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ダラダラ&ずるずるしてしまう50代へ「やる気が出るスイッチ」の入れ方
休みの日は何もしたくない、明日でいいかと後回し…。そんなアラフィー世代に朗報! 脳の奥にある「やる気が出るスイッチ」の入れ方をを教えます。
予定通りにいかない、ダラダラしてしまう…50代に多い「時間のつまずき」を簡単に解決する方法がある!
教えてくれたのは…
中島美鈴先生
「時間のつまずき」を感じるのはこんなとき
常に時間に振りまわされるのがアラフィーのサガ!?
「家事も仕事も予定どおりに進まない!」
「夕食を作るのに30分」「資料作成に1時間」と、事前になんとなくの予定を立てていても、そのとおり進んだ試しがない。さぼっていないのに、いったいナゼ!?
「気づけばダラダラとスマホを見てしまう!」
気分転換に10分だけ、とSNSを見はじめたはずが……。スマホ画面に次々と現れる情報をタップしているうちに、いつしか1時間以上たっていて(汗)。恐怖!
「やりたいことはいつでも先延ばし!」
〇〇に挑戦したい、〇〇に行ってみたい。「いつの日かきっと!」と思っていることはたくさんあるのに、なんだかんだと実行に移せないまま、早ン年……。
「いつも人の都合に振りまわされて、予定が狂う!」
実家の母からの突然の呼び出し、同僚からの急なヘルプ要請、友人からの予期せぬランチのお誘い。そんな時間はないのに断れなくて、自分の予定は後回しに……。
「やらなくちゃと思いつつ、やる気が起きない……!」
持ち帰った仕事に食事の支度、お掃除に明日のお出かけ準備。やらなきゃいけないことは山のようにあるのに、どうしてもやる気が出ず、時間だけが過ぎていく……。
「約束の時間にいつも遅刻してしまう!」
人との待ち合わせ。「遅れてはいけない」と、いつもより早めに支度をしたはずなのに、ハッと気がつくと家を出る予定時刻を過ぎていて、結局、大幅な遅刻……。
「やるべきことを次々こなすばかりで達成感がない!」
家事に仕事、家族のこと。毎日山のような予定を肅々とこなしてはいる。だけど、時間に追いかけられるばかりで、達成感も充実感もなく、虚しさにおそわれて……。
「時間のつまずき」はどうして起こるの?
脳のクセを知ってつまずきを解消!
計画を立てているはずなのに、時間管理につまずきがちなのは、もしや性格のせい?
ならば、この年でそれを変えるのは無理なのでは……?「それは大きな間違いです」と、認知行動療法をベースに時間管理術を指南している臨床心理士の中島美鈴先生。
「時間がコントロールできないのは、性格のせいではなく、誰にでもある“脳のクセ”のせい。何かをしようと考え、計画を立て、やりとげる。この一連の流れ=実行機能をつかさどっているのはもちろん脳。なかでも『〇時までにこれをやる』のように時間を意識した脳の働きを、心理学では時間管理と呼びます。この時間管理に関係する脳のクセは、①これを完成するには〇時間くらいかかるだろう、といった“時間感覚が不正確”、②“時間をかけて何かを達成するのが苦手”で、結果や報酬などのごほうびを早く欲しがる、③目の前にある“誘惑を我慢できない”という3つ。そう、実は脳にとっても時間管理というものはかなり高度な働きなのです」
さらに、3つのクセのうちどれが強いかも人によって違うから、時間管理のつまずき方もそれに応じて違ってくる。例えば「仕事や家事が予定どおりに終わらない」というケースでは、“時間感覚が不正確”なクセが強いと「完了までの時間の見積もりが甘くなる」、“時間をかけることが苦手”なクセが強いなら「時間がかかりそうと思うと、やる気になれない」、“誘惑を我慢できない”クセが強いなら「別のことに気をとられ、作業が中断しがち」といった具合。
「ですから、自分をつまずかせるのはどのクセであることが多いかを把握しましょう」
そのうえで、行動の“実行”から“完了”までの間のどの段階で、そのクセが出やすいか、を検証すれば、対策も立てやすくなる。
「自分の時間管理がどの段階でつまずいているのかを見直すのに役に立つのが、下にあげた4段階の『すーぷもだ』です。それを踏まえ、そのルーティン=つまずいてしまう“仕組み”を変えていけば、誰でも時間のつまずきを解消できますよ」。
実は脳は「時間管理」が苦手だった!〈3つのクセ〉
1.時間感覚が不正確!
時間の見積もりが不正確ゆえに、間に合わないこともしばしば。ゴールからの逆算が苦手で、実行のプロセスに問題がある場合も。
2.時間をかけるのが苦手!
結果がすぐ出ることが好きで、手っ取り早く達成感が得られるものを優先しがち。やることが多いと思っただけで、やる気が喪失。
3.誘惑を我慢できない!
やるべきことがあるのにほかのことに気をとられたり、夢中になると時間を忘れて没頭したりと、目の前にある楽しい誘惑に弱い。
どの段階でつまずくのかを探るには、「すーぷもだ」!
時間のつまずきを制す第一歩は、自分の行動のどこに“つまずきの原因”があるかを探ること。そこで活用したい「すーぷもだ」とは!?
行動の4ステップのどこでつまずくかをチェック!
「何かを実行する際、人は『とりかかる=スタート』『計画する=プラン』『進捗を気にする=モニタリング』『やりぬく=脱線防止』という4つのステップを無意識に踏んでいます。時間管理の失敗はこのどこかでつまずいている証拠」と中島先生。とりかかりが遅ければ「スタート」で、計画・見込みが違っているなら「プラン」で、進捗把握ができない場合は「モニタリング」で、ほかのことに気をとられ、中断しているようなら「脱線防止」でつまずいているということ。「つまずき発生の場所がわかれば、解決策はぐっとクリアになります」(中島先生)。
すー(スタート)
Step1:ハードルを下げ、できることから始める
スタートでつまずくのは、「できないかも」という不安から先延ばしにしたり、予定が多すぎて面倒になるから。「最初の一歩を踏み出すときが、一番エネルギーを必要とします。やることを小分けにし、できることから始めるなどハードルを下げるのが得策です」(中島先生、以下同)。
ぷ(プラン)
Step2:理想の反映ではなく現実的な計画を立てる
プランに必須なのは、「締め切りの設定」「やるべきことを洗い出し、かかる時間を見積もる」、「費やせる時間を割り出す」「締め切りから逆算し、タスクを細分化して費やせる時間に当てはめる」こと。「理想や希望を反映するのではなく、現実的に考えることを忘れずに」。
も(モニタリング)
Step3:進捗具合に応じてプランの見直しを
計画どおりに進んでいるか、時計を確認しながら、適宜チェックを。「時間感覚が不正確な人は見積もりが甘くなりがちなため、予定時間をオーバーしてしまうことも多々。その場合、『これに費やす時間を30分でなく60分に。そのぶんこれは省略しよう』などと、計画を見直して」。
だ(脱線防止)
Step4:誘惑を遠ざけ、集中できる環境をつくる
“やりぬく”ことの最大の敵は、途中でほかのものに飛びつく=脱線すること。「脱線防止におすすめなのは、集中できる環境づくり。カフェや図書館など、ここなら集中できるという場所で行ったり、スマホやテレビなど脱線の原因になるものから遠ざかるなどの工夫をしましょう」。
「時間の使い方」を見直す
予定を細かく把握し、時間の使い方を再構築
前ページの「すーぷもだ」で把握した時間のつまずきポイントをもとに「つまずかない仕組み」をつくるためにまずやるべきは、「今のルーティンの予定の見直しと再構築」と中島先生。そこで実践したいのが、予定を細かく書き出し、省けるものは省いた予定に書き替える作業。
「特に、仕事に家事に子育てに親の介護に、と『やるべきこと』が多いアラフィー世代は、予定を“可視化”することで、自分がいかにキャパオーバーに陥っているかわかるはず。それを自覚したうえで、ひとつひとつの予定が今、本当に必要なのかを検討すると、案外、不要なものも多々見つかるのでは? それを省いて予定を再構築すれば、時間に余裕ができるぶん、つまずきにくい仕組みがつくれます」
そして、再構築する予定には一日の中に「自分のためだけに使う時間」を確保するのも重要。
「誰でもやるべきことをこなすだけでは、時間に縛られていると感じ、ストレスがたまります。一日に1時間でも自分のための時間がもてれば、自分で時間をコントロールしているという意識が生まれ、自信が高まります。時間管理の国の王さまは自分。その気持ちを忘れずに」
「時間を再構築」するための3つのステップ
STEP1:1週間の予定をすべて書き出し、属性ごとに色分け
1週間の予定を、できるだけ細かく書き出すことからスタート。「予定を『仕事』『家事』『家族・親族関連』『自分の時間』のように色分けし、そのときの心身の状態を振り返ってみて。疲れていたり、イライラしているようなら、スケジュールに無理がある証拠。見直しが必要です」(中島先生、以下同)。
STEP2:書き出した予定が本当に必要かマーク分け
現在の予定を、「必ずやるべき・やりたい=◎」「やったほうがいい=〇」「余裕があれば=△」「不要=×」のように優先順位別に仕分けを。可視化すると、やるべきことが絞りやすくなる。「予定をこなすには体力が不可欠なので、睡眠時間は◎に。最低でも6~7時間は確保してほしいですね」。
STEP3:1、2を踏まえて、スケジュールを修正してみる
やるべきことが絞れたら、順番の調整を。午前中が一番元気なら、頭や体力を使う予定はそこに当てはめ、疲れてくる時間帯は集中力不要なものを入れるなど、効率優先で組むのが得策。「モチベーションアップになるような“ごほうびタイム”をときどきはさみ、自分の時間を確保することも忘れずに」。
時間の再構築のポイントはここ!
□頭や体力を使う予定は、自分が一番活動的になれる時間帯に入れる
□短時間で終わる&労力不要なものは、“すき間時間”を活用する
□ごほうびタイムを上手にはさむと、次の予定に対するやる気がアップ
□「自分のためだけの時間」と睡眠時間はしっかりと確保する
時間のつまずき「ケース別解消法」
ケース1
「予定どおりに進むことがなく、いつも時間に追われていて、気持ちが焦る……」
そんなときには…所要時間の見積もりが正しいか、タイマーを使ってチェック
「タイマーで、それぞれの作業に実際にかかった時間を実際に測ってみて、所要時間の見積もりを修正してみましょう。時間のずれが減り、ストレスも減ります。また、毎日買い物をしているなら、週末のまとめ買いにシフトするなど、予定の中に時間を節約できるものがないかをチェックするのも手。さらに作業予定は『掃除に1時間』などざっくりとではなく、『トイレ掃除10分』『お風呂掃除10分』など細分化して。ひとつの作業時間が短いと、すき間時間を活用しやすくなり焦りも減ります」
管理するポイントはここ!
□「時間があれば」レベルの予定は削る
□所要時間は、タイマーを使って正確に算出
□やるべきことは、10分、15分のように細分化
ケース2
「休みの日になると、スマホやドラマをダラダラ見てしまい、一日が終わってしまう……」
そんなときには…はずせない予定を入れて、脳を誘惑から引き離す
「これは怠け者だからではなく、まさに“誘惑に弱い”という脳のクセのせい。スマホやドラマのダラダラ見をやめざるをえない“仕組み”さえ整えれば解決します。休みの日に、動かせない予定を入れるのはいい手。例えば、12時に親友とのランチを入れるなど。間に合うように家を出るために、ダラけたいという誘惑をいったん断ち切れますから。また、毎日スクリーンタイムなどでスマホの使用時間を確認するのも有効。いかに時間をムダにしているかが自覚でき、行動が改まる可能性大!」
管理するポイントはここ!
□後ろに動かせない予定を入れる
□“誘惑に弱い”という脳のクセを自覚する!
□スクリーンタイムなどで使用時間を客観視する
ケース3
「やるべきことがあるのに、ついつい先延ばしにしてしまい、いつまでも手つかずのまま……」
そんなときには…やるべきことを具体的にし、いつまでに何をするか決める
「“いつか”という日は永遠にきません(笑)。本当に実行したいなら、締め切りを決め、そこから逆算し、いつまでに何をするか具体的に計画するのが不可欠です。例えば『9月中に物置にあるものを半分まで減らす』と目標をまず立てる。そして、『10日までに何が入っているか把握』『20日までに処分するものを決定』『30日に粗大ごみの予約をする』といった具合。不要物の整理を心に決めた時点で、すぐに粗大ごみの回収を予約してしまうなど、事前にやらざるをえない状況をつくってしまうと効果的」
管理するポイントはここ!
□いつまでに何をするか、具体的かつ明確に
□計画は、〇月〇日に〇〇をすると小刻みに設定
□やらざるをえない状況をつくってしまう
ケース4
「人の都合に合わせすぎて、自分の予定がどんどん狂っていく……」
そんなときには…他人のために使ってもいい時間帯をあらかじめ決めておく
「おすすめなのは、“他人のために使う時間帯”をあらかじめ設けておくこと。ただし、一番効率よく動ける時間帯は自分のために確保し、他人にはそれ以外の時間をあててください。NGな時間帯に何か他人からの依頼があったら『今は無理だけど、15時から30分なら大丈夫』と伝えれば、相手も拒否されたとは感じず、良好な関係性も保てると思います。また『相手に時間を割くのは、自分の意志で行っている』と意識するのも有効。自分の時間をとられたという気持ちが薄らぐはずです」
管理するポイントはここ!
□他人のために使ってもOKな時間帯を設定
□効率よく動ける時間帯は自分のために死守
□相手に時間を使うのは自分の意志と自覚する
ケース5
「仕事から帰宅したあともやるべきことは多々。でも、やる気が出ない……」
そんなときには…エネルギーを途切らせないよう、負担の少ない作業から手をつける
「帰宅後はゆっくりしたいですよね。でも、いったん休憩してしまうと腰が上がらず、時間だけが過ぎていくことに罪悪感を感じる人は多いはず。ですから、帰宅したらその足でお風呂を洗い、ごはんを炊くなど、軽めの作業を即、始めて“時間をかけることが苦手”な脳のクセを封じましょう。そのうえで、ひとつやるべきことをしたら10分だけSNSを見る、と決めるなどの"ごほうびタイム"を合間にはさめば、作業効率も上がります」
管理するポイントはここ!
□あえて休憩せず、軽めの作業にとりかかる
□やるべきことをやったらごほうびタイムを
ケース6
「約束の時間に間に合うはずだったのに、いつも遅刻してしまう……」
そんなときには…時間管理をサポートしてくれる最先端グッズを賢く使う
「“時間感覚が不正確”な脳のクセが原因のこのケースの解決策としてイチ押しなのは、便利アプリの活用。『ルーチンタイマー』は、“今から10分間メイク”“残り1分”などとアナウンスしてくれ、使い続けるうちに、時間感覚が磨かれます。またついスマホを見ていて遅刻する“誘惑を我慢できない”脳のクセが強い場合は“1時間後”など、設定した時間にならないと開けない『タイムロッキングコンテナ』で、物理的に遠ざける手も」
管理するポイントはここ!
□時間感覚が磨かれるグッズを利用する
□誘惑されそうなモノを物理的に遠ざける
ケース7
「やるべきことを次々こなしていくばかりで、達成感がない……」
そんなときには…To Do Listで、どれだけの予定をこなしているか客観視して
「膨大な予定をこなしても、達成感どころか時間に支配されている虚しさが先に立つのは、マルチタスク時代に多い『時間のつまずき』。そんなときは『To Do List』を作り、終わったものにチェック。これだけのことをこなした、と可視化されることで、時間をコントロールしているという自信がもてます。また“やるべき”ことばかりではなく、趣味など“やりたい”ことをする時間を増やし、自分の時間をもつことも大事です」
管理するポイントはここ!
□To Do Listを作り、自分の行動を可視化
□本当にやりたいことをする時間を増やす
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