経験者多数!アラフィー女性の「ぎっくり腰」正しい対処法と予防策

あの激痛、できれば味わうことなく、人生逃げきりたい!もう繰り返したくない、味わいたくないあの痛みから逃れる方法ありますか?不幸にもなってしまったらどうしたらいいの? ぎっくり腰以外にもアラフィー世代が気をつけるべき腰痛とは?銅冶英雄先生に詳しくお聞きしました。

 

医学博士 銅冶英雄先生

医学博士 銅冶英雄先生

どうやリハビリ整形外科院長。日本整形外科学会専門医。自分で腰痛を克服した体験から、体の痛みを根本的に治す医療を実践。腰痛に関する著書も多数。

アラフィー女性188人に「ぎっくり腰アンケート」

Q.ぎっくり腰になったことがありますか?

Q.ぎっくり腰になったことがありますか?
エクラのアンケート調査では、ぎっくり腰になったことがある人は74.6%と多数。そのうち、再発したと答えた人も73.5%にも上り、一度なるとやはりくせになりやすいようだ。

Q.どんな状況でぎっくり腰になりましたか?

何かをとろうと背伸びをしたり、かがんだとき…59人

座った・立ち上がった・振り向いた瞬間…38人

特定の動作をしたわけではないのにいきなりなった…21人

朝起き上がった瞬間…16人

くしゃみやせきをしたとき…15人

運動中…6人

寝返りを打ったとき…4人

その他…29人

ぎっくり腰になった状況は、何かをとろうとしたり、かがんだときがトップ。激しい動作ではなく、日常生活の中のちょっとした動作でぎっくり腰になる人が多数。

Q.どう治しましたか?

ぎっくり腰程度で整形外科に行っていいのかわからなくて
「ぎっくり腰程度で整形外科に行っていいのかわからなくて」という人が多く、病院に行った人は約35%と思いのほか少なめ。そのせいか自己治癒派もけっこう多い。
エクラ調べ(188人)

ぎっくり腰って「どんなときになるの?」

ぎっくり腰を経験したアラフィーに、いつ経験したのか、どんな痛みだったのか、ぎっくり腰のエピソードを6人が座談会。

洗濯物干しや抱っこなど思わぬ瞬間に激痛が……

A子 初めてぎっくり腰になったのは42歳のころ。洗濯物を干そうと両手を上げた瞬間にグキッと。その瞬間は息ができないほど痛くて四つんばいで移動して。その後は数日間柔らかい布団で寝られず、床に寝ました。

B子 私は「ぎっくり」の初体験が早くて20代後半。ペディキュアを塗っていたら腰にグニャッとした感覚がきて、立ち上がれず。ぎっくり腰だとわからず、このまま立てなくなったらどうしようと怖くて。痛くて腰を動かせないから、しばらく被りのワンピースを着て、ショーツもはけないのでノーパンで過ごしました(笑)。

ペディキュア ぎっくり!

ペディキュアぎっくり!
ペディキュア中にぎっくり、のB子さん。「転職前の最終出勤が終わった夜で、安堵感から長々とペディキュアを塗っていたら腰にぐにゃりとした感触が。痛みも最初はぎっくり腰だとわからず、恐怖感しかなかったです」(B子さん)。

C子 私もギリギリ20代で経験しました。3歳の甥っ子を抱き上げた瞬間、腰に稲妻が走り。倒れるときとっさに受身をとり、背中で着地したので甥は無傷でしたが、駆けつけた父母は甥の心配ばかり。私は背中や肩、肘に青痣(あざ)という大惨事なのに……。

抱き上げ ぎっくり!

抱き上げぎっくり!
甥っ子を抱き上げた途端にぎっくり、のC子さん。「稲妻のような激痛が走り、息ができず、声も出せず。倒れるときとっさに受け身をとり、背中から着地。甥っ子が無事でよかったけど、腰も背中も満身創痍……」(C子さん)。

D子 それはつらい。私は40前に玄関で娘のランドセルをとろうとした瞬間にピキッときてくずれ落ちましたね。「ママここでバイバイね」と娘を見送り、その後、匍匐(ほふく)前進で廊下を移動……。

ランドセル ぎっくり!

ランドセルぎっくり!
D子さんは、朝、玄関で娘のためにランドセルを渡そうとしてぎっくり発症。「置いてあったランドセルをとろうとしたらピキッと……。何が起きたのかわからず、くずれ落ちる私を、娘が不思議そうに見ていました」(D子さん)。

E子 私なんて、車から降りた瞬間に頭に突き抜けるような激痛! そこから1週間はベッド生活で、くしゃみやせきをするのも命懸け。トイレにも行けずここで用を足すのかなと思ったとき、女終わったなと思った36歳……。

降車ぎっくり!

降車ぎっくり!
帰宅して車から降りた途端にぎっくり、なE子さん。「その瞬間、息の仕方を忘れたようになり、うつ伏せに倒れてうずくまりました。その後そのままの姿勢で少しずつ、玄関まで体を引きずって……」(E子さん)。

F子 私は50になった途端です。朝、腰が痛いなと思いつつ靴下をはいたら、その瞬間にビキッときて倒れ込んじゃって。それを見ていた夫に爆笑されたという悔しい思い出が。その後、3回も再発しました。皆さんは?

靴下 ぎっくり!

靴下ぎっくり!
靴下をはいた瞬間にぎっくりにやられたF子さん。「朝から腰が痛いなとは思っていたんですが、靴下をはいた姿勢が決定打になったようで。夫にはふざけていると思われて爆笑され、真剣に離婚を考えました!」(F子さん)。

2、3回の再発はあたりまえ。10回再発のツワモノも……

A子 私はくしゃみやゴルフで再発しましたが、一番大変だったのは、甥っ子とターザンロープで遊んでいたとき。ロープにつかまって足を離した瞬間にぎっくり腰になって、そのままゴールまで運ばれるという悲惨な事態に。

ターザンぎっくり!

ターザンぎっくり!
アスレチックのターザンロープでぎっくり、のA子さん。「ロープをつかんで足を離した途端にぎっくり腰になったので、引き返せず、しかたなく激痛のままゴール地点まで運ばれました。もうターザンロープはこりごり」(A子さん)。


C子 それはつらい。でも私、バッグを持ち上げたときとか、ちょっとしたことでぎっくり腰になるようになって、約25年で10回は再発しています!

D子 私も3回再発! DVDを見てストレッチをしたときとかに……。

A子 初ぎっくりのときは、私、湿布でなんとかしのいで治癒を待ったんですよね。整形外科は、なんとなくハードルが高くて。そう思いません?

B子 わかります。私も湿布はって、痛みがやわらいだのもあって、病院は大げさかな、と行きませんでした。でも、再発はないもののその後同じ場所が痛くなると、行ったほうがよかったのかなとも。

C子 私はすぐに病院に行きましたが、湿布と鎮痛剤、コルセットをもらったくらいですよ。でもそのときもらったロキソニンの湿布が痛み止めによく効いたから、最近は常備しています。

D子 私も整形外科でコルセットをもらい、理学療法も受けました。

E子 私は病院も行きましたが、“神の手”と呼ばれている先生の整骨院に通ったら数回でよくなった!(笑)

F子 え! 私もです。なって2日目に友人たちの間で評判だった“神の手”の鍼灸院に。かなり楽になりました。

D子 でもならないに越したことはないから、やはり予防って大事ですよね。くしゃみをしそうになったら壁に手を当てて体を支えたり、朝起きるときはガバッと体を起こさないようにしたりと動作に気をつけていますよ、私。

C子 私も重い物を持つときは人に頼むようになりました(笑)。ストレッチで体力づくりもしています。

E子 私は職場のぎっくり腰経験者同士で、物を持ち上げるときとかに「気をつけて」と声がけし合っています。

A子 いいですね、ぎっくり腰友の会! でもやっぱりふだんの姿勢が大事ですよね。私、パソコン作業が多くてねこ背になりやすいので気をつけないと。

E子 そうですよね。腰が痛いと何もできなくなるんだと痛感して、腰って本当に大事なんだなと気づきました。

F子 ぎっくり腰はつらいから、二度とならないよう予防しましょうね!

【座談会出席者】
A子(48歳)
42歳ごろに最初のぎっくり腰に。その後は、軽いぎっくりを2、3回。いつも腰の同じ部分に痛みが発生するのが怖い。

B子(54歳)
初ぎっくりは20代後半。その後、なんとか再発は防げているが、ぎっくり腰のとき痛んだ腰の右側がときどき疼く。

C子(54歳)
28歳と若くに初ぎっくり体験。その後約25年の間に10回も再発したため、ロキソニンの湿布は絶対常備。

D子(51歳)
37歳で初ぎっくり。その後、3回再発。毎回左の腰に痛みが出る。再発のたびにコルセットを愛用。

E子(52歳)
38歳のとき、海外駐在中に初のぎっくりを発症。その後、階段でジャンプしたときに2回目のぎっくり腰の悲劇……。

F子(52歳)
50歳で初ぎっくり腰を経験したあと、2年のうちに3回も再発を経験。そのため職場にも家にもコルセットを常備。

ぎっくり腰の「引き金になる姿勢」

日常のふとした動作で生じてしまうぎっくり腰。その原因は、やはり毎日の姿勢にあるようだ。ぎっくり腰が起こる詳しいメカニズムを、医学博士の銅冶英雄先生にうかがった。

前かがみ姿勢の蓄積が突然のぎっくり腰を呼ぶ

まず知っておきたいのが、背骨の構造。
 
「人間の背骨は、椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨が縦に積み重なってできていて、腰は腰椎と呼ばれる5つの椎骨が積み重なっています。この椎骨と椎骨の間には、クッションのような役割をもつ椎間板(ついかんばん)という軟骨があり、中にはゼリー状の髄核(ずいかく)という物質があって、その周囲は線維輪という線維組織で囲まれています。髄核は、直立姿勢のときは椎間板の真ん中にありますが、前屈すると後ろへ、体を反らすと前へと移動して、椎間板をスムーズに動かします。このように椎間板が動くことで体を曲げたり反ったりができるのです」
 
そして、ぎっくり腰が起きてしまうのは、ふだんの姿勢によって、この構造にトラブルが生じてしまうから。

「日常生活では、前かがみで行う動作が多いので、人は常に腰を丸めた“前かがみ姿勢”になりがち。そしてこれが続くと髄核が後ろにずれたままになり、線維輪が徐々に傷つきます。それが積み重なると、ちょっとした動作をした瞬間に、線維輪に亀裂が入って急激な強い痛みが生じます。これがぎっくり腰。つまりぎっくり腰の原因は前かがみの姿勢を続けることで、よくいわれているような運動不足や筋力不足は関係ありません。ぎっくり腰は1カ月程で自然に改善することが多いのですが、約60%の人は、1年後も腰痛が続き、再発する人の割合も約60%。でも前かがみ姿勢を正すことで、痛みの解消もぎっくり腰の予防もできます。ストレッチをぜひ習慣に」

ぎっくり腰のメカニズム

ぎっくり腰のメカニズム 髄核が後ろにずれて線維輪に亀裂が入る

髄核が後ろにずれて線維輪に亀裂が入る

前かがみ姿勢が続くと椎間板の前側がつぶれ、髄核が後ろにずれたままになり、線維輪を徐々に傷つけていく。そして腰に大きな負担がかかったときに線維輪に亀裂が入ると、ぎっくり腰に。

Check! 心当たりありませんか? 前かがみ姿勢を呼ぶ生活習慣

□ねこ背ぎみである

□立ちっぱなし、座りっぱなしの姿勢で過ごす時間が長い

□座っているとき、ついつい足を組んでしまう

□立っているとき、どちらかの足にばかり体重をかけてしまう

□眠るとき、横向きで体を丸めて寝ることが多い

□ソファに座ってくつろぐことが多い

□スマホを手放せないストレスを感じることが多い

□ストレスを感じることが多い

ならない&再発予防に【毎日3回、“壁ドン”ストレッチ】

腰を反らして髄核をもとの位置に戻そう

「この“壁ドン”ストレッチのような腰を反らす動きを習慣にすると、椎間板の髄核が正しい位置に戻るので、ぎっくり腰の予防にも改善にもつながります。ただし、腰を反らすと痛むときは控えて」

ぎっくり腰ストレッチ 《1》壁に向かって立ち、半歩〜1歩離れて、両足を肩幅程度に開く。
《1》壁に向かって立ち、半歩〜1歩離れて、両足を肩幅程度に開く。
ぎっくり腰ストレッチ 《2》肘をまっすぐに伸ばして、左右の手のひらを壁につける。
《2》肘をまっすぐに伸ばして、左右の手のひらを壁につける。
ぎっくり腰ストレッチ 《3》両肘を伸ばしたまま腰をできるだけ前にたわませて2〜3秒キープ。
《3》両肘を伸ばしたまま腰をできるだけ前にたわませて2〜3秒キープ。次に腰をもとに戻す。これを10回。

ぎっくり腰を「寄せ付けない新習慣10」

ふだんの何げない動作が実は腰への大きな負担になり、ぎっくり腰の“魔女の一撃”の原因に。腰に負担がかかる動作に注意して、ぎっくり腰を未然に防いで!

1.起き上がるときには、肘で体を支えながら!

起き上がるときには、肘で体を支えながら!
寝た状態から起き上がるときは、あおむけの姿勢から起き上がると、腰に負担がかかりやすい。腰が痛まないほうに横向きになり、両手を床につけ、手の力で体を起こそう。

2.顔を洗うときには、膝を曲げて、肘をつく!

顔を洗うときには、膝を曲げて、肘をつく!
顔を洗うときは、洗面台に両肘をつき、膝を少し曲げて洗うようにすると、腰への負担が減る。それでも腰が痛むときは、ぬれタオルで顔をふくのみにしておくのがおすすめ。

3.寝るときは、あおむけorうつ伏せで!

寝るときは、あおむけorうつ伏せで!
寝るときは、横向き寝だとねこ背になり、腰が丸まってしまうのでNG。あおむけ寝か、うつ伏せ寝のほうが負担になりにくい。ぎっくり腰で痛みが強いときは特にうつ伏せ寝が◎。

4.ソファでくつろぐときには、ときどき腰をスライド!

ソファでくつろぐときには、ときどき腰をスライド!
ソファは腰が丸くなりやすく、長時間座っていると腰に負担になるので要注意。15〜20分に1回は、腰を反らす動きを取り入れて。

5.トイレでは、膝に手を置き、腰を伸ばす!

トイレでは、膝に手を置き、腰を伸ばす!
トイレでいきむときは前かがみ姿勢になりがち。便座に座ったら、手を膝の上に置いて上半身を支えて、腰を伸ばした姿勢を保つこと。立つときも腰を反らす意識を。

6.くしゃみ、せきをするときには、壁に手をつく!

くしゃみ、せきをするときには、壁に手をつく!
くしゃみやせきをすると、上半身が勢いよく曲がり、椎間板に急激に圧がかかるのでぎっくり腰になりやすい。くしゃみやせきをするときは、胸を張って壁に手をついて体を支えて。

7.立ち上がるときは、膝に手をついてから!

立ち上がるときは、膝に手をついてから!
椅子に座った状態から立ち上がるときは、ねこ背になっていた姿勢をまっすぐに戻してから、手を膝について立ち上がろう。机に手をついて体を支えて立ち上がってもOK。

8.電車の中では、胸を斜め45度上に引っぱり上げる!

電車の中では、胸を斜め45度上に引っぱり上げる!
吊り革につかまり、背すじを伸ばし、胸を斜め45度に突き上げて腰を反らす姿勢を意識。ただし反らしっぱなしも腰に負担がかかるので、2〜3秒ごとに反る、戻す、を繰り返して。

9.荷物を持ち上げるときには、膝を曲げて!

荷物を持ち上げるときには、膝を曲げて!
物を持ち上げるときは、腰を反らした姿勢をつくってから膝を深く曲げてしゃがみ込んで持ち上げるのが正解。そして荷物を体に近づけ、膝を伸ばす力で持ち上げて。

10.振り向くときは、椅子ごと、体ごと!

振り向くときは、椅子ごと、体ごと!
座っているときに振り向くときは、腰をひねって振り向くのはNG。回転する椅子なら椅子を回して体ごと振り返って。立っているときも、足から体ごとひねって振り向くこと。

ぎっくり腰に「なってしまったらQ&A」

ぎっくり腰はある日突然起きるから、どうしたらいいのかパニック状態になりがち。そこで、まずやるべきことや、外出先での応急処置など、ぎっくり腰にまつわる素朴な疑問、銅冶英雄先生のアンサーをご紹介。知っておけば、いざというときにも安心。

Q1.ぎっくり腰になったと感じた直後、まずやるべきことは?

A.まずはうつ伏せの姿勢で安静に!

「まずはすぐにうつ伏せになることです。動けるようになってきたら以下のような動きを取り入れましょう。前かがみ姿勢はしないこと。しゃがみ込むのも腰が丸くなるので避けて」

Q.ぎっくり腰になったと感じた直後、まずやるべきことは?
ぎっくり腰になったらまずはうつ伏せになり、痛みが落ち着くまでしばらく安静に。
動けるようになってきたら、うつ伏せのまま両肘を床につけて、ゆっくりと上体を起こす。
動けるようになってきたら、うつ伏せのまま両肘を床につけて、ゆっくりと上体を起こす。
両肘を伸ばして、背骨のひとつひとつを意識しながら腰を少しずつ反らしていく。
両肘を伸ばして、背骨のひとつひとつを意識しながら腰を少しずつ反らしていく。

Q2.外出先でぎっくり腰になってしまったときにできる応急処置は?

A.とにかく壁を見つけて、“壁ドン”ストレッチを!

「外出先でぎっくり腰になってしまったら、とにかく壁を見つけて、壁ドンストレッチをして腰を反らしましょう。壁がない場合は、両手を腰に当てて反らせばOK」

Q3.ぎっくり腰の痛みをやわらげるには、冷やすべき? 温めるべき?

A.温めても冷やしても、あまり変わりません。痛み止めには湿布や鎮痛剤を。

「どちらにしても症状が改善するわけではありませんが、自分で痛みがやわらぐ気がするならどちらをやってもOK。冷湿布にも温湿布にも鎮痛成分が配合されているので痛みの緩和には効果的。鎮痛剤を飲んでもOK」

Q4.治るまではやはり、あまり動かず、安静が基本?

A.なんとか動けるようになったら、腰を反らすほうが治りが早いです。

「強い痛みがあるときは安静にしていたほうがいいですが、動けるようになったら腰を反らす動きをちょこちょこと取り入れるようにしたほうが、治りが早いのでおすすめです」

Q5.病院に行くタイミングは?

A.セルフケアをしても痛みが少しも改善しない場合は病院へ!

「こちらでご紹介したようなセルフケアで改善すれば病院へ行かなくてもいいですが、改善しない場合は、圧迫骨折などを起こしている場合もあるので整形外科を受診しましょう」

Q6.痛みが強いうちでもお風呂に入っていいですか?

A.もちろんOK。ただし、ねこ背にならないよう、浴槽で正座が正解!

「お風呂には入ってOK。ただ、湯ぶねにつかっているとねこ背になりやすいので、姿勢に注意。湯ぶねの中で正座をすると腰が伸びやすいのでおすすめ。痛みが強いときはシャワーのみに」

Q7.腰痛用のコルセットはつけるべき?

A.痛みを感じなくなるまでつけていてOK。

「コルセットは自分でつけていて楽だと感じるならつけていてOK。痛みを感じなくなるまでつけていても問題ありません。楽に感じないなら無理につけることはありません」

Q8.痛みをやわらげるために、マッサージや整体は取り入れてもいい?

A.OK。ただし、行きつけか、誰かの紹介のほうが安心です。

「楽になるなら取り入れてOK。ただ、施術者の技術にもより、施術を受けて逆に悪くなる場合も。行きつけのところに行くか、人に紹介してもらうなど信頼できるところを選んで」

Q9.ぎっくり腰はどれくらいで治るもの?

A.通常、痛みは1〜2週間で楽になるはず。

「痛み自体は1〜2週間で改善することが多いです。急激な痛みが落ち着いたら、悪い姿勢にならないように注意して、壁ドンストレッチを続ければ3カ月ほどで治ると思います」

Q10.ぎっくり腰はくせになるってホント?

A.本当です。だからこそ、予防体操で正しい姿勢をくせづけて。

「髄核がずれて線維輪に亀裂が入った状態が治りきらないままだと、再発しやすくなります。壁ドンストレッチを習慣にして、よい姿勢を心がければ再発しにくくなるので実践を」

ぎっくり腰以外の「腰痛」

慢性的な腰痛がある場合は、腰の病気の場合もあるから要注意。また、腰痛の陰に、内臓の病気が隠れていることも。そこで、アラフィーに多い腰痛の原因になる病気をピックアップ。放っておかず、病院で検査を受けて。

骨や関節の変形や内臓の不調にもご用心

「腰痛を引き起こす、エクラ世代に多い腰の病気としてまずあげられるのが、椎間板の髄核のずれがすすんで飛び出し、神経を圧迫して痛みが起こる『腰椎椎間板ヘルニア』。次に、腰の神経が通る脊柱管が骨や関節の変形などによって狭くなって起こる『腰部脊柱管狭窄症』。そして、椎間板の線維輪についた傷が残って起こる『変形性腰椎症』です。これらの病気の原因は、もちろん加齢もありますが、ぎっくり腰と同様、やはり腰に負担がかかる悪い姿勢=前かがみの姿勢を続けることが大きいです。ぎっくり腰は時間の経過とともに治癒されますが、このような病気になってしまうと改善しづらくなるので、ふだんから姿勢に気をつけ、こまめに“壁ドン”ストレッチを習慣にして予防しましょう」
 
さらに、腰痛には、腰の病気のほかに、内臓の病気が潜んでいることもあるから注意が必要。
 
「腎臓や尿管など背中側にある臓器の病気があると、その影響で腰痛が起きやすいですし、女性は子宮の疾患のサインである場合も。アラフィー世代は、このような内臓の病気に気をくばるべき世代。腰痛以外にほかの症状があったり、痛みが長引くようなら、一度、病院で相談を」

アラフィー以降になりやすい、腰の病気

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰痛だけでなく、脚に痛みやしびれが起こることも

腰椎の髄核(ずいかく)のずれがすすみ、椎間板(ついかんばん)や線維輪に亀裂が入って飛び出してしまうのが椎間板ヘルニア。神経を圧迫すると、脚に痛みやしびれが起こることも。圧迫がすすむと、脚が動かしにくくなったり、尿が出にくくなることもある。

変形性腰椎症

変形性腰椎症

腰椎に骨棘ができたり、変形することで痛みが発生

加齢によって腰椎に骨棘(こつきょく)と呼ぶ骨の棘(とげ)ができたり、腰椎が変形したりして腰痛が生じる病気。変形が進行すると脊柱管狭窄症になることも。症状が重いと、脚に痛みやしびれが起きたり、長く歩けなくなったりすることもある。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管が狭くなり、腰痛や脚の痛み・しびれが起こる

腰椎の脊柱管(神経が通るトンネル)が骨や関節の変形などによって狭くなり、神経が圧迫されて脚に痛みやしびれが起きる病気。歩くと痛み、長く歩けなくなることも多い。重症になると排尿・排便障害などが起こることも。

50歳以降の腰痛は、内臓の疾患のサインのことも

腰痛以外の特徴的な症状がないかをチェックして。更年期の場合もあり

「姿勢の改善を心がけても腰痛が改善しないなら右記のような内臓の病気の疑いも。腎臓の病気なら血尿を伴ったり、婦人科系の病気なら過多月経などほかの症状もあることが多いので見極めを。また、更年期になると痛みに過敏になり腰痛を感じやすくなることもあります」

考えられる病気は?

・尿管結石

・腎盂腎炎

・子宮がん

・子宮内膜症

・子宮筋腫

・骨粗鬆症 など

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