【パリクリエイターたちのインテリア】こだわりは“ブルーのミッドセンチュリー家具”

クリエイターたちにとって、住まいはいわば作品であり、想像力を培う場所でもある。パリ左岸に住むデザイナー、マリーエレーヌ・ドゥ・タイヤックの家をたずねて、クリエイションとライフスタイルの本質を探った。今回は、ブルーのインテリアが美しいメディアルーム、キッチンを紹介。

気分を上げてくれるのは、ブルーのミッドセンチュリー家具

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ブルーが印象的な“メディアルーム”。壁にかけた写真はヴァンサンのコレクションより、現代アート作家のパトリック・トザニの作。3人がけのソファはイタリアのトビア・スカルパによる’60年代の「バスチアノ・ソファ」。花のような照明はオリヴィエ・ムルグ

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彫金装飾が見事な19世紀のものからアールデコ様式の数点までティーポット、そしてトレイも含め、シルバーウエアはすべてドゥ・タイヤック家に代々伝わる宝物。

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自作の一点もののオブジェ、オクタゴン・ボードゲーム。ロッククリスタルのボードにピンククォーツ、グリーンアガット、アメシスト、カルセドニーなど

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ミッドセンチュリー色の濃いキッチン。窓ぎわのピエール・ポランの「ABCDソファ」とヴィンテージのテーブルと椅子は、いずれももともとマリーエレーヌが持っていたもの。壁にかけた絵はヴァンサンのコレクションから、スイスの画家ユルグ・クレイエンビュールによる作品
 

リビングとダイニングの廊下をはさんで反対側には、色を統一したスペースがある。マリーエレーヌが“メディアルーム”と呼ぶ、映画を見たり本を読んだりする部屋とキッチンだ。中庭に面したこの2部屋には日があまり入らないものの、サファイアのごとく鮮やかなブルーが気分を上げてくれる。

メディアルームでグラフィック感を主張するのは、ジャイプールから運んだカーペット。1年の分3の1を過ごすインドでは、あらゆるものをパーソナライズして注文できるのがおもしろい、と彼女はいう。さらにモダンデザインの巨匠、ピエール・ポランによる椅子に合わせ、ソファの生地とウィリー・リッツォによる鏡のテーブルの表面も、ブルーで統一。いずれもミッドセンチュリーのものだ。

キッチンではトメットと呼ばれる素朴なタイルの床に、ピエール・ポランの「ABCDソファ」、クリニャンクールののみの市で見つけたテーブル&椅子などのヴィンテージの家具が、絶妙なコントラストを成している。

Marie-Hélène de Taillac(マリーエレーヌ・ドゥ・タイヤック)

Marie-Hélène de Taillac(マリーエレーヌ・ドゥ・タイヤック)

マリーエレーヌ ドゥ タイヤック デザイナー。父の仕事の関係で幼少期を中東とパリで過ごす。17歳でロンドンに渡りモード界でさまざまな経験を積む。その後旅先のインド・ジャイプールでジェムストーンに魅了され、移住。’96年に自身の名を冠したジュエリーのブランドをスタート。
Marie-Hélène de Taillac
Marie-Hélène de Taillac

Marie-Hélène de Taillac(マリーエレーヌ ドゥ タイヤック)
8, rue de Tournon 75006 Paris
11時〜19時
休日、月
tel 01 44 27 07 07. M Odéon
https://mariehelenedetaillac.com

2004年にパリにオープンした「マリーエレーヌ ドゥ タイヤック」の旗艦店は、ポップなディスプレーを配したショーウインドウで、すぐにそれとわかる。ウインドウ越しに見えるのは、トレードマークの薄いブルーの壁に赤のロゴ、同じく赤のソファーと、天井から吊るされたシルバーのボールランプ。イギリスのプロダクトデザイナー、トム・ディクソンによる内装だ。ここに揃うのは、ピュアなデザインによりジェムストーンの本来の色と輝きを昇華させたジュエリーの一連。“石を自由にする”という彼女のコンセプトは、すべてのピースに生きている。

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