でも、仮想通貨のネムが取引所から大量流出したという事件がありましたよね?
尾河先生
あれは、その取引所のセキュリティの問題。仮想通貨が登場して9年になりますが、その間、ブロックチェーン自体が攻撃されたのは1度だけで、被害額も1000万円程度です。それに、盗まれた仮想通貨がどこに流れたのか、ネット上で追跡が可能。この事件も、発行元のネム財団が、ネット上で流出したネムを追跡し、「犯人が盗んだネムを換金しにくくした」と発表しています。
編集K野
どこまでも追跡されるなら、悪用しづらいですね。
尾河先生
仮想通貨が、現金に比べてマネーロンダリングや違法決済のリスクが少ないといわれるのはそのためです。もっとも、行きついた先が「どこの、誰なのか」までは、現状ではわかりません。利用者にしてみれば、個人情報が保護されて安心ということになるのですが。いずれにしても、仮想通貨に搭載される機能はどんどん進化しているので、安全性や利便性は、さらに高まっていくことが期待されています。