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秋の京都を訪れるなら、観光や食だけでなく、ホテルで過ごす時間も旅の楽しみにしたいもの。自然に囲まれた隠れ家のようなホテルから、京都の文化や街の空気を感じられるラグジュアリーホテルまで、今、注目したい4軒をピックアップ。大人の京都旅を心地よく彩ってくれる、とっておきのホテルをご紹介します。
※本記事の内容は、取材時点の情報になります。最新情報につきましては、直接各施設までお問い合わせください
アマン京都
アマン京都にオープンした数寄屋建築の茶室「仙窟」
裏千家十六代家元・坐忘斎千宗室宗匠より名付けられた茶室「仙窟」は、伝統的な四畳桝床の小間、露地庭と深池を望む椅子式の立礼、そして2つの茶室を繋ぐ水屋で構成。ゲストは本格的な茶の湯をはじめ、日本画家とのアートセッションや季節の和菓子づくりなど、さまざまな体験を楽しむことができる。
にじり口から入ると、広がるのは深く静かな世界。季節を告げる床の間の掛物や草花、釜から立ちのぼる湯気、畳に漂う草の香り、障子越しに揺れるやわらかな光と影。ここでしか味わえない時間は唯一無二。
緑に囲まれた椅子席の茶室は伝統を継承しつつアマン京都の建築と調和するデザイン。壁一面の窓からは、露地庭と深池を望み、現代的な快適さを融合。靴のまま利用可能なため、国内外のゲストが茶の湯の文化をより身近に感じることができるのが嬉しい。
設計は、裏千家今日庵をはじめ国内外で数々の茶室を手掛ける仙アートスタヂオ、施工は数寄屋建築の名匠・中村外二工務店が担当。北山杉や鷹峯の土を用いた土壁など、厳選された素材を用い、光と影、風のそよぎさえも美の一部として映し出す、粋な数寄屋建築も見どころのひとつ。
宿泊のゲスト専用ではあるものの、2026年よりビジターへ向けても季節ごとの茶会を開催予定。山深くに佇む、別世界の隠れ家のような茶室「仙窟」で一期一会の体験を!
webエクラ2025年11月公開記事
▶︎アマン京都より
バンヤンツリー・東山 京都
世界各地にラグジュアリーなホテルやリゾートを展開するバンヤン・グループが2024年8月20日、日本初のバンヤンツリーを京都・東山に開業。清水寺に近い高台にたたずみ、背後に自然を控えた隠れ家的なホテルは、日本の伝統文化に敬意を表した凛とした建築デザイン。館内は、天然木の美しさがきわだつコンテンポラリーな日本旅館といった趣(おもむき)で、敷地内には天然温泉の源泉があり、露天風呂を備える大浴場のほか、8つの客室では温泉も楽しめる。建築の監修には隈研吾氏を迎え、氏ならではの独特なスタイルの能舞台も設置されている。ホリスティックな施術に定評があるバンヤンツリー・スパも楽しみ。
ホテルの機能性と日本旅館の美意識やくつろぎを備えた客室デザイン。床は畳材
「バンヤンONSENリトリート」の客室では、ヒバ材のバスタブにつかりながら、日本庭園を眺められる
割烹料理「りょうぜん」では、夕食と朝食を提供
スパには温泉とスチームサウナを備えた贅沢なトリートメントルームが。プロダクトも自然派
竹林を背後にたたずむ能舞台は、人間界と自然界をつなぐ場のよう。建築コンセプトは「幽玄」
取材・原文/坪田三千代 ※エクラ2024年11月号掲載
シックスセンシズ京都
木のぬくもりが心地よい開放感あふれるロビー。館内のデザインは、世界で注目される「BLINK Design Group」が担当
自然環境の保護と地域との共生をコンセプトに、ウェルネスとサステナビリティに対する積極的な取り組みを行い、自然派ラグジュアリーリゾートの先駆者として高く評価されている「シックスセンシズ」。’95年のブランド創設以来、その上質なエコスタイル、心のこもったフレンドリーなおもてなしが多くの客を魅了。現在、21カ国で26軒のホテルを運営し、40を超える開発プロジェクトも進行中だ。
そんなホテルブランドが、ついに日本初上陸。京都の歴史ある東山に開業した。館内は、平安時代の“雅”をテーマとし、『源氏物語』の世界観や高山寺に伝わる国宝絵巻『鳥獣戯画』に描かれた小動物などがちりばめられ、リラックスできる。持続可能な取り組みを知る「アースラボ」や天然素材の材料を用いた手作り体験をする「アルケミーバー」、日本伝統暦・二十四節気を伝える食、人のぬくもりとハイテクを見事に融合した世界基準のスパなど、ここでは、常に土地の新たな魅力に出会え、よりよく生きるためのヒントも得られる。これまでとはひと味違った、豊かな京都滞在を約束してくれる。
薬問屋をイメージしたカウンターが印象的なバー「ナイン・テイルズ」。
シックスセンシズでの滞在では欠かせないスパ体験。
撮影/高見尊裕 取材・原文/板倉由未子 ※エクラ2024年6月号掲載
デュシタニ京都
エントランスからロビーに足を踏み入れると、エキゾチックな香りに包まれて気分がふっと上がる。京都・西本願寺の門前町にある『デュシタニ京都』。デュシタニとは、タイを拠点に世界16カ国に6つのブランドを展開するデュシット・インターナショナルの中でも最高峰に位置する名門ホテルブランド。タイ語では「天国の街」を意味する。
スパ&ウェルネスの先進国タイらしくグループ全体でウェルネス滞在に力を入れており、『デュシタニ京都』内にある「デバラナ」スパにも、充実した施設と施術が備わっている。タイ伝統のヒーリング療法と現代のウェルネスの概念を融合させたスパでは、オイルやハーブボール、ホットストーンを用いるトリートメントはもちろん、タイ古式マッサージ、瞑想、指圧、プライベートヨガまでメニューはとても豊富。いつもは忙しい京都旅でも、半日、ゆったりウェルネス時間に当ててみるのも大人の通な選択だ。
レストラン「Ayatana」では、現在進行形の新しいタイ料理を堪能できる。伝統に革新性が加わり、日本の食材やフレーバーをプラスしたおいしさは、何度かタイを訪れた人こそ感動するはず。ロビーや館内を歩くと、精緻で直線的な日本の意匠に、タイのたおやかな曲線が美しく融け合っているのに気づく。仏教国タイと寺社が多い京都とは、慈悲やもてなしの心など共通点が多いのかも、などと思いをめぐらせるのもおもしろい。
「デバラナ」スパでは、トリートメントを受ける外来ゲストも屋内プールを利用できる。泳ぐというよりはリラックスに向いたプール。京都旅の“締め”に、半日過ごすのもいい。
地下1階にあるデバラナ スパのレセプション。トリートメント前のカウンセリングは半個室で、プライバシーを保ちながら行われる。デバラナとは、タイ語で「天国の庭」といった意味。
13mの屋内プールには、ジェット水流で肩や全身をほぐせるコーナーもある。
床の間を独自のシンプルデザインで表現した「ティーサロン」。
ぜひ足を向けたいモダンタイ料理の「Ayatana」。バンコクのレストラン『Bo.Lan(ボー・ラン)』の元シェフだったボー・ソンヴィサヴァさんとディラン・ジョーンズさんが監修。
ロビーの奥にあるオリジナル製品を販売するギフトショップ。タイの脚つき盆「パーン」をモチーフにした空間デザイン。
天井から吊り下げられた布アートは、西陣織で製作されている。
撮影/金子美由紀(ナカサアンドパートナーズ) 伊藤 信 取材・原文/坪田三千代 ※エクラ2024年5月号掲載