アラフィ―世代にとってずっと、メイクの、そして美しい生き方の先生だった藤原美智子さん。そんな藤原さんがヘア&メイクの活動に終止符を打ち、新たな展望をもって人生を歩むことを決断。これまでの集大成ともいえる魂のメッセージと、一生もののメイクテクニックを特別レッスン。アラフィー世代がこの先もっと輝いて、心地よく生きていくヒントが見つかるはず。
50代、大人メイクの役割とは?
「50代のメイクとは、その人らしさをわかりやすく伝える手段」
ベーシックなメイクこそが「私らしさ」を引き立てる
50代になったら、女性の魅力は「いきいき感」につきると藤原美智子さん。「いきいきとした内面こそが『私らしさ』。その内面を外見と一致させ、わかりやすく伝えるのが大人メイクの役割です」。メイクした顔が仮面にならず、内面を反映すると、大人の女性は人生を前向きに歩んでいけるという。
「30代くらいまでは、流行を追いかけることが楽しいし、トレンドメイクが素敵に見える。けれど、年齢を重ねるほどに流行を追いかけすぎると不自然に。ベーシックなメイクのほうがきれいに見えるようになってきます。50代では流行2割、ベーシック8割がベストバランスなのではないかしら」
藤原さんが考えるベーシックなメイクとは、肌のノイズを消し、血色感のあるツヤ肌に見せること、眉、目、唇のパーツメイクではラインを強調すること、といたってシンプル。なぜ、そんなシンプルでベーシックなメイクが、50代の女性を輝かせるのだろうか。
「流行とは移り変わっていくもの。それに対して、ベーシックなメイクは変わらずノーブル。気高さは内面に直結しているので、自分にとっても他人にとっても心地いいのです」
うそ偽りのない自分を気高くさらけ出せるのが大人メイクの本懐
気高く初々しいことがいつまでも輝き続ける秘訣
そもそも、「私らしさ」のカギである内面のいきいき感とはなんだろうか。「それはずばり、『私って、まだまだだわ』という気持ち。年齢を重ねるとこれもやった、あれも食べた、ここも行った、となんでも知った気になり、未来に夢がもてなくなるでしょう? 知らないことがあればあるほど謙遜の念が生まれ、初々しさが生まれるの。いきいき感のある人は決まって気高さと初々しさを兼ね備えています」。私らしい顔を見つけるには、知らないことを見つけることからだと藤原さん。
「内面が輝き、それに一致した外見=メイクをしている女性は、どんなシーンでも親切にしてもらえるもの。他人に優しくされると人はさらに輝きだします。別にメイクしない日があったっていいんです。そういう日とメイクをした日の落差をおもしろがるのも、大人のウィット(笑)」。若いときにはさらけ出せなかった内面を解放し、メイクの力を借りて私らしさに自信をもつ。年齢を重ねることの喜びを、またひとつ藤原さんに教えていただいた。
「私らしい顔」5つの作り方
1.私らしい顔の主役は「肌」。だからこそ、ノイズになるシミは絶対に消すべき。
エクラ世代になると自分のシミを見慣れてしまいきちんとカバーしなくなってしまう人も。でも他人から見ればシミの存在感はかなりのノイズ。どうしても老けた印象を与えてしまいます。シミは手順を踏んで消し去るべき。さらに血色をプラスすればいきいき感がアップします。(藤原さん、以下同)
《1》コンシーラーはシミ部分に「置く」
コンシーラーはカバー力の高いペンシルタイプを。力を入れず、置くようにのせるのがコツ。
《2》パウダーファンデーションでフィックス
スポンジを二つ折りにしコンシーラーの上から軽く押さえる。このひと手間を省かないことがカギ。
《3》チークはブラシを横方向に往復させる
チークを大きめのブラシにとり、笑うと丸くなる部分に横方向に往復。にじみ出るような血色感に。
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藤原さんプロデュース。大きいシミも細かいシミも的確にカバー。パーフェクトレタッチコンシーラー ナチュラルオークル SPF34・PA++ ¥4,400/MICH IKO.LIFE
肌にしっとり密着。B.A パウダリィファンデーション SPF25・PA++ 全6色(リフィル)各¥12,100・(ケース)¥2,750/ポーラ
一見濃い色だが、透明感のある血色感が。メルティング パウダー ブラッシュ 07 ¥6,050/SUQQU
2.パーツメイクは「線」が命。若々しさが宿り、自信につながる
50代のメイクは眉、アイライン、リップラインの「3つの線」がカギ。年齢とともにぼやけてくる「線」をくっきりさせるだけでいきいき感がアップ。ポイントは色選びと、描くときに手の力を抜くこと、そしてぼかしのテクニック。これさえ守れば「3つの線」だけで10歳若返ったような顔だちに!
《眉》ダークブラウンで眉の下側中心に描く
アラフィー世代は淡いブラウンだと貧相に。自毛の色となじむダークブラウンを選んで。眉の下側中心に描き足して太さを出し、まぶたの間のび感をなくす。最後にぼかすと、優しげで自然な印象に。
ぼかすのは眉の上側と眉頭のみ
スクリューブラシで眉頭から眉山までの輪郭と、眉頭をぼかす。スッスッと短いストロークで。
アイブロウはペンシル、パウダー、どちらでもOK。老け見えしない、ほんのり赤みがかったダークブラウン。
プレスド デュオ アイブロウ 03 ¥2,750/アディクション ビューティ
極細芯で毛の生えていないところにも一本一本描き足せる。
アイブロウ クイック ライナー 05 ¥2,860/クリニーク
手の力を抜いて描くには、ペンシルの持ち方が大事。人さし指と親指がギュッとなるのはNG。ふんわりと柔らかく持つのが正解
《アイライン》リキッドアイライナーでまつ毛のすき間を埋める
ペンシルタイプだとにじみやすいので、リキッドアイライナーが正解。太い線を引くとかえって目が小さく見えるので要注意。まつ毛とまつ毛のすき間を埋めるように描き、最後に綿棒で優しくアウトラインをぼかして。
《1》アイライナーを下からさし込む
鏡を正面にし、目を細めて生えぎわが見えるように。ペン先を下からさし込んでまつ毛の間を埋める。
《2》黒目の上の粘膜が埋まっているか確認
上まぶたの粘膜がアイラインで埋められると、黒目と一体化して瞳の輝きが強調される。
ペン先0.1mmでまつ毛のすき間が簡単に埋められる。ウォータープルーフ。
インパクト リキッド アイライナー 01 ¥2,860/クリニーク
ダイヤカッティングの軸が指にフィットし、ブレずに描ける。
ケイト スーパーシャープライナーEX3.0 BR-2 ¥1,320(編集部調べ)/カネボウ化粧品
《唇》輪郭の境目をくっきりさせふっくら唇を取り戻す
年齢とともに輪郭があいまいになり薄くなっていく唇。リップペンシルで肌と唇の境目をはっきりさせることで、立体感のある唇を取り戻せる。大人は、口紅よりもメイク効果大。
《1》下唇の中央から描きはじめる
下唇中央の「舟底」にラインを描き、口角からつなげる。上唇は山から口角へつなぎ、口紅を塗る。
《2》ティッシュで唇の輪郭をぼかす
常にきれいな面でぼかせるようにティッシュを人さし指に巻き直しながら、外から内へ輪郭をなぞる。
補整のリップラインなので、唇の色とぴったりの色が正解。
ローズベージュ。
プレシジョンリップライナー 9072 ¥2,970/ナーズ ジャパン
ベージュピンク。
スティロレーブルn(カートリッジ)1 ¥2,200・(ホルダー)¥3,300/クレ・ド・ポー ボーテ
3.ナチュラルな美しさは鏡との距離感で決まる。
メイクをするときは、遠い鏡と近い鏡を用意して。眉やリップ、チークは、腕を伸ばしたくらいの距離の遠い鏡で。手によけいな力が入らず、左右のバランスがよくなります。近い鏡で行うべきなのは、細かいところが大事なアイラインとマスカラ。アイシャドウはどちらでもやりやすいほうでOKです。
4.旬のエッセンスは2割だけでいい。新色の質感からもらう。
流行に走りすぎると、イタい印象になるエアラフィークラ世代。旬の要素は2割にとどめることをおすすめします。2割とは、例えば新色のアイシャドウを1色指でササッとぼかし、新しい質感のリップをリップラインに重ねて塗るくらい。時にはプチプラの新色コスメを利用するのも手です。
旬のバーガンディカラーを取り入れるなら、ジューシーなツヤ質感で。
ルージュ ヴォリュプテ キャンディグレーズ 6 ¥4,730/イヴ・サンローラン・ボーテ
ヌーディなベージュピンクも、新リップなら華やかな仕上がりに。
ディオール アディクト リップスティック(リフィル)526 ¥3,960・クチュール リップスティック ケース ピンク カナージュ ¥3,520
流行のオレンジも、まぶたが腫れぼったくならず自然。
サンク クルール クチュール 629(6/3~限定発売予定)¥8,360/パルファン・クリスチャン・ディオール
透明感のある発色で、色だけが悪目立ちせずみずみずしい目もとに。
ルナソル アイカラーレーション 13 ¥6,820/カネボウ化粧品
5.大人のフレッシュさはツヤの効かせ方しだい。
人生100年時代、アラフィー世代はまだまだ若手。みずみずしさを失ってはいけません。そのために味方につけたいのが「ツヤ」。どこかに少しだけきらめきをしのばせるとフレッシュな印象に。アイシャドウで取り入れるのが、簡単で効果的です。
《1》目頭を「く」の字にきらめきで囲む
繊細なパール感のアイシャドウを中指にとり、目頭をトンと軽く押さえるだけでOK。自動的に「く」の字に囲まれる。
《2》下まぶたにもツヤのニュアンスをプラス
アイシャドウチップの先に上品なつやめきのアイシャドウをとり、下まぶたにライン状に。まつ毛の生えぎわギリギリにのせる。
さりげなくツヤを効かせられる。発色はニュアンス程度で透明度が高い。
下のベージュを目頭に。
カネボウ アイカラーデュオ 18 各¥2,530/カネボウインターナショナルDiv.
上のグリーンを下まぶたに。
カネボウ アイカラーデュオ 20 各¥2,530/カネボウインターナショナルDiv.
藤原美智子さんの一問一答「“私らしく”生きるヒント」
「私らしい顔」は、私らしい生き方をしてこそ手に入ると藤原美智子さん。50代は、40代までに経験したことをベースに、そんな生き方を模索する世代。濃密な模索の50代を経験した人生の先輩、藤原さんのアドバイスとは?
アラフィー世代は迷いの世代「藤原さん、どうしたら“私らしく”生きることができますか?」
「人生100年。後半生はまだ始まったばかり。迷って、悩んで、当然よ」
Q.50歳になっても、自分が好きになれません。
A.自分の嫌いなところを紙に書き出してみて
A4の紙に、性格でも容姿でも、好きになれない理由を書き出してみて。そして克服のアイデアを思いつくままに書き込むの。するとね、欠点だったことも「個性」に。私も悩んだときには、これを実践。10枚書くころには解決策が必ず見つかります。
Q.他人の顔色が気になって、心が開けません。どうしたら自分に自信をもてますか?
A.まずは体から。胸をぐっと開いてみて
もしかするとねこ背になって胸が縮こまっていませんか? ばかばかしいと思うかもしれないけれど、人と接するとき姿勢を正して胸を開いてみて。自信をもって話ができますよ。
Q.人生で大事な決断を直感でしますか?それともじっくり考えますか?
A.私は直感派。とにかくまずは行動してみます
行動することが生きること、と思っているので、ひらめいたことは実践に移すようにしています。でもそれは、実は以前から心の中で温めていたことで、だからすぐに決断できるのかも。直感でもじっくりでも、決めたことは自分を信じて進んでみて。
Q.いろいろな趣味や習い事をしてきましたがなかなかものにならないことに歯がゆさを感じます。
A.毎日でもやりたいことに絞ってみては?
同じタイプなので、わかる~(笑)。私の経験からすると、手を染めたことの中で、毎日でもやりたいほど好きなことに絞って、時間を割くようにするとうまくいきました。そんなわけで、バレエは楽しく続けています。
Q.きょうだいや親友との距離感がわからず、疲れることがあります。
A.疲れるのなら離れてみるのも手
50代にもなると子供のときとは考え方も人間性も変わって当然。付き合えなくなることだってあります。距離を置いていいのでは?
Q.素敵に年齢を重ねるために心がけていることはなんですか?
A.体をストレッチで柔軟にして、心も柔らかく
ストレッチで筋肉が硬くなるのを防いで、いつでもパッと動けるようにしています。体が柔らかくなると考え方も柔軟になりますよ。
Q.プライベートや仕事を充実させたいのに自分を奮い立たせることができません。
A.目標をビジュアル化して「忘れない」ことが大事
私は、目標があってもすぐに忘れちゃう。だからやりたいことのイメージビジュアルを切り貼りしたり、言葉にして必ず朝とか夜に見るように。脳にインプットさせるんです。
Q.SNSでコメントの多い人をうらやましく思ってしまいます。人と比べないようにするには、どうしたらいいですか?
A.むしろ冷静に比べてまねしてみては?
コメントの多い人と自分を比較して、その人のいいところはどんどん学んでみるのはどう? のびる人って、必ずまねするの。まねしてみて初めて自分らしさが見つかる。そこでプライドがじゃまする人は、SNSは向いていないのかも。
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