横隔膜をしっかり使ってマスク時代の「浅い呼吸」をリカバリー【体調がよくなる「呼吸」マスター術】

呼吸が浅い人の2大問題点が、口呼吸になっていることと、横隔膜を使えていないこと。今回は、これを改善する方法の一つとして挙げられる「横隔膜をしっかり使う」方法を、医師・医学博士の根来先生がご紹介。
お話をうかがったのは…
医師・医学博士 根来秀行先生

医師・医学博士 根来秀行先生

ハーバード大学医学部内科客員教授。事業構想大学院大学理事・教授。著書は『病まないための細胞呼吸レッスン』(集英社)など多数。

横隔膜をしっかり使う

横隔膜をしっかり使う

ストレッチで呼吸筋の活性化を

横隔膜は肺のすぐ下にあるドーム状の筋肉。

「理想的なのは、肺の上から一番下までに空気を送り込む、横隔膜の可動域を最大限に使った呼吸。まずは自分の横隔膜の可動域を左のチェックテストで確認してみましょう。ねこ背姿勢になっていると横隔膜をはじめとする呼吸筋がこり固まり、胸郭が閉じて浅く短い呼吸に。下で紹介するような胸郭をしっかり開くストレッチで呼吸筋を活性化させましょう。また、息を吐くのが苦手な人には風船がおすすめ。頰が膨らまないように口をすぼめておなかからゆっくり長く息を吐き風船を膨らませる。息を吐きながら横隔膜が上がっていく感覚をつかんでみて」。

横隔膜の可動性チェックテスト

両手を肋骨のわきに当て、鼻から息を吸い、肋骨が前後左右に広がるか確認

《吸う》

両手を肋骨のわきに当て、鼻から息を吸い、肋骨が前後左右に広がるか確認。横隔膜が下がりきっていないと十分に広がらない。

楽な姿勢をとり、まず腹式呼吸を2〜3回繰り返し、鼻から息を吐ききる

《吐く》

鼻から息を吐いたとき、肋骨が閉じて下がるか確認。横隔膜がしっかり上がっていないと肋骨があまり閉じず下がらない。

CHECK1

《CHECK1

CHECK2

CHECK2

肋骨下の骨ぎわに手を当て、中心から外側へとなぞった部分が横隔膜。ここに親指以外の4本の指を食い込ませ、息を吐き、おなかに空気を入れるつもりで鼻から大きく吸い、鼻から大きく吐く。吸ったとき指が押し上げられ、吐いたとき指がおなかに食い込むなら横隔膜がしっかり動いている証拠。指があまり動かないなら横隔膜の動きが鈍い状態。

ゆったり深く呼吸できるようになる「胸郭」& 肩・首ほぐし

椅子に座り、背筋を伸ばし、胸の前で手を組む

《1》椅子に座り、背筋を伸ばし、胸の前で手を組む。ゆっくりと息を吐きながら、前に腕を伸ばすと同時に、骨盤を後傾させる。左右の肩甲骨の間が気持ちよく開いていくのを感じて。

ゆっくり息を吸いながら骨盤を前傾させ、組んだ手を胸の下に引き寄せる

《2》ゆっくり息を吸いながら骨盤を前傾させ、組んだ手を胸の下に引き寄せる。左右の肩甲骨が背骨に寄り、胸郭が気持ちよく開くのを感じて。腰は反らせすぎないこと。1、2を5回。

両肘を曲げ、指先を左右の肩先にのせ、肩甲骨を寄せて胸を張る

両肘を曲げ、指先を左右の肩先にのせ、肩甲骨を寄せて胸を張る。両肘で大きく円を描くように、腕全体を前から後ろへ回す。これを5回。前回しも同様に行う。

右手を左肩に置き、わきを締める

右手を左肩に置き、わきを締める。右手で鎖骨を押さえ、ゆっくり首を後ろに倒し、あごを上に向ける。そのまま首を右に倒し、あごは左上に向ける。反対側も同様に。

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