「書を学ぶときは、どんな字を書きたいかを明確にすることが大切です。私はかなをきれいに書きたいと思い、始めました。単にきれいなだけではなく自分らしい字を探したいという気持ちもありました」
青木さんがこの教室を知るきっかけになったのは、スタイリングを担当したあるモデルだった。撮影で彼女が短冊に文字をしたためているところを見て、文字の美しさに心惹かれた。
「図々しいと思いつつ、そのモデルさんにどこで習っていらっしゃるのかおうかがいして、紹介していただいたんです。彼女の字を見たときの直感は間違っていなくて、関口先生の書は本当に素敵。まさにこれこそ私が習いたかった字! 古筆を通して、短歌や俳句などにも興味が広がりはじめました」
関口さんのアトリエでは、週2日生徒を受け入れていて、好きな時間帯に行き、好きなだけ書と向き合える。
「日本の美術の中で一番優れているのが書道だと思うんです。書の世界はピュアな世界。効率が求められる現代で、手で書くという行為を通して、自分の心を掘り下げていける楽しみがあります」(関口さん)