狭いほど入りたくなる不思議。

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「まったく、この子はどうして狭いところが好きなんだろうね?」というのはたいてい猫についての話。しかし、駅そばファンの中にも、店が狭ければ狭いほど惹かれる人種が少なからず存在する、と私は思います。

たとえば小田急沿線で、町田駅にいるときに「箱根そば町田店」でなくて「箱根そば町田北口店」につい足が向いてしまう…。あるいは代々木八幡駅で、入口の狭い「八幡そば」が気になってしまう…。こんな人は素養十分です。

しかし上の例は座席もありますから、「窮屈」というほどではありません。独立したスペースとして圧倒的に狭いのは、長野県・JR塩尻駅「桔梗」の改札内カウンター。2人が限界のある意味カップル席で、利用にあたっては少々勇気が必要です。

先客があればしばらく待つ手もありますが、狭き門より入るのは確実に好きもの同士。「お相伴いたします」「お先に」「七味はいかがですか」といった心遣いのやりとりが自然と生まれ、一座建立の和やかさが常に満ちあふれるようになれば、このスペースが「駅そば界の待庵」と呼ばれる日もやって来るにちがいありません。
(編集B)
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