「夕方ツライ症候群」を解決!朝~昼にやるべき3つの“イキイキ習慣”とは?

夕方になるとツバテたりやる気が出ない「夕方ツライ症候群」。脱却する第一歩は、体内リズムのズレを解消すること。そのカギとなる、良質な睡眠をとるための生活術を、医師の根来秀行先生に教えてもらった。
教えてくれたのは…
ハーバード大学 医学部PKD Center 客員教授 根来秀行先生

ハーバード大学 医学部PKD Center 客員教授 根来秀行先生

専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、最先端医療の現場で国際的に活躍中。著書に『ハーバード大学&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』(集英社)など。

体内リズムの修正は、睡眠の見直しがキモ

根来先生によると、睡眠の質を高めるのに重要なのは、睡眠ホルモンのメラトニンだという。

「自律神経を乱すような生活を続けていると、メラトニンの分泌も乱れ、夕方など変な時間に眠気を催します。また、メラトニンには高い抗酸化作用もあるので、分泌が減れば、活性酸素が増えて疲れやすくなります。まずは早起き早寝を心がけて」


メラトニンの分泌は体内時計と連動している。朝の光が目から脳に届くと、メラトニンが抑制され生体リズムのズレがリセット。同時に、自律神経を通じて全細胞が覚醒。夜にはメラトニンの分泌が再開され、自然と眠気が増してくる。

メラトニンと同時に働かせたいのが、傷んだ細胞を睡眠中に修復し、体を癒す成長ホルモン。

「成長ホルモン分泌のピークは寝入り端(ばな)の3時間。その後、目覚めるまでの間に全身の細胞に運ばれます。その効果をフルに発揮させるには7時間睡眠が必要。ただし寝だめは、体内時計が乱れ、自律神経のバランスがくずれやすくなるので逆効果です」

体内リズムが乱れると、1時間の時差を修正するのに約一日を要し、年をとるほど修正に時間がかかる。早めに手を打つのが、「夕方ツライ」脱却への早道だ。「食事や運動、呼吸など体内時計を意識して生活習慣を見直せば、夕方の疲れも心地よいものになり眠りの質もよくなります」

読者アンケートより
「夕方ツライ」人のうち約43%は睡眠の質がよくなかった!

「夕方ツライ」人のうち約43%は睡眠の質がよくなかった!

症状のない人は「まあまあ眠れる」がトップなので、相反する結果に。根来先生によると、自覚のない場合も、睡眠の質が低いケースもあるので要注意。

疲れを癒す成長ホルモンを逃さない生活リズムに!

疲れを癒す成長ホルモンを逃さない生活リズムに

朝6~7時に起きてその日のうちに眠ると、深い眠りと成長ホルモン分泌のピークが重なるので最も睡眠の効率がいい。疲れもしっかりとれるはず!
 

「夕方イキイキ」になる、朝から昼の習慣

1.起きたらすぐ、朝日を浴びる

起きたらすぐ、朝日を浴びる

「目から入った日の光が脳にある体内時計の中枢に届くとリセットされて、夜間、睡眠を促していたメラトニンに再びタイマーがかかり、15〜16時間後に分泌が始まるようにセットされます。睡眠中の成長ホルモンによる疲労回復効果が上がるよう、毎朝6〜7時には起きてすぐ朝日を浴びる習慣を。曇りや多少の雨の日でも十分効果あり」。
交感神経が高まるので、朝に熱めのシャワーを5分ほど浴びるのもおすすめ。

2.朝食は必ずとる。3食は規則正しく

朝食は必ずとる。3食は規則正しく

長い空腹状態のあとにとる朝食は細胞内の体内時計を目覚めさせるスイッチなので、少しでもおなかに入れたい。「朝日を浴びてから1時間以内にとると、一日の体内リズムが整いやすくなります。空腹時間が長いのは、体内時計がズレるもと。昼食は12時、遅くとも午後1時までに。夕食は7時を目標とし、寝る3時間前には食べ終えて」。

3.日中の適度な運動で、自律神経のパワーアップを

日中の適度な運動で、 自律神経のパワーアップを

運動不足は自律神経のトータルパワーを弱め、想像以上に心身へのダメージが大きい。「コロナうつの多くも運動不足が原因です。運動といってもハードである必要はないので、一日合計8000歩、歩くことを目ざして。ウォーキングの前に1〜2分でよいので筋トレを行うと、成長ホルモンがたっぷり分泌されます」。
 
根来先生によると、歩くこと、家事などでちょっと動くことも「運動」として重要。スポーツやワークアウトなどをしていない人も、一日の歩数が多ければ十分健康的。

ウォーキングなど で集中的に歩く前に筋トレを行うと、 毛細血管が増え、脂肪も燃焼しやす くなる

ウォーキングなどで集中的に歩く前に筋トレを行うと、毛細血管が増え、脂肪も燃焼しやすくなる。
 

【さらにこちらも!】仕事の合間に自律神経を整えるなら4・4・8呼吸法

前屈みの姿勢を長時間続けると、肩甲骨まわりがかたまり、横隔膜の動きが阻害され、呼吸が浅くなりがちに。「浅い呼吸は自律神経の機能低下につながります。この呼吸法を行うと、横隔膜にある自律神経のセンサーを刺激し、副交感神経がスムーズにUP。幸せホルモンのセロトニンも分泌されリラックスします。肩甲骨周辺のストレッチ後に行うとより効果的」

4・4・8呼吸法 ①と②

❶ラクな姿勢で椅子に座り、鼻から息を吐ききる。

❷4秒かけて鼻から息を吸う。

4・4・8呼吸法 ③と④

❸4秒息を止める。

❹8秒かけて鼻から細く長く息を吐く。おなかを絞るようなイメージで。❷〜❹を4回繰り返す。1時間〜1時間半おきに行うと、自律神経が安定し、体内リズムも整いやすい。

事前ストレッチ

*事前のストレッチ*

左右の肩先に指をのせ、肩甲骨を寄せて胸を張る。両肘で大きく円を描くように、前から後ろへ5回回す。反対も5回

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