この先も長く歯を保ちたいなら。50代の「歯ぎしり」対策、病院での治療2選

放っておくと歯を失うリスクも高まる、無意識の「歯ぎしり」。ギリギリと歯をすり合わせたり、カチカチと上下の歯をぶつけたりと、歯ぎしりのタイプはさまざま。いずれにせよ歯に負担をかけてしまうので、症状を抑える病院での治療も検討して。

まずは医師に相談しよう「病院でできる治療」

教えてくれたのは

歯科医、歯学博士 照山裕子先生

歯科医、歯学博士 照山裕子先生

アニコム健康寿命延伸財団代表理事。東京科学大学非常勤講師。厚生労働省歯科医師臨床研修指導医。最新の医学データに基づいたわかりやすい解説が人気。著書に『“食べる力”を落とさない! 新しい「歯」のトリセツ』(日経BP)などがある。

就寝時に装着し、歯を保護する

【マウスピースの作成】

50代 歯ぎしり 対策 病院 マウスピース イメージイラスト

寝るときにマウスピースを装着することで、

歯への衝撃を低減。歯ぎしりぐせが改善することも

歯ぎしり対策として一般的なのがマウスピースの装着。

「歯を噛み締めたときは自分の体重ほどの力がかかるといわれ、その衝撃から歯を守るのがマウスピースで、睡眠時に装着することで歯を保護します。

どこの歯科医院でも作成でき、歯型に合わせて作ります。素材は、軟らかめのタイプと硬めのタイプがあり、以前はどちらも用いていましたが、軟らかくクッション性がある素材だと、噛むとき

に使われる筋肉のバランスに悪影響を及ぼすことがあるので、最近は硬めのマウスピースが主流。基本的に上の歯にだけ装着します。


費用は保険適用で3000〜4000円程度。日常的な食いしばりぐせもある場合は日中に装着してもOK。装着することで上下の歯を噛み締めるくせが改善することも。2週間おきなど定期的に医師がチェックし、改善してきたら装着頻度を減らしてもOK」(照山先生)。

読者の体験談

食いしばりのせいで奥歯を失った経験から、治療や予防の大切さを痛感。現在はインプラント治療後の定期的なメンテナンスに通いつつ、歯科医ですすめられたマウスピースを毎晩装着しています。
(55歳・会社員)


数年前マウスピースを作って睡眠時に装着していましたが、仕事中はつけないせいか根本改善にはなりませんでした。ただ、仕事をやめたら歯ぎしりが減ったのでストレスの影響もあったのかも。
(57歳・自営業)

筋肉の動きを抑えて痛みを軽減

【ボトックス注射】

50代 歯ぎしり 対策 病院 ボトックス注射 イメージイラスト

噛むときに使う筋肉の動きが抑えられ、

奥歯での噛み締めは防げるが問題点も

ボトックス注射は、筋肉の動きを抑えるボツリヌストキシン(タンパク質の一種)を注入する方法。「歯ぎしり対策の場合は、エラのあたりにある、噛むときに使われる咬筋に注射をします。咬筋の動きが抑えられることで、奥歯で噛み締めにくくなります。

また、エラの張りも解消するので、美容目的で行う人も多いです。ただし歯ぎしりや食いしばりの治療としての学会のガイドラインはまだなく、問題点も。注射をして奥歯で噛みにくくなると、かわりに手前の歯などほかの歯で噛むようになるので、そこに負担が集中して、歯の破折や噛み合わせの不具合を招きやすいのです。

美容クリニックや一部の歯科医院で受けられますが、噛み合わせなど歯科的な知識がない医療機関で受けるのは慎重に。まずはかかりつけの歯科医で相談するのがおすすめです。費用は医療機関によって異なるので確認を」(照山先生)。

読者の体験談

美容クリニックですすめられてエラにボトックス注射を打ったら、起床時のエラの痛みが改善し、顔もスッキリ。ただ、4〜5カ月でまた痛くなってくるので、ずっと続けないといけないのかなと不安。
(44歳・会社員)


歯科で食いしばりが強いと指摘されボトックス注射をしました。エラの張りがなくなって顔がシュッとし、奥歯まわりの筋肉の疲れも解消。でもエラの筋肉がゆるんだせいか、たるんできたのが気になる。

(47歳・会社員)

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