ステイホーム中にお菓子作りに挑戦したかたも多く、なかでも一番人気は「パウンドケーキ」。そこで、有元葉子さんが「本当においしいの」と絶賛する相原一吉さんによるレッスンをここに公開。そのおいしさは自慢したくなるほど! 作っている時間から豊かな気持ちになれる、おもてなしの締めはこのお菓子で。
感動的な口当たりのよさは唯一無二の味わい
「パウンドケーキはバターたっぷりのコクと香りと風味のよさ、そしてホロッとした口当たりで飽きのこない味わいがあるのが人気の理由でしょう。フランス語ではカトルカール、4つの材料(バター、砂糖、卵、小麦粉)が同割という意味で、配合が覚えやすくさまざまに応用できるすばらしいお菓子です。私は、アーモンドパウダーを加えて風味よく仕上げています」
いわゆる簡単レシピと違って相原さんはベーキングパウダーを加えない。「バターを攪拌(かくはん)して空気を含ませる」「卵白をしっかりとしたメレンゲに泡立てる」工程が、膨らむもとを作り、ベーキングパウダーを入れなくても上質な口当たりになるのだそう。手間をかけるだけの価値のある、唯一無二の感動的なおいしさ!
「お菓子作りのプロセスにはむだな動きはありません。どれもなぜそうするのかという理由があります。それを知って作ってほしいのです。シンプルなケーキだからこそ、ひとつひとつのプロセスをていねいに作ってほしいですね」と。なお、使い残しの古い粉で作ると味に大きく差が出てしまうので、新しいものを使うこともポイントだそう。
また、カトルカールのような焼き菓子は持ち運びしやすいことから、『ガトー・ドゥ・ヴォワイヤージュ(旅行用のお菓子)』という素敵な呼び名もあるとか。「焼いている間、オーブンから甘い香りがふわ~っと部屋中に漂って、それは幸せな気分になれますよ」。市販のケーキにはない豊かな味は、なによりの家族へのおもてなしになりそう。
このとおり作れば、失敗なし!相原さんの“カトルカール”徹底解剖
材料(パウンド型〈20×8×高さ6㎝〉1台分)
バター(食塩不使用)……100g
塩……ひとつまみ
粉砂糖……50g
卵……2個
アーモンドパウダー(ふるう)……30g
レモン(国産)の皮のすりおろし……1/2~1個分
レモン汁……大さじ1~2
粉砂糖(メレンゲ用)……50g
薄力粉(ふるってから計量)……100g
準備
・卵は室温にもどしておく。
・焼く前にオーブンを170~180℃に予熱しておく。
実は大事な紙の敷き方
型の縁よりも1㎝くらい大きく紙(わら半紙がおすすめ)をカットし、鉛筆で底に合わせて印をつけて四方を折る。次に四隅の角に、斜めの切り込みを少し深めに入れる。長い辺の三角の切り込み部分が内側になるように型に納める。
《工程》
《1》バターを耐熱容器に入れ、電子レンジ(500W)で上下返して各10秒かけて軟らかくし、クリーム状に練る。
《2》軟らかくしたバターをボウルに入れて、塩を加え、泡立て器で空気を含ませるように攪拌する。
《3》粉砂糖を3回に分けて加え、そのつど2と同様に攪拌する。
《4》卵を卵黄と卵白に分け、卵黄を3に加え、均一になるように混ぜる(卵黄は溶かずに加える。溶くと器について、分量が減ってしまうので)。
《5》続けてアーモンドパウダー、レモンの皮、レモン汁を加え混ぜる。
《6》メレンゲを作る。4で分けた卵白を別のボウルに入れ、ハンドミキサーで少し泡立つくらいにほぐし、メレンゲ用粉砂糖の1/4量を加えてミキサーの高速で泡立てる。
《7》このようにピンと角が立つようになったら、次の粉砂糖を入れるタイミング。再び1/4量の粉砂糖を加え、同様に泡立てる。
《8》再びピンと角が立つようになったら、同様に粉砂糖を加えることを繰り返し(計4回)、しっかりとしたメレンゲに泡立てる。
《9》5に8のメレンゲの1/3量を加え、泡立て器の針金の間に生地を通すようにして、ほぼ見えなくなる程度に混ぜる。
《10》薄力粉の半量をふるい入れ、同様にほぼ見えなくなる程度に混ぜる。
《11》残りのメレンゲの半量、残りの薄力粉の順に同様に加え混ぜ、最後に残りのメレンゲを加え、白っぽさがなくなるまで混ぜる。
《12》泡立て器についた生地は針金を指ではさんできれいに落とす。
《13》ゴムべらに持ち替えて、混ぜきれていない周囲や底を均一にする。
《14》用意した型に生地をすくい入れ、ぬれ布巾の上に型をトントンと落とし、表面をさっと平らにならす(ぬれ布巾はクッションの役割)。
《15》霧を吹いて、170~180℃のオーブンに入れて、様子を見ながら約40分焼く。表面にできた割れ目が乾いたら竹串を刺して、生地がついてこなければ焼き上がり。
《16》焼き上がったら、型ごと10㎝の高さからぬれ布巾の上に2~3回落とし、ショックを与えて熱い空気を抜き、敷き紙ごと網台に移して冷ます。