慢性的な腰の痛みにご用心! 腰や内臓の病気が隠れていることも

慢性的な腰痛がある場合は、腰の病気の場合もあるから要注意。また、腰痛の陰に、内臓の病気が隠れていることも。そこで、アラフィーに多い腰痛の原因になる病気をピックアップ。放っておかず、病院で検査を受けて。
医学博士 銅冶英雄先生

医学博士 銅冶英雄先生

どうやリハビリ整形外科院長。日本整形外科学会専門医。自分で腰痛を克服した体験から、体の痛みを根本的に治す医療を実践。腰痛に関する著書も多数。

骨や関節の変形や内臓の不調にもご用心

「腰痛を引き起こす、エクラ世代に多い腰の病気としてまずあげられるのが、椎間板の髄核のずれがすすんで飛び出し、神経を圧迫して痛みが起こる『腰椎椎間板ヘルニア』。次に、腰の神経が通る脊柱管が骨や関節の変形などによって狭くなって起こる『腰部脊柱管狭窄症』。そして、椎間板の線維輪についた傷が残って起こる『変形性腰椎症』です。これらの病気の原因は、もちろん加齢もありますが、ぎっくり腰と同様、やはり腰に負担がかかる悪い姿勢=前かがみの姿勢を続けることが大きいです。ぎっくり腰は時間の経過とともに治癒されますが、このような病気になってしまうと改善しづらくなるので、ふだんから姿勢に気をつけ、こまめに“壁ドン”ストレッチを習慣にして予防しましょう」

さらに、腰痛には、腰の病気のほかに、内臓の病気が潜んでいることもあるから注意が必要。

「腎臓や尿管など背中側にある臓器の病気があると、その影響で腰痛が起きやすいですし、女性は子宮の疾患のサインである場合も。アラフィー世代は、このような内臓の病気に気をくばるべき世代。腰痛以外にほかの症状があったり、痛みが長引くようなら、一度、病院で相談を」

《アラフィー以降になりやすい、腰の病気》

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰痛だけでなく、脚に痛みやしびれが起こることも
腰椎の髄核(ずいかく)のずれがすすみ、椎間板(ついかんばん)や線維輪に亀裂が入って飛び出してしまうのが椎間板ヘルニア。神経を圧迫すると、脚に痛みやしびれが起こることも。圧迫がすすむと、脚が動かしにくくなったり、尿が出にくくなることもある。

変形性腰椎症

変形性腰椎症

腰椎に骨棘ができたり、変形することで痛みが発生
加齢によって腰椎に骨棘(こつきょく)と呼ぶ骨の棘(とげ)ができたり、腰椎が変形したりして腰痛が生じる病気。変形が進行すると脊柱管狭窄症になることも。症状が重いと、脚に痛みやしびれが起きたり、長く歩けなくなったりすることもある。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管が狭くなり、腰痛や脚の痛み・しびれが起こる
腰椎の脊柱管(神経が通るトンネル)が骨や関節の変形などによって狭くなり、神経が圧迫されて脚に痛みやしびれが起きる病気。歩くと痛み、長く歩けなくなることも多い。重症になると排尿・排便障害などが起こることも。

【ATTENTION】50歳以降の腰痛は、内臓の疾患のサインのことも

腰痛以外の特徴的な症状がないかをチェックして。更年期の場合もあり
「姿勢の改善を心がけても腰痛が改善しないなら右記のような内臓の病気の疑いも。腎臓の病気なら血尿を伴ったり、婦人科系の病気なら過多月経などほかの症状もあることが多いので見極めを。また、更年期になると痛みに過敏になり腰痛を感じやすくなることもあります」

考えられる病気は?
・尿管結石
・腎盂腎炎
・子宮がん
・子宮内膜症
・子宮筋腫
・骨粗鬆症 など

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