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【パリクリエイターたちのインテリア】ワークスペースと寝室はマスキュリンな空間に
過剰な装飾を排除した、クリーンでマスキュリンな空間

リビングの奥にあるオフィスの棚は、ロサンゼルス・ヴェニスビーチの「アーレム」1号店にもともとあって買い取った、北欧のヴィンテージ。おみやげから小さなつぼのコレクションまで、パーソナルなオブジェを雑多に置いても統一感が。もともと外商のためだったレザーのトランクはフランスの老舗「ギシャール」で特注し、今ではアイウエアのサンプル収納に使用。

書斎の一角の暖炉まわりは、愛にあふれたディスプレイコーナー。ギターは夫への、吹きガラスの花瓶は夫からのプレゼント

オフィスにもくつろげる一角を、とヴィンテージのイームズ・ラウンジチェアを。壁の絵はイギリスのアーティスト、リチャード・グナンによる油彩画

ともに細長いコンソール・テーブルとベンチのバランス感が見事な玄関。ウォールランプはニューヨークの照明専門店、アパラタスで。手の形のオブジェは20年ほど前にポンピドゥーセンター前広場の露店で買った若いアーティストの作品だが、最近日本で立ち寄ったブティックで同じものを見てびっくり。名前をリサーチ中だとか。

改装したばかりのバスルーム。床材に選んだのは、日本製の細かいモザイクタイル。壁にはタデラックと呼ばれるアラブ式スチームバス専用の塗料を使い、ニュアンスを出した。組み込み型の棚には、野口寛斉作の陶器を。

仕事は、デッサンと色選びから始まる。写真は「アーレム」のアイウエアと、常に参考にしている日本の配色辞典。

ベッドルーム。日本好きの彼女は“畳に布団”に倣って目線を下に保つため、高さ50cmに満たない低いベッドを選んだ。目を休めるため、部屋全体も極力ムダを削ぎ落としてシンプルに
直線と曲線のバランス感、ブラン・ショーと呼ばれる微妙にイレギュラーでニュアンスのある白壁のペイント、前述した視線の位置、とアーレムの住まいは隅々までこだわった、完璧な空間だ。色調は白と黒、グレーのモノトーンに、木のライトブラウン。とはいえストイックな印象は与えずむしろ温かみがにじみ出るのは、陶器の素朴さや植物によるアクセントのおかげだろう。
また、木枠の額に収めたモノクロの写真の数々も、雰囲気づくりに一役買っている。小さなころから写真を撮るのが好きで、通信社マグナムのカメラマンたちへの憧れから写真を学んだ彼女。数年間はフォトリポーターを務めただけあって、好みは日常の瞬間をとらえた静けさと力強さが共存する写真だ。例えば玄関のテーブルに置いた、マリアンヌ・クロティス撮影の一点。「ロサンゼルスのローカル・カメラマンである彼女は今では90歳になるけれど、毎朝ヴェニスビーチの風景をカメラに収めていたの。ある日話す機会があり、マットな和紙に印刷するようアドバイスしたところ、写真に深みが出た、とお礼にくれたのがこの写真」と、彼女は逸話を披露してくれた。
この例に並び、室内を飾るアートには、出会いを語るものも多い。ダイニングの暖炉を飾るガラスとコンクリートのオブジェはアートフェアで見つけ、その場で出会った作家ハリー・モーガンとは、のちには友人になったとか。また、家の至るところには夫婦間のお互いへの贈り物が並ぶ。アーレムの住まいでは、人との触れ合いを意味するものたちが、ぬくもりを添えるのだ。

Ahlem Manai-Platt(アーレム・マナイ=プラット)

Ahlem(アーレム)
9, rue du Dragon 75006 Paris 11時〜19時
tel 01 58 90 11 12 M Saint Germain Des Prés
https://www.ahlemeyewear.com
アーレム・マナイ・プラットによるアイウエアのブランド「アーレム」は、バウハウスのデザインに言及されるピュアかつグラフィカルなフォルムが特徴。昨年夏に、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨークに続く、ヨーロッパでははじめての旗艦店がパリにオープンした。北欧スタイルを好む彼女らしく、起用した内装チームはストックホルムのSpecific Generic。ガラス、コンクリート、くるみの木、プラスター、メタルから成る小さなブティックは、1927年のイサム・ノグチのデッサンParis Abstractionが着想源。
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