-
【ロンドン・おしゃれマダムの心地良い家】柔らかな印象のリビング&故郷のギリシャへの愛をこめた寝室。マリア・レモス宅<後編>
ロンドンで訪ねたのは、ファッションブランドのショールームとコンセプトストアを手がけるマリア・レモス宅。ロンドン北部、カムデンタウンにある庭つきの一軒家。夫と愛犬、そして3人の子供たちとのスイートホーム。3階までの各フロアは、それぞれのテーマを設けている。今回は、リビングと寝室を拝見。
【ロンドン・おしゃれマダムの心地良い家】自然とモダニティが共存する ぬくもりに包まれた家。マリア・レモス宅<前編>

Maria Lemos(マリア・レモス)
自然とモダニティが共存するぬくもりに包まれた家
常に美しいものを追い求め、素材や作り方、クオリティまで徹底的に調べるマリア。そんなリサーチ力とパッションから、この家にはアンティークや異国からのオブジェ、クラフツを極めた家具や照明器具まで、逸話のある優れものが集まった。それらをひとつの世界観としてまとめているのは、ひとえに彼女のモダンなアプローチ。

グラウンドフロア(日本の1階)のオープンキッチン&ダイニングには、友人であるトリシアとのつながりが見られる。壁のペイントは「デザイナーズギルド」のコレクションから。クッションの生地はトリシアからのプレゼントだ。このスペースの主役はピート・へイン・イークによる長いテーブルと、壁を覆うタブロー。森田直による古代布をはぎ合わせた作品はその名も『ボロ』。スツールはマーガレット・ハウエルもひいきにしているという、アーコール
各フロアには、それぞれのテーマで異なる雰囲気を
ファッションブランドのセールスと小売りの両方に携わるマリアは、常にあらゆる方面にアンテナを張っている。美術館やギャラリーで見かけたもの、本や雑誌から得た情報、好みをシェアする友人からのおすすめ、そしてSNSで目にとまったものまで、すべて。さらに、書きとめたアーティストやブランドについては徹底的にリサーチし、整理する。こんな彼女の好奇心と行動力の賜物(たまもの)といえる家はロンドン北部、カムデンタウンにある庭つきの一軒家。夫と愛犬、そして3人の子供たちとのスイートホームだ。ちなみに夫は医師の仕事を引退後、夫妻で経営するゲストハウスがあるギリシャ・パトモス島とロンドンを行き来している。
’19年に購入したジョージアン様式(18世紀前半〜19世紀前半)の物件の大改装を依頼した建築家は、ウィリアム・ラッセル。友人であるマーガレット・ハウエルのブティックや家を手がけていることで知り、「ムキムー」1号店の設計ですでに仕事をともにしたことがあった彼に、マリアは絶大な信頼を寄せていた。極力地元の素材を使うというエコフレンドリーなアプローチにも彼女は共感している。
「カムデンを選んだのは、ミュージシャンや建築家が多く住んでいたアーティスティックな背景に加え、緑が豊かで静かだから。ここは1960年代から空き家になっていたので、いちからすべてを見直す必要があり、逆に自由な改装が可能でした。意図したのは、プロポーションがよく、自然光がたくさん入ってモダンな家。家の構想にあたってはまず、インスピレーションを求めて大好きな建築家、ジョン・ポーソンの家を訪ねたんです」と、マリアは家づくりの出発点について語ってくれた。
3階までの各フロアには、それぞれのテーマを設けた。まず地上階で大切にしたのは、室内に緑の景観を取り入れること。庭に面した側一面に大きなガラス窓を配したのは、そのためだ。また収納にもこだわり、オープンキッチン&ダイニングとつながる廊下も含め、壁一面にはニレの木で造り付けの棚をめぐらせた。ニレは年季が入ると味わいが出る素材だ。「隠れた贅沢は、フロア・ヒーティング。私たちは冬でも室内では裸足でいたいから。でも目に見える豪華さは削ぎ落としたんです。だからレンガやセメントといったインダストリアルな素材を取り入れ、スイッチにはゴールドではなくニッケルを選びました」と、マリア。
そして上の階は家族や友人たちとテレビを見たり音楽を聞いたりする空間なので、落ち着きのある雰囲気に。この部屋の家具や写真、照明器具までのひとつひとつについて、マリアは作者や購入までの経緯を克明に語れるから、驚きだ。そして最上階、寝室とウォークインクロゼットは、夫妻のルーツであるギリシャのテイストで仕上げられ、よりパーソナルな空間になっている。

左手のレンガ部分は、もともと外壁。玄関から庭に抜ける廊下は、もとの家を拡張し、天窓から光が射し込むように設計した。はぎれで作ったラグはギリシャの典型的な工芸品。壁にはマフラーや犬の首輪をかけて“見せる収納”を。ベンチの下は靴箱に

キッチンでは、モダンさと素朴さの共存が顕著。テーブルクロスは伯母のトルコみやげ、急須は日本で、ボウルはルーマニアから、と愛用品の出どころはさまざま。またオーブンのガラスのドアに庭の緑が映り込むのも、計算してのこと。花瓶には庭で摘んだ花を。これはクロッテッド・クリームと呼ばれる、香りが強いジャスミンの一種
木と花と、生い茂る緑。庭の景観が室内でも生きる、キッチン&ダイニングルーム

トリシア同様、花は小分けにして生ける。左の2つの花瓶は友人のブランド、パフューマーHの香水ボトルの空き瓶

庭にはインダストリアルなスタイルのテーブルを。

庭を手がけたのは「十勝千年の森」で知られるランドスケープ・デザイナー、ダン・ピアソン。大木は、実はアーティストによるスカルプチャーだ

廊下には旅先で拾った思い出の小石を並べて。

ダイニングの壁一面は、ニレの木であつらえてもらった棚
-
【50代、心地いい家】おしゃれなアラフィーはどんな家に住んでいる?真似したいインテリアやアイデア〈まとめ〉
こだわりのヴィンテージ家具を美しく見せる家や、アートとともに暮らす家、ゲストと過ごす時間を大切にする家…。大人が心地よいと感じる家には、住む人の“好き”がつまっている。おしゃれなアラウンド50代のご自宅から、暮らしを美しく快適に彩るヒントを見つけて。
-
【パリクリエイターたちのインテリア】50代が参考にしたい「こだわりの住まい」を披露
クリエイターたちにとって、住まいはいわば作品であり、想像力を培う場所でもある。パリ左岸の3人の女性デザイナーたちの家をたずねて、クリエイションとライフスタイルの本質を探った。
-
運命のキッチンと出会える!50代が今行くべき東京の「キッチンショールーム」まとめ
「そろそろリフォームしたい」「子供が独立し、住み替えを」「別荘を構えて2拠点に」……などと考え中のエクラ世代へ。まずはキッチンから検討しては? 運命のキッチンと出会える、編集部がセレクトした今行くべきショールームをご紹介。さらに、どんな色が人気? 素材は? 家電は?などさまざまな疑問に、キッチン&インテリアジャーナリストの本間美紀さんが回答。
What's New
-
テーブルに新風を!ブチェラッティのプレート&アルフレックスのコーヒーテーブル
エクラ世代の編集部スタッフが、いち早くチェックした「大人にいいもの」を毎月ピックアップ!今回は、ブチェラッティのテーブルウェアとアルフレックスのコーヒーテーブルを紹介。
住まい
2025年4月20日
-
NEOエグゼクティブの撮影はここで!骨董通りの新店舗『B&B Italia Tokyo l Maxalto Tokyo』
4月号の「ジェントル・ジャケット」特集を撮影したのは、表参道・骨董通りにリロケーションオープンした『B&B Italia Tokyo l Maxalto Tokyo』。地下1階、地上3階となる旗艦店は、とにかく見ごたえが!
住まい
2025年3月24日
-
春の模様替えにおすすめ!ビー・アンド・ビー イタリアのダイニングチェア「カラトス」
エクラ世代の編集部スタッフが、いち早くチェックした「大人にいいもの」を毎月ピックアップ!今回は、ビー・アンド・ビー イタリアのダイニングチェアを紹介。
住まい
2025年3月3日
-
より快適な暮らしへアップデート!50代からの「リノベ」&「住み替え」
家族や仕事と、人生のステージが変わる50代。暮らし方や住まいを見直す人も多いのでは。せっかくなら、残りの人生にワクワクするような、ポジティブな決断をしたいもの。リノベーション、移住、実家の建て替え…と幸せなシフトチェンジをスタートしたかたの素敵な暮らしを紹介。ぜひヒントにしてみて。
住まい
2025年2月23日
-
【おしゃれな50代の家づくりアドレス】アートと家具を心地よいバランスで取り入れる。O邸の家づくりアドレス
新しい環境に住み替え&リノベーションをしたOさん。理想の夫婦ふたり暮らしをかなえた、頼れるショップをご紹介。料理家・インテリアデザイナーの行正り香さんがインテリアデザインを行うショップも登場!
住まい
2025年2月17日
-
-
-
-
スタイリスト・戸野塚かおるがナビゲート!ネオ・ラグジュアリーな銀座名品ショッピング
伝統を重んじつつ、常に進化を続ける街・銀座。そこにあるのは、世界屈指のブランドが誇る逸品だ。銀座をこよなく愛するスタイリスト・戸野塚かおるさんがピックアップした名品をショップ情報とともに一挙にご紹介。心躍るショッピングをぜひ堪能して。
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
上品カジュアルが叶うデニムスタイル
ほどよくカジュアルで上品にあかぬける大人のデニムコーデ
-
オンもオフも、涼やかに美しく決まる!
「アクアスキュータム」から大人におすすめのサマー・ルックを厳選
-
夏を美しく彩る3タイプのワンピースが完成
体型悩みに寄り添い、快適で、気分も上がる。理想のワンピース
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき旬の服
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
50代の上品さと可愛さのある「若々しく見えるボブヘア」57選
季節を問わず人気のボブヘアは、若々しくおしゃれに見える。ふんわり感&つや感をアップしておしゃれを格上げしたい。
-
【50代におすすめのヘアスタイル・髪型カタログ】手入れが楽でおばさんぽくならない!ショート・ボブ・ミディアム・ロング別
白髪や髪のうねり、薄毛、パサつきなど40代、50代の気になる髪悩みを解消するおすすめヘアスタイルを提案。ショート、ボブ、ミディアム、ロング別ヘアスタイルから知っておきたい最新ヘアケア事情まで、おばさんぽ…
-
おばさんに見えない前髪は?50代におすすめの「前髪あり・なし」ヘアスタイル・髪型カタログ【ショート・ボブ・ミディアム・ロングヘア別】
前髪の作り方次第で若見えが叶う50代からのヘアスタイルをご紹介。生え際の白髪やおでこのシワ、ボリューム不足など気になるお悩みを解消して、今っぽさやおしゃれ感も手に入る大人の前髪スタイルをチェック!前髪…
-
【憧れの国内高級ホテル・旅館】一度は泊まりたい!北海道から沖縄まで大人が満足する極上ステイ
50代女性が一度は泊まってみたい、と思う全国の高級旅館・高級ホテル・憧れのリゾートホテルを厳選してお届け。温泉やグルメやエステ、絶景など魅力満載の贅沢な国内旅行が楽しめる。夫婦や気心の知れた女友だち、…
-
【50代 パンツコーデ15選】素材やカラーで爽やかさアップ!安心感のあるシルエットで美脚効果も抜群
デイリーでもきちんとした場でも活躍してくれるパンツ。今回はそんな「パンツ」を使った、おしゃれな40代・50代のコーディネートをピックアップ。落ち着いた色のパンツもトップス次第で明るい雰囲気に!