滋味豊かで円熟味ある大人のロゼ『プロヴィダンス ロゼ』【今週末、持っていくならこの1本】

世界的にも評価が高いニュージーランドの「プロヴィダンス」から、数年に一度だけ造られている少量のロゼ。たとえば新たな一歩を踏み出そうとする友に「神の導き(プロヴィダンス)」があるよう、背中をそっと押せる1本。

『プロヴィダンス ロゼ』

プロヴィダンス ロゼ

滋味が豊かで円熟味ある類(たぐい)まれなる大人ロゼ

「プロヴィダンス」とは、「神の導き」を意味する言葉。オーナーで醸造家のジムさんこと、ジェームス・ヴルティッチ氏は’90年の創業時になぜこう命名したのだろうか、と思いを馳せてみた。

ニュージーランド生まれの偉大なワイン。しかも新世界でありながらエレガンス、バランス、フィネスを備えている。ジムさんがこよなく愛するボルドー右岸のシャトー・シュヴァル・ブランのように、カベルネ・フラン種が主体の新世界の赤。徹底した自然な栽培と醸造により、かつ1ミリの欠陥もない。「プロヴィダンス」はこれらをすべてあわせもっている。そして、早くも’96年には世界の権威によるブラインド試飲で、敬愛するシュヴァル・ブランなどを抑え1位を獲得。それまでの常識を覆し、世界に多くの驚きをもたらした。その背景には彼のワインに対する深淵なる愛情と追求しつづける活力、そして神の導きに従うという謙虚さがあったからではないだろうか。

そのプロヴィダンスから、数年に一度だけ少量のロゼが造られている。赤みを帯びた色や複雑な香味は、今世界中でトレンドの華やかでキラキラしたロゼとは様相が異なる。いわば、太陽エネルギーを取り込んだブドウの果皮・果汁・種、すべての存在を実感できるワインで、きれいだけれどきれいすぎない。さらに時を経て円熟味が醸し出されはじめている。じわりじわりと滋味豊かさが伝わり、少し温度が上がるとむしろまろやかさが増幅する。新たな一歩を踏み出そうとする友が神の導きにより幸をつかめるよう、背中をそっと押せる1本になりそうだ。

プロヴィダンス ロゼをグラスに

ニュージーランド北島、オークランドの60km北に位置するマタカナ。元弁護士でシャトー・シュヴァル・ブランをはじめ、ボルドー右岸のサンテミリオン赤を愛飲するジェームス・ヴルティッチ氏が、’90年に2ha植樹。日本ワインの革命児たち「ウスケボーイズ」の師である麻井宇介氏に大きな影響を与えた生産者でもある。ロゼは数年に一度の作品で’18年が6番目。ジムさんの署名入りラベルもシック。
750㎖ ¥17,600
お問い合わせ ファインズ
☎︎03・6732・8600

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