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サントリー株式会社 常務執行役員・ワイン本部長 吉雄敬子さん「生活を豊かにする文化のひとつとして日本のワインを愛する大人が、もっと増えるように」【エクラ トップリーダーズvol.05】
サントリー株式会社 常務執行役員・ワイン本部長
吉雄敬子(よしお けいこ)さん

甲府駅から車で約30分、約150haの広大な「サントリー登美の丘ワイナリー」。見学ツアーなどはウェブサイトで随時予約を受け付けている
profile
●吉雄敬子
’91 慶應義塾大学法学部卒業後、サントリー株式会社に入社。法務部を経て、食品、飲料のマーケティングに従事。
’06 ビール事業部ブランド戦略部課長に就任。「金麦」が大ヒット。
’13 サントリー食品インターナショナル 食品事業本部ブランド戦略部部長、サントリービールブランド戦略部長を歴任。
’21 サントリーワインインターナショナルでサントリー事業会社初の女性社長に。
’24 現職。
後輩の働く女性たちにも今だから伝えられることがある
さわやかな風が緑の丘を吹き抜けていく。甲府盆地を見渡す斜面にあるサントリー登美の丘ワイナリーでは、100年を超える歴史をもつ広大な畑で、健やかなブドウの木々が葉を茂らせていた。
「ワインの原料はブドウ100%。その年につくるワインは、ブドウで決まるんです。だから、必ず毎月一度は来て、畑の様子を見るようにしていて。冬には丸坊主だった木から春に芽が出て、ああ、こんなに育ってきたんだなって」
吉雄敬子さんがワイン事業の統括責任者となったのは’21年。長くマーケティング畑に身を置き「なっちゃん」「金麦」などのヒット商品を世に送り出した人にとって、会社員生活30年で挑戦した新たなフィールドだった。
「畑で原料を育てて醸造熟成し、瓶詰めして販売まで行う。ものづくりの端から端までを経験できるのがワイン事業で、その意味でも、ワイナリーは特別な場所です」と吉雄さん。まず行ったのは、日本ワインのリ・ブランディング。「FROM FARM」というコンセプトも、その際、設定したものである。
「サントリーは輸入を含め幅広くワインを扱っていますが、自社の畑をもっていることはあまり知られていませんでした。そのことを改めてお客さまにもお伝えしたかったし、畑やセラーを見学したり、試飲したりして、ワイナリーのファンになっていただきたいと思ったんです」
ワインは、知識がなければ味わえない――大人ほど縛られがちなこの固定観念を解くには、まずは畑でブドウに触れてもらうこと。そこで、収穫の時期をはじめ、年間にさまざまなイベントを開催した。さらに力を注いだのが、顧客とつくり手とのコミュニケーション。若手の醸造家による商品をプロデュースし、イベントの際には、彼らと顧客が直接触れあえる機会を設け、対話を促した。
「畑で育つブドウやワインをつくる人の顔を思い浮かべながら飲んでいただけば、ボルドーのかたがボルドーワインを愛するように、日本のワインを好きになってくださるかたが増えるはず。お酒はあくまで嗜好品で、生きるために必須のものではないけれど、生活を楽しくする文化のひとつ。その代表ともいえるワインを楽しむ大人が増えれば、日本の社会もさらに成熟していくのではないでしょうか」
好きな仕事を続けて日々を重ね、自身も迎えた成熟の現在。最近心を占めているのが、女性の後輩たちの存在だという。
「私たちの世代より楽になったように見えて、男女平等な組織でどう仕事していこうか、子育てをどうしようかなど、話してみると、意外に悩みが深いんですよね。私自身は男女の別なく仕事をしてきて、特に女性であることを意識してこなかったのですが、自分の娘も社会人になる年齢に近づいた今、自然と若い人のために役に立ちたいと思うようになって。10年先を思い悩むより今やれることを大事に、など、大人の今だから伝えられることもあるはずなので……それこそ、ワインを飲みながらでも語りあう機会をもっともてたらいいなと思っています」

日本固有品種の甲州からつくられた「登美の丘 甲州 2022」(右)は和柑橘の香り。自園産の複数の多様な果実味が調和する「登美の丘 赤 時のかさね」(左)とともに、オンラインでも販売

ワイン関連の催しには、ブドウの房を模(かたど)ったペンダントを身につけて

ソムリエの資格をもつ吉雄さん。「登美の丘ワイナリーに併設のショップでは、どんなタイプをお探しですか?とお声がけしたりもします」
motto

水は自然の、土はテロワール(ワインの品質や特長にかかわる環境条件)の象徴。そして「や っぱり、人が大事」と吉雄さん。ワイナリーのモットーは、自身のそれとも重なる。
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