HRT(ホルモン補充療法)の期間は?閉経して時間が経ってからでもOK?【閉経したら、何が変わるの?】

更年期障害の改善効果が高いHRT(ホルモン補充療法)だが、日本では抵抗感をもつ人も。正しい知識をもって、つらい症状に悩んでいる人は検討を! HRTに関する疑問に、産婦人科専門医の高尾先生がアンサー。
教えてくださったかた
高尾美穂先生

高尾美穂先生

女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。産婦人科専門医。医学博士。スポーツドクター。ヨガマスターとしてヨガ指導も行う。女性の体の悩みへの明解なアドバイスがテレビで反響を呼び話題に。

Q.どれくらいの頻度で、いつまでやるのがいいの?

A.頻度は毎日、閉経2年後くらいまで行うのが一般的。

「更年期障害は、閉経の2年後くらいで症状が出なくなることが多いので、HRTもそれくらいで終わらせることが多いです。通常は基本的に毎日投与しますが、終わらせるときには、2日に1回、3日に1回、1週間に1回と段階的に投与の頻度を減らしていきます。ただ、HRTは何歳になったらやめないといけないという決まりはなく、骨や血管の健康のために、ずっと続ける人もいますし、それでも問題はありません」

Q.閉経してだいぶたってからでもOK?

A.閉経10年後以降は受けられないので早めに決断を。

「閉経して10年以上たつと、HRTによる血栓症のリスクが高まるので、10年後以降にHRTを開始することはおすすめしていません。閉経前後は、まだ骨や血管などの衰えを感じないことも多いので、HRTを考えない人が多いですが、そのうちに骨や血管はどんどん老化していきます。閉経10年後に老化を感じて慌ててHRTを始めようと思ってももう受けられず、エクオール一択に。閉経後10年以内なら可能なので受けるなら早めに」

Q.不調がなくても、閉経後の病気予防のためにしたほうがいい?

A.病気予防のために受けるのも選択肢として◎。

「前述したように、閉経後はエストロゲンの分泌がなくなるため、骨がもろくなったり、動脈硬化が起きやすくなったり、血圧やコレステロール値が上がりやすくなったりするため、病気になりやすくなります。更年期障害はなくても、こういったトラブルや病気を未然に防ぐために、積極的にHRTを受けることはいいと思います。不調がなくても保険適用で受けられます。閉経が早かった人には特におすすめです」

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