イライラが増えた、涙が止まらない…更年期のメンタル不調の乗り切り方を産婦人科医 高尾美穂先生がアドバイス!

イライラや落ち込みなど、メンタル的な不調も更年期には生じがち。乗り切り方を産婦人科医 高尾美穂先生がアドバイス!
産婦人科医・高尾美穂先生

産婦人科医・高尾美穂先生

たかお みほ●イーク表参道副院長。産婦人科専門医・医学博士。婦人科の診療を通して女性の健康をサポート。メディアでのわかりやすいアドバイスが人気。近著は『「自分が主役」で生きたらいいじゃん 頑張ってきたあなたに贈る80の言葉』(扶桑社)。

最近、イライラがすぐに表情に出てしまいます。

仕事のできない人に対してイライラすることが増えました。若いころは頭にきても我慢していましたが、最近はすぐ表情に出てしまいます。理不尽なことだとわかっているので、あとで落ち込みます。カウンセリングなどを受けたほうがいいでしょうか?(52歳・会社員)

Answer

人に対してイライラするのは、心に余裕がないから。自分のパフォーマンスが高く維持できていないので、高く見せるために人を下げているのかもしれませんよね。でも更年期世代は何事も若いころと同じようにはできなくなってあたりまえで、人に頼らなければいけない部分も出てきます。若い人の得意分野は若い人に任せて、自分は自分の得意分野をするというように役割分担をすると、イライラせず楽になるはず。カウンセリングを受けるのもおすすめです。また、仕事と関係がない人など、誰かに話を聞いてもらうとそれだけでも頭の中が整理整頓できていいと思います。

産婦人科医・高尾美穂先生

イライラや落ち込みは、更年期の症状ではなく、自律神経失調症なのでは……。

自律神経失調症とは、どう違うのでしょうか。見分け方はありますか?(49歳・講師)

Answer

最近、“自律神経”という言葉がひとり歩きをして、メンタルの不調も自律神経失調症だと思っている人が多いようですが、それは誤り。自律神経失調症とは、内臓の働きや心拍、血管の収縮などといった自律神経がコントロールしている機能がうまくいかなくなって起きる身体的な不調のこと。例えば下痢と便秘を繰り返したり、動悸がしたりといった症状や、更年期のホットフラッシュも自律神経の失調で起こる症状です。症状がイライラや落ち込みのようなメンタルの不調だけなら自律神経失調症ではありません。

涙が止まらなくなります。心療内科に相談したほうがいいでしょうか?

ときどき自分が何の価値もないように思えてしまい、涙が止まらなくなります。更年期のメンタル不調のせいではないかと思っているのですが、心療内科に相談したほうがいいでしょうか? それとも婦人科の先生にすすめられた漢方薬(加味逍遙散)を試してみるのがよいでしょうか?(52歳・会社員)

Answer

わけもなく涙が出る、今まで好きだったことができなくなるというのは、どちらかひとつでも“うつ”のサインです。なので心療内科や精神科に相談することをおすすめします。更年期を過ぎれば落ち着くかもしれませんし、加味逍遙散を試すのもいいですが、メンタルの専門家のサポートも必要です。また、何か自信を失うきっかけになったできごとがなかったか、原因を深掘りしてみるのもいいと思います。原因がわかれば時間をかけながら心のダメージを小さくしていけるかもしれません。
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