比叡山をはじめ、四方を山々に抱かれた京都市北東部の盆地集落、大原。京都の街の中心部から車で30分ほどの距離ながら、昔懐かしい日本の原風景が今も残っている。
大原の名は、天台宗の道場として開かれた「大原寺(だいげんじ)」に由来し、平安時代までさかのぼるという。嵐山が貴族の別荘地だったのとは対照的に、ここは京と若狭湾を結ぶ若狭街道の中継地点。争乱の際には、都からの脱出ルートともなったほか、平清盛の娘・建礼門院徳子が寂光院に出家した鎌倉期以降は、隠棲の地としての性格を強めた。
三千院や“額縁庭園”で知られる宝泉院など古寺名刹が点在し、昭和40年代からは観光客が多く訪れるようになったものの、それから50年以上経た今も大規模な開発はされていない。有名チェーン店や大型資本の店はなく、大手コンビニも国道沿いに1軒あるのみ。
安全な農作物、等身大の暮らしに価値を見出す人が増えてきた現在では、大原はいっそう輝きを増しているように映る。
書院の鴨居と柱を額に見立てて庭を鑑賞する“額縁庭園”で知られる、勝林院の塔頭(たっちゅう)。庭の中央には近江富士を象るという樹齢700年の五葉松がそびえ、もう一方には紅葉や竹林が茂り、山々の借景と相まって、静寂の世界に誘ってくれる。「立ち去りがたい」を意味する「盤桓園(ばんかんえん)」の名のとおり、いつまでも眺めていたくなる。
土地の豊かさに惹かれた若い農業生産者が増えるとともに、センスのいいお店も。気取らず居心地のいい、新しい大原がここに。
店内には、古い器のほか、かごや薬瓶、木工品など、見立て使いを考えるのも楽しい日本の古いものが集まっている。「高価な骨董よりもふだん使いできるものが好きです」と、店主の山本真琴さん。風情のあるお店は、6年前、家族で大原の古民家に移住した際についてきた川沿いの家屋を改装したもの。場所柄、旅行者も多く、連れて帰りやすい価格帯やサイズのものが充実している。
江戸後期から昭和前期まで時代もさまざまな豆皿コーナー。小傷のある皿は価格も手ごろ。珉平焼や三田青磁などの豆皿¥1,500~
小川にかかる小橋を渡ってすぐ。店前には紅葉の木が茂り、秋は鮮やかな赤色に。
地産の食材と里山の景色に癒されるカフェ「クルム大原」
以前は京都の街中でお兄さんと飲食店を切り盛りしていた白石峰人さん。いつしか大原の魅力に惹かれ、’18年、この地に夫婦でカフェをオープンした。三千院から寂光院に続く大原の小径沿いに立つ元納屋を改装し、店内は山々を借景に田んぼが望める気持ちのいい空間に。裏の小川のせせらぎに耳を傾けながら、地産の野菜をふんだんに使ったランチをいただき、五感で大原の魅力を堪能したい。
プレートに使っている野菜のほとんどが大原でとれたもの。日替わりのカレーに副菜がたっぷりつく「大原の恵みランチ」¥1,200(税込)
白石峰人さん、真弓さん。カウンターには焼き菓子が並び、コーヒーとともに持ち帰りも可能。
一面ガラス張りでどの席からも里山の景色を楽しめる。
とれたて野菜のほかにも楽しみ満載!「大原ふれあい朝市」
料理人、地元の家族連れ、旅行者も詰めかけ、朝6時から大にぎわいの朝市。約20軒の出店が並び、有機栽培や珍しい品種、間引き菜など、市場に出回らない大原野菜にも出会える。野菜以外にも手作り味噌やぬか漬け、おはぎといった加工品も充実。さらに、鯖寿司や弁当、コーヒー、パンもそろい、朝食目当てに訪れても。購入した野菜や食材は開催場所の「里の駅」から自宅に発送できるのもうれしい。
夏が旬の白ナス。若手農家が作る珍しい野菜もいろいろ。
農家のお母さんのぬか漬け。「よく漬かってるのがいい?」「ぬかをようけつけとくし、またこれで野菜を漬けてみ」と、楽しいやりとりも朝市の醍醐味。
農家のかたのトラックが到着し、野菜を並べだすと、すぐに人だかりができる。
朝市の目の前には、大原の名産品、しば漬けの原料となる赤紫蘇が栽培されている。夏の収穫時期は緑の里山に赤紫が映えて美しい。
大原の地で綿を育て、紡ぎ、大原の草木で染め、織るまでを一貫して行う工房。草木染めの糸や布物を購入できるほか、さまざまな体験コースが受けられ、今の時期は珍しい藍の生葉染めを体験できる。通常の藍染めとは染める工程もまったく違い、目の前の畑でとれたフレッシュな藍の葉と絹布を一緒にもみ込むようにして染めていく。染め上がると、みずみずしく透明感のあるブルーの美しさに魅了される。
ここからさらに染め重ねれば、空色や浅葱色に。シルクのスカーフの生葉染め 約1時間、¥3,000(税込)~
藍の生葉染めは、葉の収穫時期である7月から9月末ごろまで行われる。
③永観堂 禅林寺「ドラマチック動画」と妙心寺 退蔵院「オンライン禅講座」
電車や車に乗らなくても楽しめる京都旅気分。それがオンラインで配信される神社仏閣のタイムリーな動画や文化体験講座。好きな時間にアクセスすれば、すぐに京都にひとっ飛び。「今ごろ京都はどんなかしら……」と気になる人におすすめなのが、毎月境内の様子が配信される東山の「永観堂禅林寺」の動画。しだいに色づく楓の景色が目の前に美しく映し出される。
あじさい、蓮、紅葉、雪景色……移ろう境内の自然に美しい音楽の調べをのせた季節の動画は、数ある京都の寺社仏閣の中でも、季節ごとにチェックしたくなるエモーショナルで秀逸なもの。
永観堂 禅林寺
eikando.or.jp
「みかえり阿弥陀如来」を本尊にする浄土宗西山禅林寺派総本山。紅葉の名所で、秋には約3000本のもみじが境内を彩る景色が圧巻。
●京都市左京区永観堂町48
☎075・761・0007
錦繡織りなす秋の京都。今年は新しいスタイルで楽しんでみて
また臨済宗相国寺派の通称「金閣寺」「銀閣寺」のそれぞれのHPには、ライブカメラでの3分ごとに配信される映像があり、見る時刻により異なる雰囲気の景色が楽しめる。
また、実際の旅では出会うことができないような映像が配信されている神社仏閣の公式HPも見逃せない。例えば、浄土宗総本山「知恩院」のHPからアクセスする「公式YouTubeチャンネル」の「知恩院サウンドセラピー」は、読経、木魚など、お寺の日常や行事の音が、美しい動画とともに次々に登場し興味をそそる。さらに真言宗智山派総本山「智積院」のHPにある「360̊画像境内ご案内」は、歴史ある見事な庭と障壁画のある部屋などを、歩いているような感覚で探訪でき臨場感もたっぷり。
さて、見るだけではなく、実際にオンラインを通じ禅の体験ができるのが、臨済宗大本山「妙心寺」塔頭(たちゅう)の「退蔵院」の副住職、松山大耕さんが配信しているオンライン坐禅+トーク「京のこころみ」。有料の講座で、申し込むと、京都の老舗の線香、菓子、お茶など「体験キット」が自宅に送られ、それを楽しみながら専門家とのトークが聞けるのがうれしい。
オンライン坐禅+トーク「京のこころみ」で自宅に届く体験キットには、毎回、異なった京の味が送られてくる。
妙心寺 退蔵院
臨済宗大本山「妙心寺」の46の塔頭のひとつ。春は桜、秋は紅葉が彩る庭園や枯山水の石庭をはじめ、国宝「瓢鮎図(ひょうねんず) 」などで知られる古刹。
●京都市右京区花園妙心寺町35
☎075・463・2855
京都へ出かけなければ味わえなかった名店や予約困難店の味が、今年になって続々とお取り寄せできるように! 自宅のごはんがもっとおいしく、楽しくなるように……という各店の愛あふれる逸品を、どうぞ。
【京都名店のお取り寄せ1】 瓢亭「甘鯛味噌幽庵焼」etc.
独自の料理と趣(おもむき)ある空間でもてなされる『瓢亭』は、京都屈指の老舗料亭。
「遠出や外食がままならなくなり、今年の6月からうちの名物や家庭で味わえる料理の発送を始めました。常連さんにも、敷居が高いと思っておられたかたにも楽しんでもらえる品ぞろえです」と話す15代目主人・髙橋義弘さん。
そのひとつが、京料理に欠かせない魚、甘鯛(ぐじ)の味噌幽庵焼。14代・髙橋英一さん考案の名物で、酒、みりん、しょうゆに白味噌と柚子を独自の割合で合わせている。色鮮やかな「炊き味噌3点セット」はあえ物や焼き物に重宝する3種類の味噌ダレ。野菜とあえたり、豆腐や麩(ふ)に塗って焼いたりするだけで家庭のおかずが別ものとなり、手軽にランクアップする。
取り寄せでしか味わえない一品もある。一年を通じてお造りに使っている明石の鯛の頭をたっぷりのお酒を使って甘辛く炊き上げたあら炊きがそれ。
味よし、素材よしの老舗の味に手が届き、京料理の真髄に出会える。
瓢亭といえば、明石鯛。常連だけが知る「あら炊き」を初公開
ひいきすじの注文があったときだけ作り、店では出していない明石鯛のあら炊き。温めるときに下処理した野菜と炊き合わせても。1パック(1尾分)¥2,700(送料別)
約400年前に茶屋として創業し、天保8(1837)年に料理店の看板を掲げる。南禅寺の参道に面し、往時の姿をとどめている腰かけのある玄関。破風(はふ)に瓢形の板割がかかる。
昔からの仕事に新風を吹き込んだ14代考案の甘鯛の逸品
甘鯛味噌幽庵焼は冷めても硬くならず、身はしっとり。4切れ¥6,000(送料別)
日持ちがする瓶詰めも販売。右から、べっ甲しょうが、青梅甘煮、赤梅甘煮 各¥1,800。ほかにぶどう豆や穴子山椒煮などがある。
炊き味噌3点セット¥2,700(すべて送料別)。根菜と相性のよい柚子味噌、筍や山菜に合う木の芽味噌、ごはんにそのままのせたり、お餅にのせて焼くとおいしい鶉味噌の3種類。パックに入れて冷蔵発送。
名物の瓢亭玉子や朝がゆなどの代々の味を守りつつ、新しい料理にも挑戦する15代目主人、髙橋義弘さん。東京・日比谷にも店をもつ。
【京都名店のお取り寄せ2】 室町和久傳「幸菜肴(こうさいこう)」
山海野の幸を詰め合わせた三段重。松茸がつく鱧しゃぶは読者限定
素材の持ち味や鮮度を生かしつつ、いとも美しく斬新な料理やしつらえがなされる料亭『和久傳』。京都に来られない人のために考えられたお取り寄せの新シリーズ「幸菜肴」は、『室町和久傳』の料理長・松本進也さん考案の三段重。4名を想定した旬の味がぎっしりと詰まっている。
「おせちのような感覚で、ゆっくり召し上がってもらえる旬菜、ごはん、お鍋をご用意しました。ごはんは温めるとよりおいしくなり、お鍋は旬の鱧をしゃぶしゃぶで召し上がっていただき、特別に松茸もおつけします」
旬菜は、鮎や太刀魚の炭火焼、南京カステラなどの料理を笹で包み、ごはんはいくら醤油漬けを敷き詰めた豪華なお寿司。お鍋にはだしや薬味も添えられ、三段のお重を並べるだけで食卓が一気に華やぐ。その名のとおり野菜と魚をたっぷり味わえ、コースひと通りをいただいたような満足感。和やかな雰囲気の中、料亭の洗練のおもてなしを存分に体感できる。
1段目の旬菜は鮎馬鈴薯、蛸柔らか煮、かぼちゃで作った南京カステラなどの4種類の料理を笹包みに(内容は仕入れによって変わり、蘇民将来子孫也の札ははずされる)。2段目はいくら寿司、3段目は鱧しゃぶしゃぶ。エクラ読者には松茸をサービス。幸菜肴(4名分)¥25,000(送料・梱包料別)
明治3(1870)年、京丹後市で料理旅館として開業し、38年前に市内に料亭『高台寺和久傳』、その後『室町和久傳』を開店。
【京都名店のお取り寄せ3】 木乃婦「自家製ローストビーフ白味噌ソース」
このローストビーフも高橋さん考案の一品。常連客から注文が入ったときだけ作っているという、知る人ぞ知る逸品だ。
「季節ごとに味を変え、できるだけ京都の食材を使って和の仕立てにしています」と高橋さん。ローストビーフに向くキメの細かいサシが入った丹波牛のラムシンやランプ肉を選び、かたまり肉をローストし、特製ダレに漬け込んで蒸し煮にしている。タレは野菜からとったフォン・ド・ボーをベースにしょうゆと酒、みりんで味をつけ、秋は白味噌の甘味と青柚子を効かせた滋味深い味つけに。味は肉にしっかりなじんでいるのでそのまま味わえ、タレをソースやドレッシングとして使っても。生野菜や温野菜、ごはんやパンにも合い、和にも洋にも楽しめる。
京都産の素材と料亭の技を駆使した和のローストビーフ。上品な白味噌の甘味と柚子の香りを効かせた秋らしい味わい。かたまり肉の真空パックを冷凍した状態で発送し、一日冷蔵庫に置いて解凍すれば食べごろに。1パック(380g)¥12,000(送料別)。
テーブル席や掘りごたつ、庭つきの座敷、大広間など、大小さまざまな個室が全11室。
京料理を知りつくす洛中の旦那衆が長年ひいきにし、ワイン好きの和食新世代からも愛される一軒。
和食をロジカルに解説しながら、新しい日本料理や京料理を提案する料理人としても注目を集める高橋拓児さん。
【京都名店のお取り寄せ4】 じき宮ざわ「晩酌セット」
家で過ごす時間が増えたぶん、お酒をゆっくり楽しんでもらいたい……。そんなお店の思いがこめられた晩酌のおつまみセット。常連客から人気の塩分低めの自家製カラスミ、北海道産和田牛蒡と黒毛和牛のロースのきんぴらなど、ひと手間加えた酒肴(しゅこう)や癒し系のおかずを5品の詰め合わせにしている。食卓に並べ、お気に入りのお酒を添えるだけで盛り上がり、団らんのひと時を過ごせそう。
手前から鰆燻製、カラスミ、きんぴら、帆立の酢の物、きのこ煮。1セット¥6,000(送料別)
【京都名店のお取り寄せ5】 杦–SEN–「松茸と地鶏の鍋」
作りたてのあつあつの味を手軽に楽しめる鍋セット。季節ごとに素材や味を変え、秋は丹波地鶏と松茸のしゃぶしゃぶに。店ではコースの中の一品としてカウンターの前で取り分けてサービスしているが、それをボリュームアップして食材を充実させ、特製のだしもセット。鮮度抜群の鶏肉は皮目を炙あぶっているのでさっと火を通すだけで味わえ、野菜やきのこから出るうま味も加わり、どんどんおいしくなる。
地鶏400gと松茸、野菜と湯葉、生麩を二段の折箱(2名分)に詰め合わせて発送。¥13,000。牛肉の場合は¥17,000(税込、送料別)
ご主人の杉澤健さんがカウンター越しに料理を提供。洗練された空間も人気。
【京都名店のお取り寄せ6】 二条 やま岸「京だし茶漬け」
予約困難な人気割烹『富小路やま岸』の姉妹店が6月から始めた取り寄せ専用のだし茶漬け。ごはん、鯛の昆布締め、牛肉のしぐれ煮を入れた紙製のお椀に、だしを注いで、器のまま電子レンジ(600W)で2分ほど温めるだけ。本店の井戸水で引いた自慢の一番だしをじっくり堪能し、薬味のごま味噌やわさび、炒りごまをあしらうとさらにうま味や香りがじんわりと増す。京都の名水と食材が織りなす美味をひと椀で堪能できる。
実山椒を効かせた牛肉のしぐれ煮のだし茶漬け。オリジナルのだしパックや鍋セット、ごはんのお供などのお取り寄せも。1セット(2食分)¥2,980(税込、送料別)
ごま味噌とわさびで味わう天然鯛のだし茶漬け。写真のように手持ちの器を使う場合は、別に温めただしをかけても。
【京都名店のお取り寄せ7】 京料理 かじ「牛の湯葉山椒煮」「鱧南蛮漬け」
京の町衆に支持される料理店『かじ』が長年、おみやげや進物用に作っている瓶詰め。自家製カラスミや貝柱入りのオリジナルのちりめんが有名だが、夏から秋にかけて登場するのが鱧の南蛮漬け。骨切りした鱧を油で揚げて梅酢に漬けており、お酒がすすむさわやかな風味。ごはんのお供におすすめの牛の湯葉山椒煮は、少し甘めの味つけに実山椒をピリッと効かせたおばんざい。いずれも常備しておくと重宝しそうだ。
土佐酢ベースの鱧の南蛮漬け。そのままでお酒のつまみになり、野菜とあえると華やかなおかずに。牛の湯葉山椒煮は素麵やお茶漬けの具にしても。各¥1,400(税込、送料・箱代別)。詰め合わせも可能。
坪庭を配した風情ある空間。料理には滋野井の名水を使用。
【京都名店のお取り寄せ8】 京寿司 いづ重「鯖姿寿司」「甘鯛姿寿司」
祇園町をはじめ、地元の人たちがひいきにする『いづ重』。日ごろから寿司は持ち帰りが多く、取り寄せもできるのが鯖姿寿司と甘鯛姿寿司。対馬で揚がった肉厚の鯖や甘鯛を店でひと塩して、ごはんはおくどさんで炊いている。時間がたつとネタと寿司めしが熟(な)れておいしくなる「保存のきくごちそう」ゆえ、手元に届くころはまさに食べごろ。鯖寿司は昆布をはずして、甘鯛はとろろ昆布をたっぷりのせて味わうのがいづ重スタイルだ。
ひんやりとした脂のうま味が楽しめる肉厚の鯖姿寿司 1本¥5,076。1本の場合は切らずに販売。京都でも珍しい皮つきの甘鯛姿寿司 6貫入り¥4,644(税込、送料別)
100年以上にわたり変わらぬ味を守る京寿司の老舗。
【京都名店のお取り寄せ9】 新門前 米村「和牛ビーフシチューカレー」
店の移転を機に、原点回帰、集大成を目ざす米村昌泰シェフが考案した黒毛和牛のオリジナルカレー。コースの締めに出しているカレーとビーフシチューをひとつにし、このひと皿で満足してもらえるようにソースも肉も大サービスしたとのこと。カレーをかけた上にシチューをオンして味わうと、優しい辛さとフルーティな甘味が口の中で広がり、スパイス感と深いコク、肉のうま味を存分に楽しめる。
カレーとシチューのパックを自然解凍し、約10分温めるだけ。じっくり煮込んだ牛肉はスプーンで切れる軟らかさ。1セット(1人分)¥1,600(送料別)
【京都名店のお取り寄せ10】 洋食おがた「ディナーサービス」(5日間分)
地元で支持され、全国にファンをもつ『洋食おがた』の人気メニューをひと箱に詰め合わせたディナーセット。緒方博行シェフが信頼を寄せる生産者や作り手の食材をふんだんに用い、2人前で5日は楽しめる充実の内容だ。宮崎産尾崎牛のローストビーフやビーフカレー、鹿児島・ふくどめ小牧場の希少な豚肉で作るしょうが焼きやクレソンしゃぶしゃぶ。さらに定番のグラタンやナポリタンなど、どれもリピートしたくなるおいしさ。ドレッシングやタレはボトルに入れられ、すべてにシェフの良心が感じられる。
子供でも作れるように仕上げたディナーセット¥20,000(送料別)。油をほとんど使わず、たっぷりの野菜、つなぎに米粉と菊いも粉を使った体に優しい特製ビーフカレー。
仕上げのバターやパスタも用意されているナポリタンはフレンチの経験をもつ緒方シェフのスペシャリテ。
希少な鹿児島のサドルバック豚か幸福豚で作るしょうが焼きはほかの料理にも使えるタレがボトルでつく。
大人気のチキングラタンは1皿と2パック、ほかに豚しゃぶとポン酢、ロースハム、お米2合4袋を詰め合わせに。発送は準備が整いしだいで、店頭での受け取りも可能。
京都市中京区柳馬場通押小路上ル等持寺町32の1
☎075・223・2230 ㊡火曜、月1回不定休
※電話で注文
四季や暦をさりげなく取り込んだ京都の和菓子。姿美しく、上品な味わいの一菓は、季節を吹き込み、わが家のお茶の時間を特別なものにしてくれる。
【京都の和菓子1】 御菓子司 塩芳軒「季節の蒸菓子」
長年店頭だけで販売している生菓子を、この4月からオンラインストアで発送を始めた『塩芳軒』。地元、西陣をはじめ、茶人たちが信頼を寄せる老舗だけに慎重に取り組み、新たな一歩を踏み出した。とはいえ日持ちさせるために手を加えることはせず、扱っている菓子の中から翌日でも味も姿も遜色ないものを選び、夏の間はいったん休止。9月末から再開し、人気の羽二重の菓子や栗きんとんなどを発送する。茶人ならずとも毎回取り寄せたくなる、四季の移ろいを感じさせてくれる詰め合わせだ。
秋の景色や花鳥風月を形や色で表現した生菓子4種。手前から、「栗きんとん」、マシュマロのようにきめ細かい羽二重製「菊日和」、愛らしい薯蕷(じょうよ) 饅頭「月うさぎ」、よもぎを練り込んだ羽二重製「秋風」。内容はほぼ半月ごとに替わり、1個¥400〜(送料・箱代別)。詰め合わせは4個入りで、菓子の値段で変わる。
明治15(1882)年創業の和菓子司。干菓子や半生菓子も扱い、本店だけで販売する「聚楽」はこの春から取り寄せ可能に。
目にも心に美しい!月ごとに替わる季節の「生菓子」に心躍る
和菓子を味わいながら、少しでも日本の四季を感じてもらえたら……と始められた生菓子のお取り寄せ。内容はひと月ごとに替わり、ひと箱にその時季の自然や風情をギュッと凝縮。秋は菊やコスモスを菓子に映し、味わい深い上用饅頭や練り切りに。お気に入りの器に盛りつけ、目でも心でも味わいたい。
右上から時計回りに)こなし製の「里の秋」、ういろう製の「野菊」、上用饅頭の「光琳菊」、練り切り製の「秋桜」。発送は京都から翌日届く地域に限る。受け取りの日時指定が必要。1箱4個入り¥1,800
花街・祇園の一角で享保年間より菓子を作り続ける老舗。
“おまん”と呼ばれるふだん使いの餅菓子やお饅頭、焼き菓子を扱う、『中村軒』の創業以来の人気菓子。北海道産のあずきをおくどさんでじっくり炊き上げたあんをたっぷり使い、卵とハチミツを使った甘い生地で包み、一個ずつ鉄板で手焼きしている。日持ちするので取り寄せができ、進物としても重宝する。
六方焼は白ごまつきのこしあんと黒ごまつきのつぶあんの2種類。1個¥260。きんつばとの詰め合わせが人気。
10月〜’21年3月は改修工事のため本店南側の仮店舗、茶店は北野天満宮近くの臨時店舗で営業。
仁和寺の南にひっそりと店を構える和菓子店のニューフェイス。平安朝の襲(かさね)の色目をもとにした焼き皮生地であんを包んだ「包み餅」は、ピンク、緑、オレンジ、紫の4色で春の桜、夏の楓、秋の紅葉、冬の雪中花を表している。生地もあんも素材からこだわった自家製で、モチッとした食感と上品な甘味が絶妙。
包み餅1個¥200。1箱(6個 化粧箱入り)¥1,200(税込、送料別)。桜と紅葉は白味噌きな粉あん、楓と雪中花はしゅまりこしあん。
(上)洋菓子店を思わせる明るい店内。
(下)名刹、文化史跡が集まる御室に昨年10月オープン。ご主人は京都の老舗和菓子司で17年間修業。
京都で食べたあの味が恋しい……。そんなときは、京都ならではの食材を取り寄せて。主菜から、ごはんの供、調味料まで定番にできる逸品を厳選!
明治30(1890)年創業、地元で愛される豆腐店。京都では豆腐を炊いたおばんざいも多く、「木綿豆腐」は、だしにからまりやすいよう通常のものよりも軟らかな食感に。有機栽培や無農薬の大豆を中心に使い、豆の甘味もしっかり感じられる。同じく看板商品の「ソフト豆腐」は絹ごし豆腐を布で包み、重しをして固めたもので、絹ごしのようになめらかながら、扱いやすいのが特徴。湯豆腐や煮込みにしても煮くずれしにくく、つるりとした食感を楽しめる。
ソフト豆腐や絹ごし豆腐はくずれやすいため、水に放ち、ひとつひとつカットされる。
ソフト豆腐は高濃度の豆乳をバットで流し固めたあと、重しをする。
店主が惚れ込んだ中国産有機大白眉や甘味の強い国産の大鶴など、入荷に合わせて2、3種類をブレンド。
【京都の味2】 京都錦市場 近新 多宝庵「西京味噌漬け・粕漬け」
錦市場で料亭などへの卸を専門にしている『近新』が、今年夏から味噌漬けや粕漬けの通信販売を本格的に開始した。京都の定番、甘鯛は西京味噌漬けに。刺身にできるほど鮮度のいい状態で仕込むため、塩を多用してくさみを消す必要がなく、味噌をつけたまま焼いても塩辛さはなし。甘鯛特有のねっちりとした濃厚なうま味がしっかり味わえる。また、脂ののったロシア産鮭の粕漬けは、酒粕床に西京味噌を加えることでほんのり甘くまろやかに仕上げられている。贅沢に、酒肴にもしてみたい。
味噌漬けや粕漬けは、初代のころから知人に配っていて、「分けてほしい」という声に応えて販売することに。
鮭の粕漬け、鰆の西京味噌漬け各2切れ、甘鯛の西京味噌漬け1切れのセット¥3,700(税込、送料別)
下鴨神社にほど近い住宅街の小さな店で、女性店主がひとりで20年以上作り続けるちりめん山椒。京美人のような色白な姿に驚かされる。「素材がよかったら余分な味つけはいりません」と、しょうゆは少なめに。あとは日本酒とみりんであっさり炊かれている。山椒も辛味がきつすぎない小ぶりのものを厳選しており、毎日でも食べたくなる優しい味わい。
ちりめん山椒 40g ¥700(送料別)。じゃこが小ぶりでごはんに混ぜやすい「ささめ」と、じゃこが大きめで食べ応えのある「ちどり」の2種がある。
昭和3(1928)年創業。店頭で職人がだし巻きを焼く様子は錦市場の名物になっているほど。だしは、甘さやコクが強い利尻昆布と削り節を惜しみなく使い、卵に負けないよう濃いめにとったもの。特に「特上」はだしの割合が高く、熟練の職人にしか焼けない一品だ。口に含むと実に軟らかく、茶碗蒸しを思わせるふるふる感とまろやかなうま味が押し寄せてくる。
発送は、店頭販売と同じ容器で到着日の翌日が賞味期限の「生」と、1週間日持ちする特殊包装の「パック」から選べる。だし巻(特上)¥1,360(税込、送料別)
大正9(1920)年、業務用食材の卸問屋として創業。料亭や割烹の料理人が愛用する「練りごま」は、香りの高さやクリーミーさが格別。ごまの表皮をとり、丹念に煎ったあと、油が出るまですりつぶし、ペースト状に仕上げたもので、品質のよさと製法のていねいさが濃厚な味に表れている。あえ物やソース、麵汁に加えるだけでコクが増し、料理がおいしくなる名脇役。
ごま豆腐を作ったり、ハチミツと混ぜてトーストに塗ったり、棒々鶏のタレに使ったり、和・洋・中に使える。練りごま(白)240g ¥760(送料別)
優しい味わいの漬け物にファンが多い名店。特に賞味期限が1週間ほどの浅漬けは、わさびが効いたシャキシャキの「長芋わさび漬」やきゅうりと山ごぼうの歯ざわりの違いが楽しい「青てっぽう」など、野菜の味や食感がしっかり感じられる絶妙な漬かり具合。塩辛さがなく、あっさりしているので、ごはんの供は言わずもがな、サラダ感覚でそれだけでも楽しめる。
きゅうりの中に青じそで巻いた山ごぼうを詰めた青てっぽう 3本入り¥450。長いもを刻んだわさびの茎とともに漬けた長芋わさび漬 130g ¥550(送料別)
⑦時代に合わせてアップデートされた「京都の新名品」
老舗の名品、憧れの宿の逸品、古今の職人の手仕事…。長年、京都で愛される名品も、時代に合わせてアップデートされ、より使いやすく洗練されている。職人の技が光る衣食住にかかわるキッチン用品や和のインテリア、季節の花など、お取りよせ可能な京都メイドの”新名品”をご紹介。
元禄元(1688)年創業の西陣織の老舗『細尾』の旗艦店。オリジナルのテキスタイルを最大限に生かしたホームコレクションを展示販売し、6月からはオンラインストアをスタート。職人の卓越した技から生まれた独自の色彩や質感を詳細に味わえ、クッション、ポーチ、ルームシューズなどが取り寄せられる。見た目の美しさはもちろん、裏地の美しさやファスナーの滑り、履き心地といった細部にもこだわり、使い手の気持ちを豊かにしてくれる逸品ばかり。カーテンや壁布のオーダーの相談にも乗ってくれる。
HOSOOのテキスタイルとレザーを組み合わせたルームシューズ¥70,000〜(送料別)。職人が木型から作成し、履き心地まで追求したこだわりのアイテム。2サイズから展開。
ショーケースにはポーチを展示。スクエア、ハーフムーンのデザインで、各サイズから選べる。
ホームコレクションを壁一面に並べる店内。表情豊かなテキスタイルとアイテムを一覧できる。
独自に開発した織り機を使って150㎝幅に織り上げたテキスタイル。家具やカーテンは約150種類におよぶコレクションから選べる。
【京都の新名品2】 ギャラリー遊形「ホームグッズ」
憧れの宿『俵屋旅館』で実際に使用しているオリジナルグッズを扱うギャラリーショップ。外出しにくい日が続く中、待望の公式サイトを設け、家にいながら商品を閲覧できるようになった。人気の石鹸やタオルをはじめ、衣食住にかかわるさまざまなアイテムをアップし、宿泊客の間で人気の寝具の購入もできる。糸や生地選びにこだわった6重ガーゼのケットやシエスタマットは、一年を通じて愛用でき、手放せなくなること絶対! 体によく、快適な睡眠を促す逸品だ。
色鮮やかなポッシュはギフトとしても人気。¥3,200。
シエスタマット&円筒型枕¥22,381、太さの違う綿糸をランダムに織り上げたオリジナルガーゼで作ったレイヤード・ガーゼ・ケット(9月下旬入荷予定)¥15,500、キャンディクッション¥4,500。シエスタマットは枕を芯にし、丸めておけるデザイン。
ガーゼの心地よさにこだわったレディスとメンズのナイティは約20アイテム。¥9,000〜(送料別)。注文、問い合わせは電話かFAXで。
白檀や伽羅、桂皮などの香木や薬の原料となる生薬を用いた日本独自の香り。自粛生活が続く中、疫病を払い、平穏無事な日々に戻れるよう祈念をこめた商品を充実させ、薬玉もそのひとつ。平安朝のころから不浄や邪気を払う道具として使われ、竹籠の中に香りの袋を詰めた「薫籠 薬玉」はオリジナルの逸品。現代の暮らしに合わせて調合したゆかしい香りが漂い、心身を癒し、活性をもたらしてくれる。気がゆるめられない日が続く今、鎮静の香りとなる。
白檀など10種類以上の香木や香原料をブレンドした薫籠 薬玉¥2,800、飾り台¥2,500。3色の鈴つきの匂袋を入れ、赤色の袋を紫色に替えた薬玉もある。
解毒、解熱の薬効があるとされる訶梨勒(かりろく)の実をひと粒しのばせた掛け香¥1,200(送料別)。平安時代には疫病を避ける魔よけとされていた。
御所西に暖簾(のれん)を掲げる江戸時代から続く香木専門店。生薬や香原料を壁一面の薬箪笥に納め、希少な香木も多数扱う。
人気作家の器と古物をさりげなく合わせ、空間全体で独自の雰囲気を醸し出すショップ。セレクトと取り合わせの妙で、古今と和洋のものをしっくりとなじませ、ふだん使いできる器を提案している。「ザ・骨董というより手が届くもの。現代のものは古物へのリスペクトを感じる作家の作品で、なにより自分が欲しいもの」が店主の目線。感覚が近い作り手の作品、織部や美濃の古い器、買い求めやすいヨーロッパや日本の古物を集め、机や椅子などの什器も販売している。サイトでも店の空気を感じながら購入でき、器好きなら心ときめくはず。
織部のあと、江戸時代に生まれた御深井焼(おふけやき)を再現した安洞雅彦の器。各¥5,500。
さまざまな国や時代の古物。ドイツのテーブルランプ¥62,700・¥35,000、ギリシャの金属皿¥12,000、ピューターボトル¥18,000、日本のオイル挿し¥500、フランスの金彩ガラスボトル¥5,500、壁にかけたアメリカの木のとめ具¥5,000。須恵しのぎ蓋物¥4,950のみ現代で松葉勇輝作。
伊羅保急須¥17,600、黒釉面取茶杯 各¥3,300。タナカシゲオ作(すべて税込。サイトの価格は税別・送料別)
銅線やステンレス線をひと目ずつ縒(よ)り合わせて作る金網の道具。水切りや籠はさまざまなサイズから選べ、最近はコーヒードリッパーといった今の暮らしに応えたものも人気とのこと。手付焼網は目の細かい受け網がガスの直火を和らげ、フライパンのように手軽に使える。
ガス火をまんべんなく広げ、肉や魚、野菜はもちろんパンを焼くにも重宝する手付焼網。受け網の交換にも対応してくれる。ステンレス手付焼網¥4,000、銅手付焼網¥9,000
用途とデザインを兼ね備えた手編みコーヒードリッパー¥5,000〜、特製茶こし¥5,000〜(送料別)
【京都の新名品6】 御箸司 市原平兵衞商店「平安箸」
明和元(1764)年創業以来、お箸ひとすじ。当代主人考案の「平安箸」は、ねばりがある京都の竹を用い、箸先を繊細に削り込んでつまみやすく、手元は身の部分を丸か角に持ちやすく削っている。皮目を残しつつ全体に漆をふき込んでいるので変色しにくく、手入れもしやすい。
細かい食材をつまみやすく仕上げた平安箸「拭き漆仕上げ」は大中小 各¥4,200(送料別)
店内に並ぶ箸は400種類以上。用途に合わせて素材を厳選、使いやすさを追求して、最適な箸を提供。囲炉裏やかまどの煙でいぶされた、すす竹を用いた「みやこばし」も人気。
日本の暮らしに季節を呼び込む竹工芸品の専門店。熟練の職人が手がけた丈夫で美しい竹製品をそろえ、巧みな手作りによるものが充実。六ツ目編みの竹籠は伝統の技を踏まえてしっかりと編み込み、柄や形は繊細なオリジナル。手に優しく、機能性に優れ、使うほどに愛着が増す。
毎日使っても飽きない日常使いの竹製品が中心。愛用するうちに飴色に変化する様も楽しみのひとつ。
六ツ目に細い竹ひごを潜らせ、花のように編み上げたオリジナルの花六ツ目鉄鉢¥7,500〜(送料別)。底を細工編みにすることで、見た目美しく、強度も増す。
天保9(1838)年創業の京都で唯一の錫器の店。伝統的な神仏具や茶器などに加えて、現代の生活に合う食器や酒器、花器を手がけ、若手の金属作家の作品も扱う。鍛金と鋳金の2つの製造法を駆使しながら、錫の表情を引き出し、モダンな作風にも挑戦している。
使い勝手のよい小皿は柔らかな感触で金属とは思えぬぬくもり。手前から、菊割小皿1枚¥4,500、磐肌丸皿¥3,600。
冷酒に向く鎚目ぐい呑み¥6,000(送料別)。光の当たり方で肌合いに変化が生まれ、存在感を放つ。
暮らしの空間にあって数少ない命あるものであり、季節を感じさせる花の存在。その花をもって新たな景色や価値を見出す『みたて』の仕事は、儚くも記憶に残る美しさ。京都を中心に近郊から集められた花は、いずれも自然に逆らわずその時季に手に入るもの。お取り寄せの花は、寄せ植えや木箱などの装花、生けて楽しめる切り花など、用途や好みで選べ、電話で相談に乗ってくれる。遠く離れていても京都の風景に思いを馳せ、移ろう季節と心静かに対峙できる。
利休が花を届けるために考えたといわれる「送り筒」¥12,000。花入としても使える。
季節のさまざまな切り花をセットにして届ける定期便「季節のおまかせ便」ひと月¥5,000〜。
誂えの花は自然の景色を切り取ったかのような寄せ植えや盛り花¥10,000〜。写真は¥12,000。すべて取り寄せ可能(送料別)
日本の暦や京都の歳時記をテーマにする花を飾る店内。