【恩田陸さんインタビュー】50代からの「読書の楽しみ方」を指南!忙しい日常と本との向き合い方

ミステリーや青春小説など幅広い作風で知られる作家・恩田陸さんは、同時に幅広いジャンルの読み手でもある。忙しい日常でいい本をみつけ、読書時間を見つける極意を伺った。
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作家・恩田陸

作家・恩田陸

おんだ りく●’64年生まれ。’92年に『六番目の小夜子』で小説家デビュー。’05年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、’06年『ユージニア』で日本推理作家協会賞、’07年『中庭の出来事』で山本周五郎賞、’17年『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞。ミステリー、ホラー、SFなど、ジャンルを超えて多彩な執筆活動を展開する。

Q.忙しい日常の中で、いい本を見つけるにはどうしたら?

「アナログですけど、まず新聞ですね。最近は“新聞記事はスマホで読む”というかたも多いようですが、紙の新聞を広げると記事や広告などいろいろな情報が目に飛び込んでくる。その効果はやはり大きいし、ある程度の信頼性もあると思います」と恩田さん。

「ネットで探すのは便利ですが、閉架式図書館のようなもの。目的の本が決まっていないと探しにくいものです。購入履歴が反映された“おすすめ”が出てくることもありますが、なぜかどれも的はずれだったり(笑)。一方、新聞や書店は開架式図書館のようなもの。なんとなく眺めているだけでなぜか気になる本が目に入ってくる。私は断然開架式派です。私を含めてみんな日々目の前の現実で精一杯だと思いますが、現実よりも“真実”が見えてくるのが虚構の世界のおもしろさ。それを楽しむ精神をもっていることが、なにより大事なのかもしれませんね」

恩田さん1

Q.読書の時間はどうやってつくっていますか?

「仕事の合間や仕事中に読書をすることはなくて、夕食をすませてから寝るまでが読書の時間。どんなに忙しくてもなるべく確保するようにしています。“本を読む時間がなかなかとれない”というかたが多いようですが、よくわかります! 最近感じていることですが、エンタメコンテンツが多すぎる。24時間しかない時間を、いろいろなエンタメが奪い合っている気がするんです。例えば私はNetflixのドラマも好きですが、あまりにも時間がかかるのであきらめぎみ。倍速で見るのは気持ち悪いし、ちゃんと見ておもしろいか否かをいいたいんです。そう考えていくと、読書や舞台やコンサートは倍速みたいなことができないエンタメ。“かっちり時間をとられるもの”が私の好みなのかもしれません」

\基本は一気読み。ただ最近はすぐに眠くなっちゃうことが(笑)/
恩田さん2

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