【次の会食に予約したい店】東京の日本料理店、職人の技が光る名店5選

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旬の食材を生かした繊細な料理や、職人の技が光る一皿。日本料理には、ゆっくりと食事を楽しみたい大人の心を満たしてくれる魅力があります。次の会食の候補に覚えておきたい、東京の日本料理店から、個性豊かな5軒を厳選してご紹介。

※本記事の内容は、取材時点の情報になります。最新情報につきましては、直接各店までお問い合わせください

乃木坂しん

美食通の外資系銀行勤務 西山貴美子さんが『乃木坂しん』を紹介。

接客、ワイン、料理。心地よく過ごせる和の世界
食の知識から経験値まで、一流の料理人たちが敬意をもって「いったい、何者なのか」と噂する西山貴美子さん。個人のSNSで情報発信をほぼしないので、指南役として登場いただいたエクラの鮨特集は大反響。数多くの名店で愛されるソワニエだ。

西山さんが会食の店として信頼を寄せるのが『乃木坂しん』。銀座の名店で修業をともにした料理長の石田伸二さん、ソムリエの飛田泰秀さんのタッグは、開業時から変わらず多くの食通が支持。’23年には店内を一新した。

「フレンチのグランメゾンでの経験もある飛田さんの接客は“一流”そのものです。実直な和食やくつろげる充実した個室など、どなたをご案内しても安心です」

ワインから日本酒までお酒も大好き、かつ造詣も深い西山さん。「ブルゴーニュの飲みごろをボトルでお願いし、スポットでグラスの赤ワインや日本酒をいただきます。マニュアルに頼らない飛田さんの提案には、毎回感動が!」と絶賛する。違う形態だが、和食には珍しい土曜日のランチ営業があるのも使い勝手がいいという。味にうるさい年配のかたにも海外のエグゼクティブにも喜ばれるはずだ。

「現代の数寄屋」を掲げ改装した店内。

「現代の数寄屋」を掲げ改装した店内。パリに拠点をもつ建築設計事務所「Atelier ÈS」が設計

例えば春のお造りには、しょうゆの風味に合わせて酸の効いたブルゴーニュのロゼという提案も。「八寸には抽出が強すぎないオレンジがいい」と、飛田さん。この日はアルザス、混醸の一本を用意

例えば春のお造りには、しょうゆの風味に合わせて酸の効いたブルゴーニュのロゼという提案も。「八寸には抽出が強すぎないオレンジがいい」と、飛田さん。この日はアルザス、混醸の一本を用意

6名用の個室。絨毯敷きの床が心地よい

6名用の個室。絨毯敷きの床が心地よい

飛田さん。「エントランスからすぐダイニングではなく、贅沢な導線、余白があるのもうれしい」と西山さん推しの一角

飛田さん。「エントランスからすぐダイニングではなく、贅沢な導線、余白があるのもうれしい」と西山さん推しの一角

改装時に新設された2名用のプライベートカウンターは、「秘密めいたアプローチも楽しい」(西山さん)。石田料理長自らサーブも

改装時に新設された2名用のプライベートカウンターは、「秘密めいたアプローチも楽しい」(西山さん)。石田料理長自らサーブも

Data

東京都港区赤坂8の11の19エクレール乃木坂1F
☎03・6721・0086
17:30~23:00
定休日 日曜(不定休あり)
カウンター6席+プライベートカウンター2席(個室仕様)、個室2室(4~12名まで対応可)

photography : Jun Hasegawa text : Kei Sasaki ※エクラ2025年5月号掲載

日本料理 炎水

柴田陽子事務所代表 柴田陽子さんが『日本料理 炎水』を紹介。

一番だしを味わうお椀。蒸し鮑とともに。

「奥井海生堂」極上の熟成「蔵囲い昆布」を水だしにし、目の前で削る「坂井商店」の「本枯本節」を加えて引く一番だしを味わうお椀。蒸し鮑とともに。

すべてが高水準。安心して時をゆだねられる
炎は“炭火”、水は“出汁”を表す。日本料理の根幹、本質をなす言葉を名に掲げて店を開いたのは、東京の和食の三ツ星で腕を磨いた伊藤龍亮さんだ。開業から5年の店だが、季節ごとに足を運ぶ食通は多い。柴田陽子さんもそのひとり。
「食通の友人が毎月通っていると聞いて、おじゃましたのが始まり。季節ごとにうかがうようになって3年のお付き合いです」

会食を含め、週に5日は外食を楽しむという柴田さん。店選びの基準は、「素材をシンプルに楽しませてくれる料理と、気持ちのよいサービスがそろう」ことだと話す。エグゼクティブをおもてなしする機会も多く、採点は決して甘くないが、『日本料理 炎水』は、安心してすべてをゆだねられる一軒なのだとか。
「料理はもちろん、しつらえ、接客すべてに安心感がある。どなたをお連れしても、必ず感動を持ち帰っていただけます」

柴田さん自身が「毎回、感動する」と話すのは、削りたてのかつお節からだしを引くパフォーマンス。
「所作は美しく、味わいは一点の曇りもなく。食の贅沢が、凝縮されています」

カウンター。9〜10月の改装期間を経て、しつ らえは一新される予定だ

カウンター。9〜10月の改装期間を経て、しつらえは一新される予定だ

料理人の技で削り出される美しい削り節。

とびきりの本枯本節、手入れの行き届いたかんな、素材を知りつくした料理人の技で削り出される美しい削り節。目の前で黄金色のだしに

個室は改装後、カウンターを備える

個室は改装後、カウンターを備える

Data

東京都目黒区中目黒1の5の12 ATRIO1F

☎03・5860・7530
17:00~19:40最終入店(21:40LO)

不定休

カウンター8席、個室1室、6名まで対応可

photography:Jun Hasegawa text:Kei Sasaki ※エクラ2025年10月号掲載

百薬 by 徳山鮓

医食同源を土台に、発酵を大切にした料亭誕生
フーディーズや料理人が足繁く通う滋賀の名店『徳山鮓』。その徳山浩明料理長が監修した、料亭が東京に誕生して早くも話題に。場所は、再生医療と伝統医学に日本の食文化を融合した複合施設「THE HUNDRED ロンジェビティハウス」。厨房を預かるのは名店『いち太』などで研鑽を積んだ佐藤均料理長。フレンチの経験も重ねた引き出しの多さが、料理の深みにつながっている。例えば、『徳山鮓』のスペシャリテ「鮒鮓」を佐藤流にアレンジ。すべての部位をペーストに。時期に合わせて作る鹿や熊のコンソメのジュレと発酵レモンや貴重な日本みつばちのハチミツを合わせて、まろやかで上品な味わいに。佐藤料理長、実は食材ハンター。10年かけて全国をまわり、出会った生産者たちとの信頼関係がなによりの宝という。「料理は食材がすべて。調味料は最低限にし、食材の味を引き出すのが私の仕事」。11品ほどの料理は季節感にあふれ、食材の力強さに圧倒される。料理長はまだ31歳。伸びしろを楽しむために、通い続ける価値のある一軒だ。

百薬 by 徳山鮓
百薬 by 徳山鮓

シンプルモダンな和の雰囲気。料理のライブ感を味わえるカウンターに、個室もあるので接待や集まりに

食材の話になると止まらない佐藤均料理長

食材の話になると止まらない佐藤均料理長

Data
東京都中央区銀座4の4の2松屋銀座通り 安田ビル9F
☎03・5579・9760
17:30〜20:30(最終入店)
定休日 日曜(不定休あり)

photo by Masahiro Goda text by Mika Kitamura ※エクラ2025年4月号掲載

天冨良 いわ井

ワイン輸入商「ラシーヌ」の共同代表、合田泰子さんが、海外からのゲストをアテンドする際、頼みにするという『天冨良 いわ井』を紹介。

来日する生産者にも評判、日本の食文化を味わう一軒
奇をてらわず、旬の上質な食材のうま味を昇華させる天ぷらで、味を知る大人に支持される『天冨良 いわ井』。しつらえや器使いにまで、主の岩井義郎さんの美意識が貫かれた名店だ。

ワイン輸入商「ラシーヌ」の共同代表、合田泰子(ごうだやすこ)さんも、20年来『いわ井』に通うひとり。とりわけ、海外から来日する生産者を東京でアテンドする際、頼みにする一軒なのだという。
「有元利夫さんの作品が彩る上質な和の空間は、海外のかたがたをお連れすると必ず喜んでいただけます」と、合田さん。「お料理は、天ぷらはもちろんのこと、旬菜の白あえやマグロのヅケなど、間にお出しくださる小鉢もおいしく、中里隆さんの器が料理を引き立てます」

岩井さんと中里さんの交流も長年にわたり、器の愛好家の間で貴重な作品に触れられる店としてもひそかに知られている。「管理の行き届いたワインセラーがあり、美しい紬のお着物を召された奥さまの接客も、心に残るもの。ワインとともに、和の食文化の極みを体験していただけます」

大分産、天然の車エビ

大分産、天然の車エビ

開業時から提供する本マグロのヅケ

開業時から提供する本マグロのヅケ。ねっとりと濃厚で、ワインを呼ぶ。井銅心平さんの器で

有元利夫さんの作品

岩井さんが修業時代、銀座の画廊で出会った有元利夫さんの作品。カウンターをはじめ、店内数カ所に飾られている

造り付けのセラー

以前は市販のセラーを使用していたが、移転を機に造り付けのセラーを新設。岩井さんご夫妻はブルゴーニュ、シャンパーニュ好き

岩井さんと奥さま

銀座の有名店で17年にわたり修業し、’98年に開業した岩井さん。おもてなしは奥さまとの二人三脚で

DATA

東京都中央区銀座7の4の5銀座745ビル6F

☎03・3571・5252 

18:00~22:00(20:00最終入店)

前日までの予約で昼も営業(水〜土曜)

定休日:日・月曜

カウンター8席 完全予約制

撮影/長谷川潤 取材・文/佐々木ケイ ※エクラ2025年12月号掲載

氣分

フランス人シェフが創るガストロノミーの新しい世界
国籍やジャンル分けが意味をなさない料理が多くなってきたが、ここ『氣分』の料理は、それらと一線を画す。フランス人シェフ、ユーゴ・ペレ=ガリックス氏は15歳で料理の道に入り、24歳で来日。京都「菊乃井本店」で2年間、和食をみっちり学び、その合間に京都の鮮魚店で魚の活け締めとさばき方も習得。そんな経歴を知れば、写真の棒寿司やお椀にも納得する。ひと皿にフランスと日本の料理のエッセンスをのせるのではなく、コースの前半を和食、後半はフレンチという流れに。しかも自然に和食からフレンチへ移っていく。例えば、「菊乃井」では八寸に必ず登場する棒寿司を自分流に解釈。鯖をはじめイワシや鯛も使い、前半に必ず季節の味として出す。お椀はあえて昆布とかつお節のだしに頼らず、夏はアーティチョークのだしに葛でとろみをつけ、酒蒸しにした蛤を。後半はフレンチらしいソース使いでクライマックスのメインディッシュへ。毎朝、豊洲に通い、流暢な日本語で魚介を仕入れる。一番好きな素材は鱧だとか。夏の棒寿司には鱧を使う。ほんのり温かいできたては格別だ。

奈良檜の一枚板のカウンターと大きなテーブルが

奈良檜の一枚板のカウンターと大きなテーブルが

アーティチョークと蛤のお椀。

アーティチョークと蛤のお椀。和食の料理人へのリスペクトもあり、正統派のだしは引かない。アーティチョークのだしに蛤は加えず、あえて酒蒸しにした蛤を椀種にすることで、蛤の味をきわだたせている

ユーゴ・ペレ=ガリックス氏は銀座「エスキス」の料理長を経て、『氣分』料理長に

ユーゴ・ペレ=ガリックス氏は銀座「エスキス」の料理長を経て、『氣分』料理長に

『氣分』

Data

東京都港区西麻布4の11の28 2F
☎03・6433・5063 19:00~
定休日 日曜(不定休あり)
完全予約制

photography:Masahiro Goda text:Mika Kitamura ※エクラ2025年9月号掲載

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