【シャンパーニュの基礎知識】今よりもっとシャンパーニュを楽しむために

シャンパーニュが“ワインの貴婦人”と称されるのは、手間ひまかけて大切に、そして厳しく、姫君のように育てられるから。基礎知識がわかれば、シャンパーニュはもっと楽しい!

シャンパーニュとは?

シャンパーニュとは?

フランス最北部のワイン産地・シャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインのこと。使用するブドウ品種、熟成期間など醸造法が法律で厳しく決められており、これをクリアしなければ「シャンパーニュ」と名乗ることができない。熟成期間も長く、瓶詰めのあと、ノン・ヴィンテージで最低15カ月間はカーヴ(貯蔵庫)で熟成させなくてはならない(しばしば2〜3年におよぶ)。ヴィンテージで3年以上の熟成が義務づけられているが、5年から10年、あるいはそれ以上におよぶこともある。

シャンパーニュの生産者は主にこの3つ

ラベルには、シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(Comité Champagne)から交付された業態の略称(下記)と登録番号を記載することが義務づけられている。

1.NM( ネゴシアン・マニピュラン)

自社畑のブドウのほか、栽培農家から購入したブドウでシャンパーニュを造る。グラン・メゾンなどの大手が多く、バランスのよさが特徴。

2.RM( レコルタン・マニピュラン)

ブドウ栽培者兼醸造業者。自家栽培のブドウのみでシャンパーニュを造る小規模生産者。メゾンがある土地の個性が光る。

3.CM( コーペラティヴ・ド・マニピュラシオン)

協同組合。組合員が栽培したブドウからシャンパーニュを造り、組合ブランドとして発売。ブランディングを強化する組合も多い。“上質のブドウ使い放題”がメリット。

シャンパーニュの主なブドウ品種

どの品種を使うか、それも単一かブレンドかで味わいが決まる。主な品種は下記3種。ほか、アルバンヌ、プチ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ(すべて白)も使用可。

シャルドネ

白い花や柑橘の香りをもつ。酸味が美しく、しなやかで厚みのあるミネラル。白亜質土壌のコート・デ・ブラン地区は“シャルドネの聖地”と呼ばれる。

シャルドネ
©Comité Champagne

ピノ・ノワール

チェリーなど赤いベリーのアロマ。芳醇さと力強さをもたらし、コクのある味わいに。アイ村やヴェルズネイ村、ブジー村などが有名。

ピノ・ノワール
©Comité Champagne

ムニエ

果実味豊かでふっくらとした味わい。ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区やコート・デ・バール地区など。かつては補助的品種だったが、近年、魅力が見直されている。

ムニエ
©Comité Champagne

覚えておきたい用語集

【NV(ノン・ヴィンテージ)】

シャンパーニュの基本スタイル。複数の畑、ストックしておいた複数年のワイン(リザーヴワイン)、複数の品種(主にシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ)をブレンド。瓶詰めのあと、最低15カ月間はカーヴ(貯蔵庫)で熟成させなくてはならない。生産者によってブレンド比率やブドウ産地が違うので、メゾンのスタイルが明確にわかる。

【ヴィンテージ(ミレジム)】

単一年のブドウのみ、リザーヴワインを使わずに造られる。ラベルには収穫年が記載されている。

【ブラン・ド・ブラン】

白ブドウだけで造られるシャンパーニュ。すっきりとした味に仕上がる。

【ブラン・ド・ノワール】

黒ブドウだけで造られる。芳醇でコクがあり、まろやかな味わいが多い。

【ロゼ】

ロゼを造る方法は3通り。黒ブドウを圧搾前にタンクで数時間漬け込んで色を得る「マセラシオン(醸し)」、黒ブドウを圧搾後、赤ワインを造る途中で、適度に色づいた段階で果汁を抜き取る「セニエ」、ベースとなる白ワインにシャンパーニュ地方の赤ワインを加える「アサンブラージュ(ブレンド)」。

【キュヴェ】

一番搾り果汁のこと。二番搾りは「タイユ」という。「キュヴェ」は「どのキュヴェが好き?」などシャンパーニュそのものをさすときにも使われる。

【プレスティージュ(プレステージ)】

生産者の高級ライン。ヴィンテージ・シャンパーニュもここに入る。「ドン ペリニヨン」「サロン」「クリュッグ グランド キュヴェ」はメゾンのフラッグシップでありながらも存在自体がすでにプレスティージュ。

【ドザージュ】

デゴルジュマン(澱引き)のあと、糖分を添加した、または添加していないワインを追加し、ボトル内の液体の量を調整する作業のこと。シャンパーニュは、残留糖分含有量(1ℓ当たりのg数)で甘さの分類が異なる。残糖量によって甘い順に「ドゥー」「ドゥミ・セック」「セック」「エクストラ・ドライ」「ブリュット」「エクストラ・ブリュット」と分けられる。現在の多くのシャンパーニュの基本は「ブリュット」(辛口)。ちなみに「ノン・ドゼ」とは“ドザージュゼロ”のこと。

ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブラン NV

光が降り注ぐ緑の庭での一杯は、格別のおいしさ! 冷やす温度は8℃~10℃で、最初はキリリと。温度で変わる香りの変容を楽しんで。

ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブラン NV

ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブラン NV
シャルドネ100%。レモンや洋梨、ブリオッシュの香り。コート・デ・ブラン地区の最高級ブドウを使用、きらめく酸味としなやかなミネラルが魅力。姉妹ブランドの「サロン」が造られない年、「サロン」用のブドウが「ドゥラモット」に使われることから“サロンの妹”とも呼ばれる。¥9,350/ラック・コーポレーション

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