特化したバーチャルケアを提供するアプリ「エヴァーナウ」に投資している。更年期をひとり耐えしのぶ時代は終わり。彼女らのストーリーは共感を誘い、リアルでポジティブな加齢を実現すべく女性同士がサポートし合う、そんな環境がアメリカでは広がっている。
「Stripes(ストライプス)」のアイテム。ホットフラッシュを鎮静するクーリングミスト($38)や頭皮用セラム($50)など、アミノ酸美容成分がホルモン低下によるトラブルにアプローチ。創設者のナオミ・ワッツ(写真1枚目中央)は女性がつながるコミュニティを実現
更年期症状のケアをバーチャルで行う「Evernow(エヴァーナウ)」。オンライン診療を受けられるほか、処方されたホルモンパッチや薬が自宅に届くサービスも。更年期に特化した医療サービスは今後も注目
栄養ドリンクやジュレ、漢方スープなど、不調を感じたら、手軽に取り入れられるアイテムが増えています!
サッと飲めるドリンクで、慢性的な体のお悩みをケア。
リポビタンアクティブ
4つの生薬(ローヤルゼリー、ショウキョウ、チンピ、トウキ)配合。疲れや冷えの改善に。
リポビタンアクティブ(指定医薬部外品)50㎖ ¥330/大正製薬
ザ・コラーゲン リュクスリッチ
10種類の美容成分に加え、大人世代にうれしいローヤルゼリーやクロマメノキを配合。
ザ・コラーゲン リュクスリッチ 50㎖ ¥429/資生堂ビューティーウエルネス
エクエル ジュレ
エクオール、ビタミンD、コラーゲン、カルシウムなど女性にうれしい成分が入った、ふるふる食感のクラッシュジュレ。さわやかなオレンジ味。
エクエル ジュレ 100g×12袋¥3,240/大塚製薬
ファントゥーミー マイメンテ養生スープ・養生茶
漢方ベースのスープとお茶、LINEでの健康アドバイスがセットになった月額サブスクサービス「Fun to Me」。毎月自分の状態に合ったスープとお茶が選べ、会員同士で情報交換も。
マイメンテ養生スープ8食、同 養生茶30包、LINEでのアドバイス(4回以上)1カ月¥4,860/クラシエ
自分に向き合って、ていねいにケア。デリケートゾーンに使えるオイルも。フェムケアブランド「YOJOY」誕生
インナーウエアでおなじみのワコールから生まれた、セルフケアを習慣化し、心身を整えるブランド「YOJOY」。女性のホルモンバランスや年齢などによるゆらぎに寄り添うインナーやコスメで、毎日を快適に。乾燥しがちなボディに潤いを与えるオイルはぬれたままの体にもOK。デリケートゾーンにも使える。
インバスボディセラム 75㎖ ¥3,300/ワコール
大豆イソフラボン素材の新成分や、膣内フローラを整える乳酸菌も進化するサプリに注目!
不足しがちな成分を補ったり、変化する体内環境を整えるサプリも続々。
フェムチャー フローラプロテクトサプリ
膣内の常在菌バランスを整える乳酸菌UREX配合。一日1粒で膣内環境を健やかに。
フェムチャーフローラプロテクトサプリ 30日分¥4,980/アンファー
ナリス エクオリティ
エクオールを体内で作るのをサポートする2つの新成分「プレエクオール」と「ラクトビオン酸」配合。
ナリス エクオリティ 60粒¥4,536/ナリス化粧品
更年期に特化したオンライン診療サービスがスタート
リアルの婦人科に行く時間がとりづらい人や、ハードルの高さを感じる人にもうれしい、更年期特化のオンライン診療「MYLILY(マイリリー)」。更年期に詳しい産婦人科医に画面越しで診察を受けられる。問診、診療、処方箋、薬の受け取りまでがスマートフォンとLINEで完結。キャンペーン期間中につき、初診料¥2,500が、7月末まで無料(薬の処方がある場合は薬代、送料別)。
https://lp.mylily.jp/
動悸、胸の痛みなどの症状に心強い味方、携帯型心電計を開発
女性にも多くみられる心臓の病気「心房細動」は、めまいや息切れ、動悸など更年期の不調と現れ方がよく似ている場合も。更年期だからと放置していると心機能低下につながるため、早い発見が大事。スマートフォンのアプリと連動し、心電波形の確認や症状のメモができるコンパクトな心電計を役立てて。
携帯型心電計 HCG-8010T1 ¥32,800(編集部調べ)/オムロン ヘルスケア
吸汗速乾、接触冷感の素材で、ホットフラッシュ対策に新しい味方!
突然の発汗にブラがびっしょり……そんなピンチを救ってくれるブラジャー。速乾性に優れた冷感素材で、汗をかいてもサラッと快適。首もと・わき・すそ部分が切りっぱなし仕様で、締めつけもなく心地よい肌当たり。切ってもほつれにくく、わきの下を自分好みにカットできる。
メディキュア 前開きハーフトップ(さらっとタイプ)M~3L 各¥3,520/グンゼ
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