【京都に住む】料理家・ちづかみゆきさん、単身赴任がきっかけで二拠点生活を開始

何度訪れても発見があり、毎月のように通う人がいるのもうなずける、食も自然も文化も豊かな街「京都」。そこで実際に暮らしはじめた料理家・ちづかみゆきさんにその魅力についてうかがった。
ちづかみゆきさん

ちづかみゆきさん

ちづか みゆき●料理家・国際中医薬膳師。大人の心と体をいたわるシンプルで無国籍な料理を、主宰する料理教室、雑誌、書籍、ウェブなどで提案。著書に『暮らしの図鑑 薬膳』(翔泳社)など。

食材の買い出しも楽しく気づくと2万歩近く歩く日も

今年の春、東京と京都の二拠点暮らしをスタートしたちづかさん。夫の単身赴任により京都に家を借りることになり、ちづかさんも自宅のある東京と京都を行き来することになった。

「一生に一度、京都に暮らしてみたいよねと夫と話をしまして。おそらく3年ほどの期間限定ですが、憧れの京都暮らしが実現することに。東京での仕事があるため、私は月の1/3程度が東京、残りが京都というペース。なので家は狭くていいねと。そのぶん夫の通勤に便利な駅の近くで、なおかつ観光客の少ない静かで落ち着いた場所を選びました」

料理家として活躍するちづかさんが楽しみにしているのは食まわり。夫の赴任で暮らした上海やボストンでも、その土地の食材や料理を積極的に学んできた。

「東京では、なんでもそろう大型スーパーに行き、たまに食材がそろわないときにほかのスーパーをはしごするくらい。でも京都では食材ごとに専門店を渡り歩いています。お肉も鶏肉はこのお店、豚肉と牛肉はこちらの店といった具合。鶏肉店では朝挽きの肉が手に入るのですが、ドリップが出ないし、すごくていねいにお掃除されていてとてもおいしいんです。野菜は大原で。里の駅と週末に開く朝市でまとめ買いしています。希少な無添加のしば漬けも必ず購入。スーパーにも行きますが、東京と比べると小規模な個人経営的な店が多い気がします。魚売り場に鱧が並んでいたり、生麩があたりまえのように置いてあったり。一方で東京のスーパーでは一年中見かける、もずくが見当たらないなど食材の違いもおもしろく、発見があります。あとお店が閉まるのが早いです。つい東京時間のままダラダラ仕事をして、さてお買い物へ、と出かけたら閉まっていたなんてこともありました」

京都では日々の食材の買い物だけでも相当歩くため、気づくと一日2万歩近くに。

「歩いていても楽しく、気候がいいとどこまでも行けそうで。買い物途中に鴨川や下鴨神社を通るたび、美しい景色に癒されています。疲れるとコーヒー屋さんや甘味処でひと休みするのも楽しみ。京都はコーヒー屋さんがとても多いですよね。お祭りの多さにも驚きます。今年初めて祇園祭に行き、下鴨神社のみたらし祭にも行ってみました。小さなお祭り、行事が毎月のようにあるのも発見です」

歩くだけでワクワクでき、発見や感動の多い京都での暮らしを満喫している。

ちづかみゆきさん

『やなぎのにわ京菓子店』(https://yananiwa.thebase.in)にオーダーしたお菓子を受け取りに。菓子職人・江見智彦さんとフードコーディネーター三島葉子さんが手がける人気のお菓子はギフトにもぴったり。オーダーで干菓子やお茶事の生菓子なども購入可。月に一度、上七軒で限定カフェも。

京都に住んで、やっぱりよかった

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写真/ちづかさん提供

近所を歩くたびに美しい眺めにうっとり

買い物途中に通る鴨川。時刻や季節によって表情を変え、飽きることなく眺めていられる。「通るたびについ写真を撮ってしまいます。美しい景色が日常で楽しめるのもうれしい」。

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写真/ちづかさん提供

週末は新鮮な野菜を求め、大原へ

「仁平綾さんの本を読み、大原に通うようになりました。新鮮な野菜、京都ならではの野菜が手に入るので、いつもまとめ買いしています」。里の駅と朝市めぐりは週末の楽しみ。

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写真/ちづかさん提供

京都ならではの食材を積極的に活用して料理も

東京のスーパーではあまり手に入らない食材で料理をするのも楽しみに。「この夏は、衣にチーズとビールを混ぜ、鱧をフリットにして堪能しました。ライムをキュッと搾り、塩で」。

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