涼しい場所でのんびり読みたい!宇佐見りんの芥川賞受賞後第1作『くるまの娘』ほか、アラフィーにおすすめの本4選

宇佐見りんの芥川賞受賞後第1作『くるまの娘』、THE BOOMのボーカリスト・宮沢和史のエッセー『沖縄のことを聞かせてください』など、アラフィー女性に読んで欲しい4冊をピックアップ。

愛で縛る「家族という車」。降りるか、乗り続けるか

『くるまの娘 』

『くるまの娘 』

宇佐見りん

河出書房新社 ¥1,650

『推し、燃ゆ』で芥川賞に輝いた気鋭の受賞後第1作は、読んでいる間、ヒリヒリが止まらない。脳梗塞の後遺症で記憶障害に苦しむ母。愛と言葉と暴力で妻子を支配しようとする父。いじめられっ子の弟。家を出て寄りつかない兄。そして、酸欠状態の「家族という車」の中で、思うように体が動かなくなる主人公の女子高生……。登場人物の心の襞(ひだ)を一枚一枚めくり、奥底に眠る無意識までも顕(あらわ)にしてしまうようなみずみずしく圧倒的な表現力で、読者の心臓をギュッと鷲づかむ。

戦争という暗闇の中でも人は本を読む

『 あの図書館の彼女たち 』

『あの図書館の彼女たち』

ジャネット・スケスリン・チャールズ 高山祥子/訳

東京創元社 ¥2,420

図書館の利用を禁じられたユダヤ人に、命がけで本を届ける女性司書たち。実話をベースに、ナチス占領下のパリと’80年代のアメリカを行き来しながら物語は進む。主人公がすべてを捨て渡米した理由が明かされ、人間の多面性を突きつけられるラストに涙がこみ上げてくる。

「心の宇宙旅行」で癒される天文エッセー

『 夜、寝る前に読みたい 宇宙の話 』

『夜、寝る前に読みたい 宇宙の話』

野田祥代

草思社 ¥1,540

宇宙の不思議を、これほど魅力的に解き明かした科学エッセーは初めて。優しい語り口の物理学者に導かれ、宇宙が誕生した138億年前へ、太陽系から銀河の彼方へと旅をしている気分に。宇宙から地球や人間を見つめる視点を身につければ、小さな悩みなど飛んでいきそう。

「自分事」として沖縄を知ろう、考えよう

『 沖縄のことを聞かせてください 』

『沖縄のことを聞かせてください』

宮沢和史

双葉社 ¥2,420

THE BOOMのボーカリストだった著者が名曲『島唄』にこめた思いや、沖縄と32年かかわる中で考えたことをつづったエッセーは、熱くて真摯。本土復帰50年の今も続く諸問題を他人事と思わせない力がある。沖縄戦を生きぬいた女性や又吉直樹ら10人との対談も心揺さぶられる。

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