エクラ世代の更年期をおさらい! そもそも更年期とは? 更年期症状はなぜ起こる? 主な治療法もチェック!

エクラ世代は更年期世代。そもそも更年期とは何? 更年期症状はなぜ起こる? 更年期症状の主な治療法とは? 産婦人科医の高尾美穂先生に聞きました。
産婦人科医・高尾美穂先生

産婦人科医・高尾美穂先生

たかお みほ●イーク表参道副院長。産婦人科専門医・医学博士。婦人科の診療を通して女性の健康をサポート。メディアでのわかりやすいアドバイスが人気。近著は『「自分が主役」で生きたらいいじゃん 頑張ってきたあなたに贈る80の言葉』(扶桑社)。

そもそも更年期とは?

「更年期には女性ホルモンのエストロゲンが深くかかわっています。エストロゲンの分泌量は10代から徐々に増え、20代半ばにピークを迎え、それ以降は減っていきます。そして40代半ばごろに激減すると更年期を迎え、その後、卵巣が機能を停止してエストロゲンが分泌されなくなると閉経します。更年期とはこの閉経をはさむ前後5年、計10年間のこと。閉経は生理がこない状態が12カ月以上続いたときのことなので、自分の更年期の始まりは閉経して初めてわかります。ただし、日本人の平均閉経年齢は50.5歳なので、45〜55歳が平均的な更年期の時期。この年代に生理のバラつきや心身の不調が出たら更年期に入ったと認識しましょう」(高尾先生、以下同)

更年期症状は、なぜ起こる?

更年期に起きやすい不調は、のぼせやほてり、発汗などといったホットフラッシュをはじめ、肩こり、腰痛、不眠、頭痛などの体の不調から、イライラやうつなどのメンタルの不調まで多岐にわたる。読者アンケートでも、一番つらい症状として下のような結果が出た。このようにさまざまな症状が起きるメカニズムとは?「更年期になると卵巣の機能が低下してエストロゲンの分泌量が急激に減ります。このときホルモンの司令塔である脳の視床下部は、卵巣にエストロゲンを分泌するよう指令を出しますが、卵巣はエストロゲンを分泌できないため視床下部がパニックを起こします。視床下部は自律神経系の中枢でもあるので、自律神経のバランスが乱れてしまいます。このため、心身にさまざまな不調が出るのです。更年期の代表的な症状であるホットフラッシュも、自律神経が乱れて血管の収縮と拡張を調節する機能が阻害されることで起きます」

読者193人に聞きました!

今、更年期の症状を感じていますか?

はい85%

どんな症状が出ていますか?

ホットフラッシュ 81人

肩こり・腰痛・背中の痛み 76人

不眠 64人

頭痛 59人

イライラ感 58人

むくみ 54人

めまい 54人

不安感 48人

ドライアイ 46人

手指の痛み・しびれ・変形 43人

(複数回答、上位10位までの結果)

エクラ読者のほとんどが何かしらの更年期症状を感じているよう。10位以下は、動悸・息切れ、関節痛、口やのどの渇きなどが続いた。
(エクラ メルマガアンケートの回答より)

更年期の不調で一番つらい症状は?

ホットフラッシュ 27人

肩こり・腰痛・背中の痛み 18人

不眠 16人

頭痛 12人

不安感 11人

手指の痛み・しびれ・変形 11人
上位5位までの結果ではホットフラッシュがダントツ。更年期症状を感じている人の約6割が一番つらい症状に上記の6つのいずれかをあげている。ほかにはめまい、イライラ感などが。
(エクラ メルマガアンケートの回答より)

更年期の主な治療法

更年期の治療法は主に3種類。最も高い効果が期待できるのが、 エストロゲンを補うHRT。更年期症状全般に効き、特にホットフラッシュや動悸、イライラなどの改善に高い効果が。ほかに漢方薬やエクオールのサプリがある。

HRT(ホルモン補充療法)

エストロゲンを補う治療法。飲み薬、貼り薬、塗り薬がある。子宮体がんのリスクを下げるため黄体ホルモン製剤も併用。保険適用で1カ月1000~2000円程度。

エクオールのサプリ

エストロゲン様作用のあるエクオールをサプリメントで補う。手指の不調や肩こりの改善、骨密度減少抑制などさまざまな効果が期待できる。商品により価格は異なる。

漢方薬

更年期症状には加味逍遙散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸などがよく用いられる。イライラやうつ、倦怠感など多様な不定愁訴に効果的。保険適用で1カ月1000円程度から。

「睡眠」は最強の薬です

更年期にはイライラや落ち込みなどのメンタルの不調が起きやすいけれど、実は、その陰に睡眠不足が潜んでいる可能性も。「メンタルの不調に気づくとなにかと更年期のせいにしがちですが、そんな患者さんに話を聞くと、多くの場合、睡眠時間が足りていません。厚生労働省の調べでは、50代女性は特に睡眠時間が短く、6時間未満と5時間未満の人を合わせると59.1%と、半数以上という報告も(「令和5年国民健康・栄養調査」)。睡眠不足は心身の状態に悪影響を及ぼし、長く続くとうつ症状の発症リスクが2倍になるというデータもあります。ですからイライラや落ち込みやうつなどのメンタルの不調がある人は、まずは十分な睡眠時間の確保を。理想的な睡眠時間は約7時間といわれています。ぐっすり寝るようにするだけで、メンタル的に安定する患者さんはすごく多いですよ」
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