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【感性を磨く京都】今注目のギャラリーと2025年「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」
古都に息づく伝統と革新が交わる京都。キュレーター・長谷川祐子さんが注目するギャラリー「ACG Villa Kyoto」「ノナカ・ヒル京都」を紹介。また今年で13回目となる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」の見どころをまとめた。
【感性を磨く京都】「京の本物」正統を知る。『浜作』森川裕之氏に学ぶ “本当の京風”
『浜作』森川裕之氏に学ぶ “本当の京風”とは
森川裕之さんは、日本最初の板前割烹『浜作』の三代目主人。文壇や政財界の重鎮に愛された味を守り、一期一会の精神で現在も日々板場に立つ。生まれ育った京都や料理への思いは人いちばい熱く、数々の名言、博識を取り混ぜながら、京言葉でたおやかに話を進めるも、これはと思うものには妥協を許さず、時に厳しさへと変わることも。
「私のような昔気質のまま京都でお客商売をしている者から申し上げるなら、昨今は京風を掲げる摩訶不思議なお店が横行しております。皆さまが京風について抱かれるイメージは、まず雅やか、お上品。料理については薄味、見た目の美しさといったところではないでしょうか。このイメージは伝統を繰り返し習得した末にできあがったもので、今はそのイメージに基づいて新たな商品や料理を考案され、それが京風といわれる実態となる、まったく真逆の方程式になっています」
料理や食べ物というものはその土地、空気、水、作り手、素材が密接にからみ合って形成されるもの。さらに、季節感や味の好み、器やしつらえが組み合わされ、その日の客にとっての一期一会のもてなしとなるのが日本料理。
「京ことばに『はんなり』という言葉がございますが、これは派手で華やかにして上品という意。ほぼこれが京風と解釈されますが、地味で渋好みながら上品を意味する『高度(こうと)』という言葉もあり、これもまた京都の美意識の本質をとらえたひと言です」
京都の根底に息づく美意識はひと言では語れず、京都人だけがひそかに知る、深遠な世界がある。
「京都は花鳥風月を書、歌、絵画、工芸、建築などの芸術として精華せしめた土地です。千年以上にわたって伝統と革新を時に重く、熱く、時に繊細に、軽やかに織りなし、その文化形態の中で料理文化も菓子文化も育まれてまいりました。様式を守り、本質を損なうことなく、いかに変化に対応するか。京都の老舗や名店はその舵取りをしながらお客さまの期待に応えてまいりました。しかし、今の時代は大変な激流です。道を誤ることなく暖簾を守っていくのは並大抵のことではございません」
では、その空気に触れるだけで気持ちが覚醒し、再生する〝京の本物〟は存在するのだろうか。
「正統なる京風のお店といえば、例えば亀屋伊織さんと辻留さんでございましょう。京都は明治維新により権力の中枢が東京へ移りましたが、今も寺社とともに文化体系を形成する中心となっておりますのがお茶の三千家さんです。各お家元のお出入りとなりますことは最高に名誉なことで、どちらもお出入りされているお店です。信頼性、確実性において比類のないお仕事はまさに王道であり、老舗、名店の理想形といたしております」
創業300年を超える『亀屋伊織』は干菓子のみを専門に扱うお店。事前に内容や意向を伝えると、お茶席の菓子を誂えてもらえる。
「亀屋伊織さんは、お茶人の間で大変珍重されているお店です。おみやげにするような箱詰めはなく、簡素な箱に収められ、包装もなされていません。お菓子はどれも凝集された仕事を感じるものであり、あえて余白や余韻を残し、最後の解釈を相手にゆだねるという日本文化の洗練がございます。他店ではまねができない、京都が誇るべき老舗の独壇場と呼べるべきものであります」
『辻留』は茶懐石の出張店。調和に始まり調和に終わることを大事とし、味や器の組み合わせにまで心をくばる名店だ。
「辻留さんの折詰弁当は、新幹線に乗る前に必ず購入させていただいています。きっちりとお仕事をされた季節の肴、センスのいい盛りつけ、その端正なたたずまいはよけいなことも微塵の押しつけもなく、心地よい満足感を与えてくださいます。同じ料理人として、料理をすることの本質に気づかされ、リセットされます」
さらに、菓子でいうならば、『川端道喜』の粽(ちまき)、『村上開新堂』の好事福廬(こうずぶくろ)も京風の逸品という。前述の2軒と同じ、店を広げず、支店を出さず、凝縮された修練、鍛錬で暖簾を守っている。
「川端道喜さんは、禁裏御用をつかさどられて500年のお店で、一子相伝で守り継ぐ粽には正真正銘の雅味がございます。祖母などはまず神棚へお供えし、その後ご先祖さまの仏さまにお回しして、そのお下がりを家人がちょうだいするといった具合でございました。村上開新堂さんの好事福廬は、意外にも新しもの好きの京都人の進取の精神から生まれたゼリーで、根底に京都の菓子文化を感じさせる、本来の和洋折衷の結晶といえましょう。珍しさがないと売れなくなるといわれる今にあって、これらには世の中の風潮や通俗の価値観をいっさい寄せつけない格調がございます。音楽にたとえますと、まず浮かぶのがモーツァルトのピアノ協奏曲第20番第2楽章の第1主題ですね。その悠々滔々たる旋律はよどみなく、急ぐでもなく、早からず遅からず流れる鴨川の清流のようです」
本物に出会うと不思議と心洗われる実感が生まれ、鴨川の存在が背景として見え隠れすると話す。
「鴨川は、我々京都人にとって心のよりどころのような存在で、私はいつもかの千鳥酢さん(村山造酢)の宣伝コピーの『鴨川や 清き流れに 千鳥すむ』を思い出します。脳裏の奥にいつもある鴨川は、何かしら京都の本物たるものに影響を与えていると常々思うのです」
懐石 辻留 京都店
茶道裏千家より出入りを許され、出張料理を専門とする懐石の名門。主人の平晴彦さんは、むだがなく華美でもない茶会のために、素材の持ち味を生かす料理を誠実に作っている。最高の素材をそろえ、最良のときに使い、心くばりをもって調理をされた、心のこもった味を感じられる。


Data
京都市東山区三条大橋東入三町目16
☎075・771・1718
9:00~18:00
不定休
折詰弁当¥6,480(完全予約制 希望日の2日前まで)
写真は5月の折詰。包装紙には日本画家・池田遙邨作の京都絵図が。膝かけの画は、北大路魯山人によるもの
亀屋伊織
創業以来、干菓子を専門に商い、今も当代十八代目の主人・山田和市さんが菓子を作り続けている。菓子は総桐の「菓子だんす」に収められ、どれもシンプルな意匠ながら、季節感にあふれる、洗練された京の美意識の真骨頂である。茶の湯の世界でも精彩を放つ、別格のお干菓子。

Data
京都市中京区二条通新町東入ル
☎075・231・6473
9:00〜17:00
定休日 日曜、祝日(不定休あり)
要予約 地方発送不可
写真は木型に材料を押し込んで作る押し物や、砂糖蜜を煮詰めた有平糖。轡や葵は、京の5月・葵祭を感じさせる

『浜作』三代目店主 森川裕之
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