年を重ねてこそ輝くひとのような「ピアーノ・ディ・モンテヴェルジネ・タウラージ」【飲むんだったら、イケてるワイン】

ワイン&フードジャーナリストの安齋喜美子さんが、イケてる一本をご紹介する連載企画『飲むんだったら、イケてるワイン』。今回は、熟成を物語る深い味わいの奥に、繊細でフレッシュな酸味とチェリーのかわいらしい香りが隠れる「ピアーノ・ディ・モンテヴェルジネ・タウラージ」をピックアップ!

永久に美しく、年を重ねてこそ輝くひと

FEUDI DI SAN GREGORIO

ピアーノ・ディ・モンテヴェルジネ・タウラージ

ピアーノ・ディ・モンテヴェルジネ・タウラージ

若さが、少しずつ剝がれていく。自然の摂理とわかっていても、ふとした瞬間にかすかな愁いが心をよぎる。だが、ある日「ピアーノ・ディ・モンテヴェルジネ・タウラージ 2014」を飲んで、そんな愁いは杞憂と知った。芳醇な果実味とシルキーなタンニン。熟成を物語る深い味わいの奥に、繊細でフレッシュな酸味とチェリーのかわいらしい香りが隠れている。その成熟した美しい味にたちまち魅了されてしまった。

「タウラージ」とは、アリアニコという品種で造られる南イタリアを代表するワインのこと。熟成してこそその真価を発揮し、なかには「不死のワイン」と評されるものもある。

「フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ」はテロワールを優雅に表現する生産者で、南イタリアの在来品種の評価を世界的に高めたことで知られる。このワインはその代表格といっていい。

料理なら、グリルした肉料理との相性は抜群。華やかなディナーにはぴったりだ。だが、これはあえて、親しい女友だちと深夜に。「お互い、がんばってきたよね」と、ゆっくり語り合ってみたいのだ。私たちは日々小さな痛みと向き合い、そこから、優しさ、思いやり、思慮深さといった人生を豊かにする美徳のようなものを得てきたはず。だからこそ、私たちは年を重ねても輝ける。“花の命”は思ったより長いのだ。

ピアーノ・ディ・モンテヴェルジネ・タウラージ

イタリア、カンバーニア州。アリアニコ種100%。プラムやミント、スミレ、リコリスの複雑で奥深い香り。タンニンはしっかりありつつしなやかで、余韻も長い。肉のローストならベリー系のジャムを添えると美味。根菜類の煮物や熟成したチーズなどにも。
750ml ¥9,350/日欧商事

教えてくれたのは……
安齋喜美子

安齋喜美子

あんざい きみこ●ファッション誌やワイン誌で料理やワイン、旅、お取り寄せなど幅広く執筆。国内外のワイナリーや醸造家取材も多数。著書に『葡萄酒物語』(小学館)。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。
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