疲れがとれない、親の介護や将来の不安…メンタル的にもつらい更年期ののりきり方とは?

更年期は、親の介護の問題や将来への不安などにも直面する世代。メンタル的な不調はどうのりきればいい? 産婦人科医 高尾美穂先生がアドバイス!
産婦人科医・高尾美穂先生

産婦人科医・高尾美穂先生

たかお みほ●イーク表参道副院長。産婦人科専門医・医学博士。婦人科の診療を通して女性の健康をサポート。メディアでのわかりやすいアドバイスが人気。近著は『「自分が主役」で生きたらいいじゃん 頑張ってきたあなたに贈る80の言葉』(扶桑社)。

不調と認知症の父の介護が重なり、精神的にキツいです。正解が見えません……。

56歳、シングルです。母はすでに他界し、80代半ばの父と同居しています。父がコロナ禍にアルツハイマー型認知症(中等度)になりました。私自身の更年期症状と父の認知症への対応で精神的に不安定になり、つい父に強く当たってしまうことも。あとから自己嫌悪に陥ることもしばしばです。父はプライドが非常に高く、デイサービスの利用を強く拒んでいるため、本人にとっても大きなストレスになっていると思います。私もどう接すればよいのか「正解」が見えず、とまどいながら日々を過ごしています。(56歳・会社員)

Answer

お父さまの認知症が中等度なら、自分ひとりでなんとかするのはむずかしいです。本人が拒んでいるからデイサービスを利用するわけにはいかないという自己犠牲的な考えでは、つらくなるばかり。お父さまに「面倒をみたいけれど、今以上にみることはむずかしいから、デイサービスなどのサポートを受けながらやっていくことを理解してほしい」などと伝えて説得してみましょう。それがお父さまにとっても幸せだと思います。最近は自治体のサポートも充実しているので、うまく利用しながら、できる範囲でお父さまとの時間をつくっていくのがいいと思います。

更年期のメンタル不安

ふと、無性に不安になることがあります。

最近、政治関連の記事やSNSのコメントを見ると「私の将来、どうなるの……?」と不安になってしまいます。子供なし・バツイチで、再婚にも意欲的ではなく、ひとりでいるのが好きだけれども、その半面、ひとりで大丈夫なのかな?とも……。自己中な悩みであるのはわかっているのですが……。(55歳・自営業)

Answer

これは、多くの人が抱えている不安で、私も同じです。ひとついえるのは、血のつながりがある家族ではない形の、“柔らかいつながり”を大事にすると、将来的にそのつながりが不安を減らしてくれるかもしれないということ。パートナーシップは、異性や恋愛対象の相手じゃなくてもいい。生活していくうえでのパートナーシップをイメージして、今すでに出会えている人を眺めてみて、ご縁を些細なことで壊さないよう、大切にしていくといいと思います。例えば、自分がある日突然入院したら、カギを渡して家に入ってもらって下着を持ってきてもらわなければならない状況になるかもしれない。そんなことをお願いできるような人を、今のうちからひとりやふたりはもっておくと安心です。私の場合は、猫がいるので、何かあったときのために、家に入ってもらう人を決めて、もうすでにお願いしてあるんですよ。

40代までは土・日で疲れもとれ、心もリフレッシュできたのに……。

50代になり、ホットフラッシュの症状が出るようになってからは、土・日だけでは疲れがとれなくなりました。好きなことをして過ごしても、なんだか疲れたまま月曜日に仕事に向かう感じ。人それぞれだと思うのですが、気持ちのもっていき方を教えてほしいです。(51歳・会社員)

Answer

土・日だけで疲れがとれないのは、月曜から金曜までがパツパツなんだと思ったほうがいいです。更年期症状もあるなら、今までのように無理をせず、生活の見直しが必要。その日の疲れはその日のうちに、1日単位でリカバリーするようにすると、土・日に休めば十分に回復できるはずです。まずは翌朝、そこそこ元気に起きられることを目標に、始めてみましょう。また、疲れがとれないことを更年期のせいにしたところでハッピーになるわけではないので、考え方を変えてみることも大切。例えば、休日にダラダラ過ごすと、“またダラダラしちゃった”と落ち込むかもしれませんが、“今日はひたすらダラダラするぞ!”と積極的に取り組めば、気持ち的に納得しますよね。そんなふうに意識をもつだけでも気持ちが軽くなるかもしれませんよ。
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