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脚のむくみが気になる、ヒップラインもなんとなく下がってきた……。そんな50代の下半身悩みは、“巡りの低下”や筋力不足が原因かもしれません。足をフルフル揺らして巡りを促す簡単ケア、大臀筋の筋膜リリース、リンパを流すポンプ機能を高める「筋育」まで、むくみ&たるみ対策をまとめてご紹介。
【教えていただいた方】
リンパケアマスター・薬剤師。LHJ(Life &Health Joy)代表。薬剤師として勤務するかたわら、リンパケアのインストラクターに。体に負担がなく、効果的な美容・健康法であるリンパケアの普及に取り組んでいる。テレビ、ラジオ、講演などで活躍。
下半身のむくみ&たるみ解消法
股関節の可動域を取り戻して、垂れ尻とむくみ脚を克服
ヒップの下垂が加速化した、長年の足・脚のむくみに悩まされている、または腰痛や膝痛を抱えている…。40歳を過ぎた頃から、そんな悩みが増えてきます。
「これもリンパの流れが滞る原因をそのままにしている結果だといえます。
全身に張り巡らされているリンパの働きは、老廃物を集めて運ぶ下水道に似ています。そのリンパ管が集まるリンパ節は、外部からの細菌やウィルスなどの病原体や老廃物を浄化する浄水場のような役割を果たしています。
このリンパには、血液の流れを促す心臓のようなポンプ機能がなく、末端の毛細リンパは自動的には流れてはくれません※。それを担うのが筋肉の動きです。
※太いリンパ管は平滑筋の収縮で微弱ですが自動的に流れます。
よく『リンパを流す』という言い方をしますが、リンパは本来、日常生活で体を動かしてさえいれば、自然に流れるものです※。ですから、リンパの流れをスムーズにするには、『リンパが流れる体を取り戻す』ことが重要です」(木村友泉さん)
※例外として、がんの転移などでリンパ節を切除している場合は自然に流れないので、リンパマッサージやリンパドレナージなどの外力が必要になります。
「下半身がよくむくむという人は、股関節の可動域が狭い傾向があります。
股関節の形状は球関節で、太ももの大腿骨の丸い頭の部分(大腿骨頭)が骨盤の受け皿(寛骨臼)にはまり込む構造をしています。これにより前後左右に動き、広い可動域が確保されているのです。
ところが長時間のデスクワークなどで、股関節を動かさないでいると、脚の動きをスムーズにする滑液も出ず、太ももや骨盤まわりの筋肉や靭帯が硬くなってしまいます。特に股関節まわりには、リンパ節が集まっているので、ここが詰まるとリンパ液がスムーズに流れてくれません」
足をフルフルと揺らすことで股関節を緩めます
では、股関節を緩めるには、どのような方法が効果的なのでしょうか?
「それは片足立ちをして足先をフルフルと揺らすことです。上下に細かく揺らすことで、太ももや骨盤まわりの筋肉が緩み、その振動は大腰筋→横隔膜へと伝わります。これにより、下半身(横隔膜より下部分)を効果的に緩めることができます」
【1】
5~10㎝程度の台の上(もしくは階段)に左足で立ちます。台がない場合は床に立つのでもOK。体が安定しない場合は、椅子の背もたれや壁、階段で行う場合は手すりなどに軽く手を置いて、倒れないように体を軽く支えると安全です。
※写真の椅子のキャスターは動かないようにロックしています。
【2】
右足を足の縦幅分くらい前に出します。出した足は床から浮いた状態です。上体はそのまま真っすぐに保ち、足先を上下に細かくフルフルと揺らします。脚の骨に振動が伝わることが大切です。これを4秒ほど続けます。
【3】
続いて、右足を斜め45度くらい前に出し、同様に足先を上下に細かくフルフルと揺らします。これを4秒ほど続けます。
【4】
右足を真横に開いて、同様に足先を上下に細かくフルフルと揺らします。これを4秒ほど続けます。
【5】
右足を斜め45度くらい後ろに引き、同様に足先を上下に細かくフルフルと揺らします。これを4秒ほど続けます。
【6】
【7】
左足をひと通り行ったら、足を変えて、左足を同様にフルフルと揺らします。これを1セットとして、1日1~3セット行います。
【これはNG】
ポイントは膝とつま先が同じ方向を向いていることが大切です。膝が内側に向いて内股のようになっていたり、足先が外を向いて外股になっていると、膝を痛めてしまうので注意が必要です。
「お風呂上がりなどの一日の終わりのリラックスタイムに行うといいでしょう。下半身を緩めることで、リンパが自然に流れる体に導きます。足・脚のむくみが解消して、ヒップアップにも役立ちます」
ヒップラインを整える
筋膜も緩めないとリンパは流れない
「リンパは全身に張り巡らされていて、老廃物を集めて運ぶ下水道に似た働きをしています。このリンパ管には血液を送り出す心臓のようなポンプ機能がないため、末端の毛細リンパは自動的に流れてはくれません※。流れを担うのが筋肉の動きです。
※太いリンパ管は平滑筋の収縮で微弱ですが自動的に流れます。
よく『リンパを流す』という言い方をしますが、リンパは本来、日常生活で体を動かしてさえいれば、自然に流れるものです※。ですから、リンパの流れをスムーズにするには、『リンパが流れる体を取り戻す』ことが重要です」(木村友泉さん)
※例外として、がんの転移などでリンパ節を切除した場合は、自然に流れないのでリンパマッサージやリンパドレナージなどの外力が必要になります。
リンパが流れる体を取り戻すために、まず行いたいのが筋肉を緩めることです。
「そして筋肉と同様に、筋肉を包んでいる筋膜の癒着を外し、滑走性を上げることが大切です。
筋膜とは、筋肉をはじめ骨や内臓、血管、神経などを包んでいる薄い膜のことです。ボディスーツのように全身を覆っていて、第二の骨格とも呼ばれています。
通常、筋膜と筋肉の間には、潤滑液として働く体液がありますが、悪い姿勢を長時間続けることなどで、この潤滑液がドロドロになり、筋膜と筋肉が癒着してしまいます。こうなると、筋肉が動きにくくなり、血液やリンパの流れも悪化します。
特に、骨盤まわりの筋肉の動きが悪くなると、下肢からのリンパが滞ります。まずはこの部位の大きな筋肉である大臀筋を緩めることが大切です」
こぶしやボールでお尻上部の筋膜をリリース!
【1】
床にあお向けになり、こぶしサイズのボールをお尻上部の下にセットします。体を前後左右に動かして、ボールでお尻の筋肉をほぐします。これを10秒ほど行います。ボールがない場合は、こぶしを当てるのでもOK! 左右のお尻を同様に行います。
【POINT】
場所はお尻の膨らみが終わるあたり。ボールは芯までゴムでできている硬いラクロスボールがベスト。中が空洞のテニスボールだとへこんでしまうので効き具合がいまいちです。痛気持ちいい場所を見つけて、コロコロするのがポイントです。ラクロスボールはネットなどで購入できます。
【2】
最後に両手と両脚を上げてブラブラと揺らす「毛管体操」でリラックスします。足先や手にたまったリンパを戻してあげるような気持ちで、脱力して行うのがポイントです。5~10秒を目安に。
これはリンパケアができないときでも、毎日寝る前に習慣にするのがおすすめです。
「筋膜を緩めることで、筋肉の動きがよくなり、それによってリンパの流れもスムーズに! 足・脚のむくみが取れてスリムな脚になり、ヒップラインを整えてくれます」
初出:OurAge 2024/6/11
リンパを流すポンプ機能をアップ
筋力がないとリンパは流れない
パソコンやスマホが手放せない現在、圧倒的な運動不足を実感している人も多いのではないでしょうか?
「リンパは老廃物を集めて運ぶ下水道に似た働きをしていますが、このリンパ管には血液の流れを押し出す心臓のようなポンプ機能がありません。その働きを担うのが筋肉の動きなので、運動不足はリンパの滞りに直結します。
よく『リンパを流す』という言い方をしますが、『リンパが流れる体を取り戻す』ことが重要です」(木村友泉さん)
リンパが流れる体を取り戻すために、まず行いたいのが筋肉や関節、筋膜を緩めることです。
「緩めたあとには、リンパを押し出すポンプ役となる、筋肉を育てることが重要。私はこれを筋育と呼んでリンパケアに組み込んでいます。特に大切なのが、体を支える下半身の筋肉です。下半身というと、股関節から下の脚・足の部分だと思いがちですが、私の定義では、横隔膜から下、腹部や腰部、臀部も含みます。
ここがしっかりしていないと、体を支えられないので不安定になり、転倒のリスクが高まります。体を正しく動かせないので、リンパもスムーズに流れてはくれません」
あれもこれもやるとなると面倒になって続きませんが、最低これだけ日々の習慣にするといい運動が、椅子スクワットと四股エクササイズです。
効率よく鍛えられるエクササイズを毎日の習慣に!
このふたつのエクササイズはシンプルな動きですが、股関節を大きく動かすことで、太ももの前と後ろ、ふくらはぎといった脚部から、腹部や腰部、臀部の筋肉、骨盤底筋まで広い範囲を鍛えることができる、とても効率のいいエクササイズです。
椅子スクワット
椅子の背に手を置いて体を支え、片脚ずつ行うスクワットです。この方法だと上半身の姿勢を正しく維持しやすいので効果抜群。通常のスクワットよりも簡単にできるので、筋トレ初心者におすすめです。ぜひ1日1回の習慣にしてください。
【1】 椅子の背に軽く手を添えて立ち、背すじを真っすぐに正し、視線は前を見ます。 ※写真の椅子のキャスターは動かないようにロックしています。
【2】上半身はそのままに、両足を前後に大きく開きます。
【3】上半身をそのまま保ち、息を吐きながら、前に出した脚の膝が90度になるまでゆっくり曲げて腰を落とします。後ろの脚の膝は曲がってもかまいません。この状態で5秒キープ。
このとき、前に出した脚の太ももの前と後ろ、ふくらはぎ、後ろの脚の太ももの前、腹筋、背筋、お尻の筋肉に効いているのを感じることが大切です。
そしてゆっくり元に戻ります。これを2~3回繰り返し、反対の脚も同様に行います。これを1セットとして、左右交互に3セットを目安に。
【これはNG!】
上半身が前に傾いたり猫背では、腹部や背中の筋肉に効きません。上体はそのままで、前に出した脚を90度になるまで深く沈み込むのがポイントです。
四股エクササイズ
両足を左右に大きく開く、相撲でおなじみの四股のポーズです。これは太ももの内側と外側をはじめ、腹筋、背筋、お尻の筋肉、腟を締めるようにすることで骨盤底筋まで、下半身の筋肉をバランスよく鍛えることができます。
【1】
両足を左右に大きく開いて、足先を外側45度くらいに向けて立ちます。上半身は真っすぐ伸ばします。
【2】
ゆっくり息を吐きながら、左右の膝を曲げて、太ももが床と平行になるくらいまで腰を落とします。両ひじは両膝のあたりに置いて、顔は前に向けます。このとき、上体は前に傾きますが、背すじは真っすぐに伸ばしたまま、膝と足先が同じ方向に向いていることが大切です。この状態で息を止めずに10秒キープして、ゆっくり元に戻ります。【1】→【2】を3回繰り返します。
これを最低でも1日1回。座り仕事で脚・足がだるくなったとき、夜のリラックスタイムなどに行って、こまめに下半身のむくみをリセットするようにしましょう。
初出:OurAge 2024/6/17