更年期前後から実感する人多数!「膣」の4大トラブルとは?

アラフィーの腟まわりの悩みは更年期によるホルモン減少で腟が乾き、柔軟性を失うことからくるものが大多数。そんな4大「膣」トラブルとその対策を、泌尿器科専門医 関口由紀先生が詳しく解説。
泌尿器科専門医 関口由紀先生

泌尿器科専門医 関口由紀先生

女性医療クリニックLUNAグループ理事長。GSMに関する知識を日本で広める立役者。

更年期の腟の乾きと硬化を潤し、やわらげ、トラブルケア

アラフィーの腟まわりの不調は、更年期によるGSMという病気が大きな原因といわれる。

「GSMは、’14年にアメリカでの学会で初めて医学的に“治療されるべき病気”と認定されたもの。女性ホルモンの減少による腟や外陰部の乾燥や萎縮により、腟と外陰部の痛みやかゆみ、性交痛、尿漏れ、頻尿、再発性膀胱炎などが起こる病気です。GSMは実は、腟まわりの保湿とマッサージで改善できます。日本人は自分の性器をあまり触らない人が多いですが、アラフィーになったらまずこれを習慣にしましょう。ほかにエストロゲンの腟剤や、腟内をしっとりさせるモナリザタッチやインティマレーザーなどのレーザー治療など、婦人科や女性泌尿器科などでもさまざまな治療が用意されているので、あきらめず治療を。また、GSM予防には、定期的なセックスも効果的です」(関口由紀先生)

《更年期前後から実感! これが4大腟トラブル》

【ニオイ】

ニオイ

《原因》
腟内は、乳酸菌の一種であるデーデルライン桿菌(かんきん)によって弱酸性に保たれ、ほかの細菌の侵入を防いでいるが、女性ホルモンの減少や、ストレスや疲労が重なるとこの菌は減ってしまい、すると悪玉菌が増加。そこに、GSMによる腟内の乾燥も加わると、炎症を起こすことがあり、ニオイが発生しやすくなる。そのほか、腟まわりをきちんと洗っていないことや、乾燥、ムレなども原因に。

《治療》

専用のソープで腟まわりをきちんと洗って、しっかりと保湿し、清潔に保つのが必須。それでも改善しないなら、最近、腟に入れる乳酸菌や、乳酸菌のサプリメント、腟内を洗浄するアイテムなどが市販されているので利用してみても。

【かゆみ、ヒリヒリ感】

かゆみ、ヒリヒリ感

《原因》
腟まわりのかゆみやヒリヒリ感もGSMの症状のひとつ。加齢による女性ホルモンの減少で、腟内の乾燥や萎縮が進むと、カサついてかゆみが起きやすくなったり、下着のこすれなどによりヒリヒリ感が出やすくなる。それ以外では、腟まわりやアンダーヘアに汚れがたまっていることも、雑菌が増えてかゆみが出やすくなる原因に。正しく洗い正しく潤すことが、不快感解消の近道といえる。

《治療》
エストロゲンを含む腟剤を用いたり、ホルモン補充療法(HRT)を行ったりするほか、外陰部にはかゆみや炎症を抑える軟膏を用いることも。また、腟内をしっとり、ふっくらさせるモナリザタッチやインティマレーザーなどのレーザー治療も有効。

【性交痛・腟萎縮】

性交痛・腟萎縮

《原因》
アラフィーの性交痛は、ホルモン減少による腟の乾燥や萎縮が大きな原因。腟の潤いがなくなって萎縮しているため、セックスのときの挿入時やペニスを動かしたときに痛みが生じ、出血を伴う場合も。放っておくと苦痛から性的意欲が低下することもある。また、心理的な要因が原因の場合もあるほか、子宮がんなどの病気の場合もあるので、痛みがひどい場合は婦人科で検査を。

《治療》
エストロゲンを含む腟剤やホルモン補充療法(HRT)を行ったり、潤滑油の使用法の指導などを行う。そのほか、モナリザタッチや、インティマレーザーなどのレーザー治療で腟に潤いや弾力を与える方法や、骨盤底筋トレーニングも効果的。

【ゆるみ】

ゆるみ

《原因》
腟のゆるみは、加齢に伴う筋肉量の減少によって腟を囲む骨盤底筋がゆるくなるのが原因。出産経験があると特にゆるみやすいほか、便秘などでおなかに力を入れる習慣がある人もゆるみやすい。尿漏れしたり、お風呂からあがるときに腟からお湯が漏れたりするのが腟のゆるみのサイン。放っておくと将来、子宮などの骨盤内臓器が腟から出てしまう骨盤臓器脱になることも。

《治療》
骨盤底筋トレーニングが最も効果的。そのほか、ハイフ(高密度焦点式超音波)で腟内を引き締める治療や、ゆるんだ骨盤底筋を刺激して強化する磁気刺激療法、腟を縮小するレーザー・ヴァギナ・リジュビネーションという手術などの治療法がある。

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