人が集まる機会も増える夏。心躍るおもてなしのテーブルの作り方をアートディレクターのhideyaさんが教えてくれた。
美しい深海に迷い込んだような夕暮れどきのアペリティフ
ガラスの光の中、お皿の植物が今にも踊り出しそうな躍動感。「週末の5時。夕暮れどきの青みがかった光をイメージしてコーディネートしました」。真っ白いテーブルクロスに、さらにリネンの白ランチョンを重ね、たくさんのガラスがレイヤードされた景色が印象的。取り皿が柄なので、大皿はガラスや白で統一。ジンジャーとサンゴをミックスした遊び心も添えて。「お料理は、ジュンサイや水なす、新しょうがの酢味噌あえ、地鶏を焼いたものに薬味と黒こしょうをたっぷりかけて。ワインは冷えたロゼでしょうか」。夏の暮れなずむ夕日とともに、素敵な器と料理で幸せな時間が過ぎていきそう。
海の植物や生き物を描いた『Hermès』の新作に、サンゴを飾って。美しいシルバーの箸置きは『ブチェラッティ』。hideyaさんは、最後に一人ひとりのカトラリーやナプキンなどをミリ単位で整えるという。研ぎすまされた感性と行き届いた心遣いの先に、美しく特別なテーブルができあがる
手前のグラスは『Baccarat』。奥のガラスティーポットは『日ノ出科学製作所』。
カップ&ソーサーは『ジノリ 1735』。
サーバーは京都の骨董店『てっさい堂』で求めたもの。
奥のランプは『André Fu』。藻やサンゴが見せる有機的なリズムを描いていたプレートを柄違いで重ねて
なんとなく作っているものではなく、テーマ性があって、想い、物語や歴史を感じられる器が好きです。
メゾンの新作や定番もあれば、みやげ物屋で売っている素朴なものや日本の骨董だったり……そうして手元に集まったものたちは色やテイストが違っても、季節やお招きするかたをイメージしながらテーマを決め、器や小物を並べていくと、ぴたっとイメージが整う瞬間があります。
大好きなグラスをたくさん並べたり、しょうがとサンゴを呼応させたり……
器の世界観から物語を紡いで、テーブルの上にあるものたち皆が仲よくなる感覚です。
そして照明やキャンドル、夏に似合う軽やかな香りや音楽を重ねていく。
旅をしているような時間をゲストと共有できたら、こんな幸せなことはありません。
――by hideya
10代で単身ニューヨークに渡り、アーティストとして活動。帰国後は空間設計、プロダクトデザイン、舞台演出、映像クリエイションなどの分野で活躍。世界中の名だたるブランドのアートディレクションから、イベント製作において、トータルなブランディングを構築。
撮影/浅井佳代子 取材・原文/本誌編集部 ※エクラ2026年9月号掲載