伝統の鮨文化を継承しつつ新しいスタイルを貫く鮨『みつい』【50代 新しいグルメ】

銀座の名店「青空」で修業を積んだ三井 祥さんが店主を務める鮨店「みつい」が、2025年5月に麻布十番にオープン。店主が握りに合わせて提供する日本酒との絶妙なペアリングも堪能できる。

『みつい』

新しい風を感じる魅惑の鮨店が麻布十番に誕生した。店主の三井祥さんは、銀座のミシュラン三ツ星店「青空」で技を磨き、西麻布「鮨祥」で腕をふるった気鋭の鮨職人。5歳から始めた釣りにのめり込み、魚好きに。魚を身近に感じたいと、鮨職人になった。その知見を生かし、魚の目利きはもちろん、同じ魚でも個々の個性を見極めて仕事をする。写真のいかのにぎりは、神経締めの名人、長谷川大樹さんから送ってもらうあおりいかの皮をむかず、包丁を繊細に入れている。むっちりねっとりした口当たりと独特の甘味は口の中ではらりとほどける酢めしと見事に合わさる。酢めしは1種類だが、ネタによって温度とサイズ、わさびの量を変えている。つまみ5〜6品、にぎり12貫ほどのコースに、お酒好きならペアリングを。カウンター前に鎮座する羽釜で50〜60℃に温める"蒸し燗"は日本酒のもつポテンシャルを最大限に引き出して、日本酒愛好者をうならせる。鮨を支える食材を求めて産地へ、器なら作家を訪ね、お酒は蔵へ直接赴いて研究を重ねる。日々の研鑽がお店の世界観を広げ、それを楽しみに通うゲストが増殖中だ。

「あおりいかの握り」は名刺がわりの1貫目に

「あおりいかの握り」は名刺がわりの1貫目に

左から 「鰹、鯵、鯨」。かつおはおなかの軟らかい部分を二枚漬け。 鯨は、「青空」で師匠の鯨の酒肴を食べて感動し、「日本古来 の食文化のおいしさを伝えていきたい」と自分の店ではにぎ りの定番に。味の締まった尾の身だけを使う 

左から「鰹、鯵、鯨」。かつおはおなかの軟らかい部分を二枚漬け。鯨は、「青空」で師匠の鯨の酒肴を食べて感動し、「日本古来の食文化のおいしさを伝えていきたい」と自分の店ではにぎりの定番に。味の締まった尾の身だけを使う

店主との距 離が近い白木の変形カウンター。竹と杉を用いた低めの網代 天井など、親密感が生まれる設計

店主との距離が近い白木の変形カウンター。竹と杉を用いた低めの網代天井など、親密感が生まれる設計

女将の美紀さんの出 身地である沖縄の酒器などもそろい、お酒選びにとても力を 入れている

女将の美紀さんの出身地である沖縄の酒器などもそろい、お酒選びにとても力を入れている

左は炭火であぶった「のどぐろ、万願寺唐辛子」。 実山椒醤油で。右は「穴子のちり酢おろし」。

左は炭火で炙(あぶ)った「のどぐろ、万願寺唐辛子」。実山椒醤油で。右は「穴子のちり酢おろし」。炭火で焼いた香ばしい穴子とたたいたねぎ、自家製ぽん酢。お酒がすすむ

"魚愛"にあふれた三井祥 さん。「当日、食材を見て、 その場で料理を考えてお出 しすることも」

“魚愛”にあふれた三井祥さん。「当日、食材を見て、その場で料理を考えてお出しすることも」

みつい

東京都港区麻布十番3の10の2 THE CITY 麻布十番LIBERTA 5F
☎03・4400・3023

17:00〜21:00(最終入店)
定休日:日曜(不定休あり)

コース¥27,500(サ別)、お酒のペアリング¥7,700(サ別)

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