しなやかで優しい「ラフージュ ムルソー レ カス テット 2018」【飲むんだったら、イケてるワイン】

ワイン&フードジャーナリストの安齋喜美子さんが、イケてる一本をご紹介する連載企画『飲むんだったら、イケてるワイン』。今回は、白いブーケのような華やかな香りとハチミツのニュアンス、美しい酸味がすうっと心と体にしみる「ラフージュ ムルソー レ カス テット 2018」をピックアップ。

しなやかで優しくあれたら、タイトルはいらない

LAFOUGE

ムルソー レ カス テット

ラフージュ ムルソー レ カス テット 2018

少女のころ、自分はどんな大人になりたかったのだろう? 「ラフージュ ムルソー レ カス テット 2018」を飲んで、ふとそんな思いにとらわれた。白いブーケのような華やかな香りとハチミツのニュアンス、美しい酸味がすうっと心と体にしみていく。芯の強さを感じさせつつも、しなやかでかぎりなく優しい印象だ。

ムルソーはブルゴーニュ最高の白ワインのひとつで、豊かなミネラルとピュアな酸味、芳醇な味わいが特徴。熟成を重ねるとその液体は淡いゴールドに輝き、甘美なしずくとなる。ムルソーには一級畑の名前がついたものと「ヴィラージュもの」と呼ばれる村名クラスのワインがあるが、このワインは後者。有名な畑のものではないが、品質は高く、優美な味が長く心に残る。

「ラフージュ」は1765年創設の老舗で、5代目の現当主ジル・ラフージュ氏を中心に、彼の父と息子の3世代でワイン造りを行っている。ブドウは有機栽培で育てており、畑での作業を大切にしている。このしなやかなミネラルとピュアな酸味に合わせるなら、ぽってりとしたクリーム系の料理がいい。こげ目が香ばしいグラタン・ドフィノワを用意して、ほっこり和んでみたい。料理への寄り添い方が、とてもナチュラルでエレガント。あのころ憧れた大人の女性が、ここにいる。

ムルソー レ カス テット

フランス、ブルゴーニュ地方。シャルドネ100%。抜栓した瞬間、春の花の香りに包まれる。リンゴや梨、綿あめ、バターの香りも。ミネラルがしなやかで、心地よい飲み口。余韻も長い。鶏のローストやエビグラタンとも好相性。750ml ¥7,920/ラック・コーポレーション

教えてくれたのは……
安齋喜美子

安齋喜美子

あんざい きみこ●ファッション誌やワイン誌で料理やワイン、旅、お取り寄せなど幅広く執筆。国内外のワイナリー、醸造家取材も多数。著書に『葡萄酒物語』(小学館)。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。

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