【感性を磨く京都】花の“一瞬の美しさ”と出会う旅

伝統や格式である経(たて)糸と、革新的な新しい文化の緯(よこ)糸が織りなす街、京都。この街でしか得られないセンスを感じられる、最新のトピックス。今回は、花の一瞬の美しさと出会う場所へ。

注目の花人が生ける“一瞬の美しさ”に出会う

「花は一期一会。瞬間に美しいと感じたものをお届けするのが私の仕事」と語る大黒晃彦さん。その思いをもって、日々、滋賀県の自邸の敷地で育てた花を早朝に選び、注文先のお店に持ち込む。

『鍵善良房(かぎぜんよしふさ)』の本店は歴代の主人が収集する絵画や器に寄り添い、高台寺店はモダンな和空間を背景に。『昂(こう) KYOTO』は現代作家の作品や西洋骨董を器に見立て、小さき花で微笑ましい世界を生む。「美しい空間や器、見てくださるかたあっての花。京都という土地だからできることで、すべてが刺激となり、喜びにもなります」。尊いつながりが美しき世界を生む。

『昂 KYOTO』では洋花を選び、あるがままの姿を大事に球根ごと生けることも。キャンドルスタンドはガラス作家・鈴木玄太作

『昂 KYOTO』では洋花を選び、あるがままの姿を大事に球根ごと生けることも。キャンドルスタンドはガラス作家・鈴木玄太作

民藝の器や『鍵善良房』とゆかりのある作家の作品を月替わりで飾る本店の喫茶。引き寄せられる美しさの花木は大黒さんが7年かけて育てた雲龍椿。絵画は中川一政作

民藝の器や『鍵善良房』とゆかりのある作家の作品を月替わりで飾る本店の喫茶。引き寄せられる美しさの花木は大黒さんが7年かけて育てた雲龍椿。絵画は中川一政作

高台寺店の一角に飾られた可憐な山野草の鉢植え

高台寺店の一角に飾られた可憐な山野草の鉢植え

鍵善良房本店

享保年間創業の祇園の和菓子店。行事に向けた菓子や季節を映す干菓子を扱い、店奥の喫茶では吉野葛で作る「くずきり」や上生菓子をそろえる。

Data
京都市東山区祇園町北側264
☎075・561・1818
販売9:30〜18:00、喫茶10:00~17:30
(LO、混雑状況により変更あり)
定休日 月曜(祝日の場合は翌日休)

鍵善良房高台寺店

八坂神社から清水寺へと続く下河原通沿いにあり、静かにお茶とお菓子を楽しめる。’24年に全面改装し、予約専用席が設けられた(席料1卓¥2,000)。

Data
京都市東山区下河原通高台寺表門前上る
☎075・525・0011
10:00〜18:00(喫茶は17:30 LO、混雑状況により変更あり)
定休日 水曜(祝日の場合は翌日休)

昂 KYOTO

オーナーの永松仁美さんが独自の審美眼で発掘した西洋アンティークと現代作家の作品を扱う。暮らしに息づく工芸の新しい価値を提案している。

Data
京都市東山区祇園町南側581 ZENビル2F
☎075・525・0805
12:00〜18:00
定休日 月・火曜、不定休あり

大黒晃彦

大黒晃彦
おおぐろ あきひこ●’86年、三重県生まれ。大学時代に花に興味をもち、花匠 佐々木直喜氏に師事。’17年より拠点を京都に移し、生ける花を自ら育て、お寺やホテル、ショップのさまざまな空間に生ける活動を京都のみで行う。

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