【学び多きエッセー・ノンフィクション4冊】夏の文芸エクラ大賞「生き方ヒント賞」受賞作はこれ!

夏の読書ガイドとして恒例となり、今年で7回目を迎えた文芸エクラ大賞。文芸評論家とライター、担当編集者がこの1年間に出版された本で最もおすすめしたい本を、忖度なしで厳選! 今回は「生き方ヒント賞」受賞作4冊をご紹介。

『あなたの言葉を』

『あなたの言葉を』 辻村深月 毎日新聞出版 ¥1,540

寄り添うような言葉がぐっとくる

辻村深月 毎日新聞出版 ¥1,540

「幼いころの自分の本音に気づかされた本」(K野)。気持ちを素直に話すと「笑われる」と思ったこと。「努力家」といわれてもやもやしたこと。作者が自分を振り返って書いた小学生向けの助言は、大人が生きる指針とも重なる。
 

『野犬の仔犬チトー』

『野犬の仔犬チトー』 伊藤比呂美 光文社 ¥1,760

60代半ばの人生の空洞を埋めてくれたもの

伊藤比呂美 光文社 ¥1,760

「どんなに家の中を荒らされても野犬との暮らしを続ける伊藤さん。彼女が求めているものは何?と考えさせられた」(山本)。子育ても両親と夫の看取りも終えて野犬を飼いはじめた作者が、軽妙につづる日記風エッセー。
 

『夜明けを待つ』

『夜明けを待つ』 佐々涼子  集英社インターナショナル  ¥1,980

生と死を見つめ続ける作家の“今の気持ち”

佐々涼子 集英社インターナショナル ¥1,980

平均余命14カ月の悪性脳腫瘍と診断された作者が長年書きためたエッセーとルポを病床でまとめた一冊。「あとがきに『ああ、楽しかった』と書いた作者。“生を楽しむための贈り物”をもらった気がした」(細貝)。
 

『自由の丘に、小屋をつくる』

『自由の丘に、小屋をつくる』 川内有緒 新潮社 ¥2,420

DIYで得た“やればなんでもできる精神”

川内有緒 新潮社 ¥2,420

超不器用な作者が“暮らしの基盤を手作りすることで生活の知恵と技術を学べれば”と考え、小屋作りを始めると……。「川内さんが小屋作りを通して人生に抱いた疑問と答えはエクラ世代に響くと思う」(細貝)。
 

文芸エクラ大賞とは?

私たちは人生のさまざまなことを本から学び、読書離れが叫ばれて久しいとはいえ、本への信頼度が高いという実感がある世代。エクラではそんな皆さんにふさわしい本を選んで、改めて読書の喜びと力を感じていただきたいという思いから、’18年にこの賞を創設。


選考基準は、’23年6月~’24年5月の1年間に刊行された文芸作品であり、エクラ読者に切実に響き、ぜひ今読んでほしいと本音でおすすめできる本。エクラ書評班が厳選した、絶対に読んでほしい「大賞」をはじめ、ほかにも注目したいエクラ世代の必読書や、書店員がおすすめのイチ押し本を選定。きっと、あなたの明日のヒントになる本が見つかるはず!

▼4人の選者
文芸評論家 斎藤美奈子
本や新聞、雑誌など多くの媒体で活躍。文学や社会への的確で切れ味鋭い批評が熱い支持を集めている。

書評ライター 山本圭子

出版社勤務を経てライターに。女性誌ほかで、新刊書評や著者インタビュー、対談などを手がける。

書評ライター 細貝さやか

本誌書評欄をはじめ、文芸誌の著者インタビューなどを執筆。特に海外文学やノンフィクションに精通。

書評担当編集 K野

女性誌で書評&作家インタビュー担当歴20年以上。女性誌ならではの本の企画を常に思案中。

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