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「ザ・閉経」“その時”がきたら、体も心も新たなスタート!【50代のお悩み】
閉経。それは、何を意味し、私たちにどんな影響を及ぼすのだろう? 意外と知らない閉経の真実を、ウィメンズヘルスクリニック東京院長の浜中聡子先生と、順天堂大学 大学院医学研究科 泌尿器外科学教授の堀江重郎先生に伺った。
生理が終わる平均年齢は? そもそも閉経ってなんですか?【閉経したら、何が変わるの?】
Q.「閉経」したのは何歳のときですか?
(編集部が行った40歳以上の閉経した人271人に聞いたアンケート結果より)
すでに閉経した271人の女性に行ったアンケート調査では、閉経した年齢は、50歳が最も多く約1/5の51人。日本の閉経の平均年齢は50.5歳とされているので、それとほぼ一致。しかしながら、早い人は40歳以下、遅い人は60歳以上と、20歳以上も開きがあり、個人差が大きいことがわかる。
Q.そもそも閉経ってなんですか?
実はきちんと理解できていない人も
アンケートを見ていると、閉経について正しく理解していない人は意外と多いようだ。まずは、閉経とは何かを、産婦人科医の高尾美穂先生に教えていただいた。
高尾美穂先生
まずは言葉の意味をしっかりCHECK!
《閉経》
月経が永久に停止した状態。月経がこない状態が12カ月以上続いたときに、1年前を振り返って閉経と判定。
《更年期》
閉経をはさんだ前後5年、合計10年間。女性なら誰でも訪れる一定の期間のことをさす。
《更年期症状》
更年期に現れるホットフラッシュ、のぼせ、イライラなどのさまざまな症状をさす。
《更年期障害》
更年期症状の中でも、日常生活に支障があるものをいう。
年齢による女性ホルモン(エストロゲン)の変化
| 成熟期 (基準値) |
更年期 (閉経前) |
閉経 | |
| 女性ホルモン エストロゲン(E2) |
10~1000 pg/ml |
30 pg/ml以下 |
10 pg/ml以下 |
| 「エストロゲンを出せ」信号 卵胞刺激ホルモン(FSH) |
3~20 mlU/ml |
35 mlU/ml以上 |
40 mlU/ml以上 |
生理がこなくなって12カ月たったら「閉経」
まず知っておきたいのが閉経の定義。
「女性の体では、女性ホルモンのエストロゲンが分泌されることで排卵が起き、毎月生理がきます。でも、加齢とともに卵巣機能が低下していくと、エストロゲンの分泌量は減っていき、40歳以降になると急激に減少します。そして最終的に卵巣機能が終了し、エストロゲンの分泌量がゼロになると、排卵が起こらず生理がこなくなり、12カ月生理がこなかった場合を閉経と見なします。最後に生理がきたときが“閉経年齢”となるので、“あのときが閉経だったんだな”とあとからわかるわけです」
気になるのは、閉経が近づくと起こる、さまざまな生理の状態の変化。
「エストロゲンはなだらかに減っていけばいいのですが、アップダウンを繰り返しながら減っていくので、閉経前は経血量がすごく多くなることもあれば、すごく少ないときもあったりします。また、40歳以降の女性の40%に子宮筋腫があるとされ、筋腫がある場合はさらに経血量が増え、生理時に紙オムツをしないといけないほどになるケースも。生理の日数も、短くなる人もいれば、だらだらと長く続く人もいますし、周期も、2〜3カ月に1回と長くなっていく場合や、2週間に1回生理がきたりと短くなる場合、周期がバラバラになる場合などさまざま。このように閉経前は生理の状態が変わり、読めなくなるので、困ることも多いと思います。日本人の平均閉経年齢は50・5歳なので、この年齢に近くなったら、生理にこんな変化が起こりえることを認識しておくといいですね」
閉経は自然な体の変化ととらえて前向きに!
そんな閉経に対し、アンケートではとらえ方にも個人差があり、“つらい生理から解放されると思うとうれしい”と前向きな人も多いが、“女性として終わってしまうようで悲しい”とネガティブにとらえる人も少なくない。閉経には、どう向き合うべき?
「生理があるときは、女性ホルモンの変動によって体調がよい時期と悪い時期があるので、同じことをしても思うように結果が出ないときもあります。でも閉経するとそれがなくなるので、がんばったらがんばっただけ結果が出るようになります。つまり、波がなく穏やかな“凪”の時期になり、落ち着いていろんなことに取り組めるようになるのです。閉経しても人生はまだあと半分もあります。自然な体の変化ととらえて、前向きに過ごしましょう」
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