行動をスイッチにしてやる気を発動! やる気を起こすスイッチの押し方

ゼロからやる気を起こすときは、快感を喚起させる行動や言葉がけがポイント。やる気を起こすスイッチの押し方を、諏訪東京理科大教授の篠原菊紀さんに教えていただいた。一度動きだせたら、もうこっちのもの!
教えてくれたのは…
篠原菊紀さん

篠原菊紀さん

諏訪東京理科大教授。専門は脳神経科学、応用健康科学。日常の場面での脳活動や脳トレなどに詳しく、著書に『「すぐにやる脳」に変わる37の習慣』(KADOKAWA)など。

気持ちがなくてもひとまず始めてみる

ひとまず始めてみる

「私たちの脳は、行動を始めると線条体が活性化し、脳のほかの部分とも連動して行動を維持させようとします。例えば、家事を5分だけやろう→5分たったからハイやめ、とはできないですよね。この“始めるとやめることがむずかしくなる”という性質を利用しましょう」

関係ないことでも体を動かしてみる

体を動かしてみる
「線条体は体を動かすだけでも活性化するため、例えばデスクの上をふく、軽く体操をするなど、一見目的とは無関係なことでも、ひとまず体を動かすのは有効。大事なのはこの予備動作で満足するのではなく、予備動作→やるべきことの流れを習慣化することです」

快感を疑似的に演出して「心地よさ」を作り出そう

意思ではどうこうできない「やる気」を呼び起こすには、脳の性質を上手に利用するのが得策。

「何か物事をやったときに『うまくいった』という成功体験は、快感を得られるという予測を作るもとになります。でも、人生うまくいくことばかりではありませんよね。むしろうまくいかないことのほうが多い。だから、実際の体験だけに頼らず、疑似的に気持ちよさを演出すればいいのです。線条体をはじめとした『報酬系・快楽系』と呼ばれる神経系は“だまされやすい”という特徴があります。掃除機をかけるために立ち上がったら『よく立ち上がった』と自分をほめる、仕事をひとつ片づけたら『いい感じ』と口に出すなど、ポジティブな言葉で快感を演出するのです。実際にそうでなくても、行動と快感を無理やり結びつけることを繰り返すうちに、『やろうかな』と思っただけで線条体が予測的に活発化し、やる気のスイッチが発動するようになっていきます。また、線条体は行動の開始・維持・コントロールにもかかわるので、行動をイメージしたり、実際に体を動かしはじめると活性化するという特徴も」

「ないところからやる気を出すことも、一度出たやる気を維持させることも、線条体を活性化させるという点では基本的には同じです。上手に脳をだまして、やる気を引き出してあげられるといいですね」(篠原さん)

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