札幌で研究家肌の主人がにぎる妥協なき鮨 鮨 一幸

2016年11月8日
今、地方の若手の鮨がおもしろい。名を馳せる鮨屋が数ある中、注目の店はどこか。うまい鮨+α。全国の鮨好きがこぞって訪れる、大人の女性好みのお店を厳ご紹介。
1本釣りのマグロの大トロ。青森・大間から。お店には「ネタ箱」と呼ばれるものはない。仕事をしたネタは、それぞれに適した方法で保管されている
 一歩足を踏み入れれば、凛とした空気が漂う。ここの鮨を味わうために飛行機でやってくる客が増えたという。目が離せない名店だ。お父さまの鮨店を継いだご主人は今35歳。8年ほど前から注目を浴びはじめた。2カ月先まで満席と絶好調。見た目は繊細で、“女鮨”かと思いきや、口に入れれば、魚の味がぐぐーっと力強く迫ってくる。立派な“男鮨”である。
「ネタと米の一体感を目ざしています。酢めしは、ネタの味を引き上げるためのもの。酢めしの粘りや湿度に合わせ、ネタに仕事をするんです」。実家以外で修業経験はない。東京の鮨を食べ歩き、鮨関連の本を読み、独学で技術を身につけた。漁船に乗ったり、港へ赴いたりして素材への知識も深める。
 道産の魚介への造詣は深いが、旬の素材を全国から取り寄せる。「『蝦夷前』でも『江戸前』でもありませんが、江戸前の精神は受け継いでいます」ときっぱり。職人の熱い思いが一貫一貫に宿り、多くの人々の記憶に刻まれている。
すすきのの中心街。コンクリート打ちっぱなしのモダンなビルの2階。樹齢350年の木曽檜のカウンター8席が迎えてくれる
初秋のネタ。左から厚岸のカキ、コハダ、サヨリ、鹿児島・出水の春子(カスゴ) 。味や食感に緩急をつけ、コースの流れに腐心している
  • 網走漁業協同組合から届くブランド魚「活〆釣きんき」。はえなわ漁法で釣り上げ、船上で活け締めするので、その鮮度と味に店主の工藤さんも信頼をおく
  • キンキのしゃぶしゃぶ。自家製ポン酢で。脂ののったキンキのパワフルな味を堪能
  • 厚岸のカキを高温の炭火で火を通したあと、わらで燻(いぶ)した酒肴(しゅこう)。とろりとクリーミーな食感と燻香に満ちた独創性あふれる一品 
18歳で鮨職人の道へ。市内の別の場所から3年前に移転。ご主人の仕事ぶりはカウンターから一目瞭然
  • 味を凝縮するために2日ほどおいたバフンウニ
  • 北海道・噴火湾のサヨリ。食感を大切にするため、包丁目を入れずににぎる 
  • 大トロは薄めに切り、軽快な食後感を。シャリは全体的に小さめに仕上げられている
  • 春子は、包丁目を格子に入れることで脂分が出て、米の粘りと一体になる
北海道札幌市中央区南2条西5の31の4 
☎011・200・1144
18:00〜、20:30〜の2部制 
㊡水曜、祝日 
コース¥20,000(税込・つまみ5品、にぎり12貫)
カウンター8 席、テーブル1 席 
2カ月前の1日に予約開始
AFTER SUSHI に行くなら…

バー マデューロ

オーナーバーテンダーの白野大志さんの手にかかれば、定番カクテルも驚きのおいしさに。旬のフルーツや野菜を使った「飲むエステ」と呼ぶカクテルもおすすめ。札幌の夜景を眺めながらのスペシャルな時間が待っている。
北海道札幌市中央区南4条西2の14の2
セントラルS4ビル7F
☎011・211・4467
17:00〜翌2:00
無休

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