人気アニメや映画のクレジットにその名を見かけないことがない売れっ子声優。かと思うと舞台やドラマ、バラエティでも才能を発揮し、武道館やアリーナを満員にするアーティストでもある。そんな宮野真守さんが初めての単独主演で挑む「劇団☆新感線」の夏公演について語ってくれた。
ジャケット¥69,300(サルバトーレピッコロ×シップス)・シャツ¥49,500(エリコフォルミコラ)・パンツ¥50,400(フミヤヒラノ トラウザーズ)・靴¥99,000(パラブーツ×シップス)/以上シップス インフォメーションセンター
役者としての自分を呼び覚まされた日々
劇団☆新感線の舞台に初めて立ったのは’17年の『髑髏城の七人』-Season月《下弦の月》だった。
「新感線のエンタメがどのようにつくられていくのかを、稽古場で、舞台で、目(ま)の当たりにしていくわけですが、もうカルチャーショックの連続でした。と同時に新感線の稽古が自分にフィットする感じもありました。声優って瞬発力を求められるんです。収録しているその場で求められたらすぐ答えを出していかなきゃいけない。そこが似ているなと。
それに声優の仕事では、例えば走っている役ならハアハアと息遣いの苦しい様子をイメージでカバーして声でアウトプットする。でも新感線の舞台では、毎日全力で舞台に立ってリアルに疲れ果てて(笑)、自分の生命力を全部使っている実感がすごい。役者としての自分を呼び覚ましてくれた日々でした」
その劇団☆新感線に4年ぶり3度目の出演、初めての単独主演だ。それも書き下ろしの新作『アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~』で、タイトルロールのアケチコ五郎といううさんくさい名の探偵役をつとめる。
「実はあまりいい人ではないんです。事件に口ばかり出して口止め料を巻き上げるヤツで、他人の秘密をこよなく愛している。決して少年マンガ的な正義のヒーローではないけれど、こだわりはもっているんですよ、生きるための。そういう意味では僕ならではの役かも。僕もこれが正しいんだとまっしぐらに突き進むタイプではないので。また新しい一面をお見せできるんじゃないかなと思っています」
そんなふうに仕事の場が広がる一方で、チームの座長としての力量を問われることも多いはず。
「基本的に“気にしい”なんです。人に好かれたいんです。以前音楽劇でラッパーのKREVAさんとご一緒させていただいたとき、一番大変なはずなのにずっと笑顔でいてくださっていたんですよ。現場は楽しいほうがイイでしょって、ずっと陽のオーラを放ってくださっていた。これが本当に素敵で。僕も、今この現場は自分が一番楽しんでいるぞって、もっともっと表現していこうと改めて思いました」
こんなに人気者になっても常に自分を振り返る宮野さんが、全身全霊でステージに立つ姿はとってもセクシー。
「人って陰のあるものに惹かれません?僕、一見明るそうじゃないですか。でも本当は暗いしネガティブな人なので、それがときどき顔を出しているんじゃないかな。反省会ばかりやっているしね(笑)」
2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演
SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇 『アケチコ!〜蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島〜』
名探偵アケチコ五郎と帰国子女名探偵の新田一耕助は人気劇団「黒ダイヤ歌劇団」の次期トップ争いに巻き込まれ……。福原充則作、いのうえひでのり演出。出演は宮野真守、神山智洋、古田新太ほか。
6/12 ~ 7/12、EX THEATER ARIAKE
問☎0570・00・3337(サンライズプロモーション)
※福岡、大阪公演あり。
みやの まもる●’83年、埼玉県生まれ。アニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』や映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』など、声優としての仕事は800を超える。役者として「劇団☆新感線」の作品をはじめ、ミュージカルやドラマ、映画に出演。’07年には歌手デビュー。’25〜’26年にはアジアツアーも開催した。
撮影/渡辺宏樹(TRON) ヘア&メイク/宮本 愛(yoshine.) スタイリスト/小林 新(UM) 取材・原文/五十川晶子 撮影協力/バックグラウンズファクトリー ※エクラ2026年7・8月合併号掲載