<アラフィーへのおすすめ本>言葉の力で平和な暮らしの尊さと脆さに気づかせてくれる『モノクロの夏に帰る』

アラフィー女性にこそ読んで欲しいおすすめの本を、編集部がピックアップ! 今回は、額賀 澪『モノクロの夏に帰る』をご紹介。戦争にかかわる3人の主人公たちが一冊の本と出会ったことで変わり始める物語。このほかイチ押しの3冊をご紹介。

戦時下を生きた人々の写真が“今”を変えていく

『 モノクロの夏に帰る 』

『モノクロの夏に帰る』
額賀 澪
中央公論新社 ¥1,760
祖父の戦争体験を捏造して作文を書いた過去をもつ書店員、保健室登校を続ける中学生、テレビの終戦記念特番を手がける広島出身のスタッフ、教室で浮かないよう自分を偽る日米ミックスの高校生……。そんな主人公たちが、一冊の本と出会ったことで変わりはじめる。それは、第2次世界大戦前後に撮影されたモノクロ写真をカラー化した写真集。鮮やかになった80年前の写真が戦争を身近に感じさせたように、この短編集は言葉の力で、平和な暮らしの尊さと脆さに気づかせてくれる。

人と犬の絆を豊かに描く胸キュン絵本

『 いぬ 』

『いぬ』
ショーン・タン 岸本佐知子/訳
河出書房新社 ¥1,980
著者は、世界各国で数々の賞を受賞している大人向け絵本のクリエイター。同じ構図で描いた哀愁漂う絵と、ほんの少しの文章が織りなす世界の豊かさといったら。わずか40ページの中に悠久の時が流れ、人間と犬が築いてきた信頼の深さに胸打たれる。最後の絵で涙腺決壊!

成功した者と堕(お)ちた者、何がふたりを分けたのか

『 マイケル・Aの悲劇 』

『マイケル・Aの悲劇』
ダニエル・アレン 那波かおり/訳
筑摩書房 ¥2,970
黒人女性というハンデがありながらアメリカで有数の政治学者となった著者と、15歳から刑務所で過ごし29歳で殺された従兄弟のマイケル。ふたりの人生が大きく違ってしまった理由と、その背後にある差別や偏見を丹念に掘り下げていく。重い問いを投げかけてくる回想録。

一歩を踏み出したい50代のための応援歌

『 セカンドチャンス 』

『セカンドチャンス』
篠田節子
講談社 ¥1,815
長い介護の末、母親を看取(みと)った51歳・シングルの麻里。メタボ解消のため水泳教室に通いはじめたところ、灰色に思えた未来に光が……。優柔不断な主人公も癖のあるスクール仲間たちも、すぐ隣にいそうなほどリアル。楽しく一気読みしたあと、きっと何かにトライしたくなる。

  • 読んで後悔なし!アラフィーが今読むべき「2022夏の文芸エクラ大賞」

    読んで後悔なし!アラフィーが今読むべき「2022夏の文芸エクラ大賞」

    「本との出会いをつくりたい」「読書の喜びを再認識するきっかけになれば」との思いから始まり、今年で5回目を迎えた文芸エクラ大賞。感染症の流行に加えて戦争が勃発し、世界中が先行き不透明な今、考える力を養う本はますます重要。楽しい時間を自分のものにするためにも、ぜひ本の扉を開けてみてほしい。

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