【冬の京都】ふだんは見られない、冬の寺院の“特別公開”

歴史的文化財が多い京都だが、通常公開されているのはその一部。今季の特別公開は’24年の大河ドラマや辰年にちなみ選定された寺院15カ所。秘められた美に出会える機会。

冬の寺院の特別公開(全15カ所の一覧)

東寺 五重塔

正しくは教王護国寺という、真言宗の総本山。寺の象徴である五重塔は国宝で、日本一高い木造の塔。特別公開時には初層の内部に入ることができ、金堂・講堂もあわせて拝観できる。

東寺 五重塔

高さ約55メートルの東寺・五重塔の初層内部。極彩色の文様で埋めつくされ、大日如来に見立てた心柱を見守るように四仏を安置している

醍醐寺 霊宝館

真言宗醍醐派の総本山で世界遺産。2018年に初めて一般公開された、蓮のつぼみの形をした水晶の中で輝く金色の木造阿弥陀如来像を展示。貴重な密教美術に触れられる。

西本願寺 飛雲閣(外観)

国宝、重要文化財を多く有する西本願寺。桃山時代の豪壮華麗な造りの書院は、造作や意匠を凝らした広間や部屋、能舞台など見どころが多く、名閣の飛雲閣と庭園も拝観できる。

大徳寺 法堂・仏殿/龍源院

臨済宗大徳寺派大本山で、戦国武将ゆかりの禅刹でもあり、茶の湯文化と縁が深い大徳寺。法堂の「鳴き龍」、仏殿の天井画、4つの庭をもつ塔たっちゅう)・龍源院では開祖堂を一挙公開。

大徳寺の塔頭寺院のひとつ、 龍源院

大徳寺の塔頭寺院のひとつ、龍源院。方丈の中心の間の右面の襖に描かれた龍の襖絵。昭和初期に建てられた開祖堂の龍の図も公開される

仁和寺 金堂(裏堂)

宇多天皇が造営した格式ある名刹。桃山時代の御所の紫宸殿(しんでん)を移築した金堂の「五大明王壁画」が5年ぶりに公開される。2018年秋まで370年以上非公開だった極彩色の壁画。

渉成園(枳殻邸・きこくてい) 園林堂(おんりんどう)

東本願寺の別邸で、この付近に光源氏のモデルのひとりといわれる嵯峨天皇の皇子、源融(みなもとのとおる)邸宅があったとされる。庭園には茶室や書院が点在し、通常非公開の持仏堂、園林堂を公開。

泉涌寺(せんにゅうじ) 舎利殿/雲龍院

皇室の菩提寺として名高いお寺。「鳴き龍」で知られる舎利殿の天井画「雲龍図」は辰年記念の公開。雲龍院では襖絵「双龍風雷図」をはじめ、龍にゆかりのある寺宝も展示される。

廬山寺

紫式部の邸宅跡で『源氏物語』を執筆した場所とされる。疫病を退散させたと伝わる元三大師の像が安置されている元三大師堂を特別公開し、源氏物語にまつわる寺宝も披露される。

相国寺 法堂(はっとう)・方丈/光源院/慈雲院

現存する日本最古の法堂と方丈をあわせて公開。十二支の襖絵のある塔頭・光源院と、伊藤若冲が師と仰いだ大典禅師ゆかりの塔頭・慈雲院も貴重な公開となる。

相国寺の法堂内の、狩野永徳の子・光信 筆の天井画「蟠龍図」。

相国寺の法堂内の、狩野永徳の子・光信筆の天井画「蟠龍図」。堂内で手を打つと反響音がし、龍の鳴き声のように聞こえることから「鳴き龍」といわれる

僧侶が案内する特別拝観

西本願寺 書院・飛雲閣(外観)

世界遺産に登録されている寺院。国宝、重要文化財ずくめの書院内を僧侶の案内で法話とともに特別拝観。華麗なる桃山文化を代表する国宝、重要文化財の建造物をより深く体感できる。※完全予約制(インターネットから)

東本願寺 諸殿

壮大な伽藍を構える真宗大谷派の本山。境内に現存する最古の建物の大寝殿、来客の接待などで使用される白書院を僧侶の案内で特別拝観でき、竹内栖(せいほう)らの近代京都画壇の作品にも出会える。※完全予約制(インターネットから)

Data

「紫式部と源氏物語」「辰年のご利益 京の龍めぐり」をテーマに、初公開の文化財を含む15カ所での特別公開
■公開期間 2024年1月6日~ 3月18日(期間内の拝観休止日は寺院により異なる)

■公開時間 10:00~16:30(16:00受付終了)
■料金 1カ所 大人(中学生以上)¥800

各寺院により拝観休止日、公開時間、料金が異なる場合があるので、事前にHPなどで確認を。

京都市観光協会(DMO KYOTO)「 京の冬の旅」 https://ja.kyoto.travel/specialopening/winter/

(11/16 〜公開予定) 問「京の冬の旅」コールセンター

☎︎075・585・5181(11月中旬〜’24年3/18の9:00〜17:00 ㊡12/29~’24年1/3)

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