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【50代が感じる“体の異変”ベスト10】みんなはどんな異変を感じてる?どう対処してる? 50代女性に聞きました!
アラフィーになると、昨日まで何ともなかったところが、突然痛んだり、動きが鈍くなったり、体の不具合を感じやすくなるもの。そこで、みんなはどんな体の異変を感じているのか、アンケートで大調査! 168人に聞いた、“体の異変”ベスト10を発表します!
更年期を迎える50代から増える「体のかゆみ」をなんとかしたい!
慶田朋子さん
更年期世代に増える「かゆみ」の原因
特に化粧品やシャンプーを変えたわけではないのに、頭から脚まで、全身のあちこちでチリチリ、ムズムズ……。人にはいいづらい部分もあったり、なんとかならないの⁉
頭皮
毎日きちんと洗っているのに、かきむしりたくなるほどのかゆみ。アラフィーになって頭皮のバリアや頭皮フローラが変化してくることがしつこいかゆみの原因に。
耳の中
いったん治ってもまた繰り返し長期にわたって悩む人も多い耳の中のかゆみ。かゆみスパイラルから抜け出せないのは、意外な“清潔習慣”だった⁉
デリケートゾーン
ナプキンやおりものシートなどで常に蒸れたりかぶれやすい部分ではあるけれど、女性ホルモンの低下でより刺激に弱くなり、かゆみやかぶれが頻繁に起きやすくなる。
おしりの穴
人前でかくこともできず、受診もハードルが高い部分だけに人知れず悩む人も多いおしりの穴のかゆみ。現代人の清潔志向が原因のひとつともいわれているけれど……。
手
水を使う機会が多い家事にはつきものの手のかゆみ。さらに石鹸での手洗いやアルコール消毒など近年ならではの要因も加わりかゆみがひどくなるケースも。
すね・腰まわり
粉を吹いてしまうほどカサカサになりがちなすね&腰。爪あとが残るほど強くかきむしってしまったり、洗いすぎやふきすぎでよけいに乾燥させてしまうことも。
しつこいかゆみの原因は女性ホルモンの減少だった
体質や肌質が変わってしまったのか、と思うような体のあちこちのかゆみ。実はそのとおりで、まさしくアラフィーならではの変化からくるものだそう。
「『更年期は女性ホルモンの魔法が切れる』といういい方をよくするのですが、女性ホルモンのエストロゲンは生理的な機能のみならず、全身の皮膚に多大な影響を及ぼします。エストロゲンには表皮の細胞の老化抑制、紫外線など酸化ストレスからの防御、コラーゲンやヒアルロン酸を増やすなどの働きがあり、閉経前後でエストロゲンの分泌が激減すると、これらの働きが軒並みダウン。皮脂や細胞間脂質量も減って皮膚バリアが弱くなるので、皮膚の保水力が落ちて乾燥し、かゆくなってしまうんですね。顔や体はもちろん、頭皮も、デリケートゾーンなどの粘膜もすべて皮膚ですから、いわば全身でこうした現象が起きやすくなっているのです。また、加齢で肌や粘膜に住む細菌叢も変わってくるため、頭皮やデリケートゾーンなどの臭(にお)いも変わってきます。
こうした年齢による変化を無視して、若いころと同じケアを続けていたり、市販薬で一時的にかゆみをやりすごしたり、臭いを気にして過剰に洗ったりしていると、かゆみは繰り返し、それどころかさらに悪化する可能性も。年齢に見合った適切なケアをすることが第一ですが、様子見しすぎず早めに皮膚科を受診することも大切ですよ」
エストロゲンの減少による皮膚の変化
デリケートゾーンのかゆみ
エストロゲンの影響が大きいデリケートゾーンは最も乾燥が顕著
「体中で最も“エストロゲンの支配が強い”ともいえるのがデリケートゾーン。エストロゲンの減少で皮膚の萎縮や乾燥がすすむため、アラフィーになるとデリケートゾーンのかゆみに悩む人が急増します。外陰部は構造が入り組んでいて汚れがたまりやすい場所ですが、洗いすぎはバリア成分を根こそぎ奪ってかゆみを助長させてしまう可能性も」
《考えられる原因&対処法》
洗いすぎによる潤い低下が原因! 優しい洗浄料で洗って
原因
会陰や外陰部は構造が複雑で、排泄物やアカなどの洗い残しが気になるけれど、洗浄力の強いタイプでゴシゴシ洗うのはNG。保水性の低下している皮膚に、追い打ちをかけてしまうことに。
対処法
潤いを奪いすぎないよう、赤ちゃん用や洗浄力のマイルドなタイプのボディソープを使って。かき壊してしまったりガサガサした状態になっていたら、治療が必要なので皮膚科へ。
膣内の変化で膣炎リスク上昇! おりものでチェックして
原因
エストロゲンが減ると粘液量が減り、膣内を酸性に保ちづらくなり、細菌性膣炎のリスクも。このタイプの膣炎自体にかゆみはなく、症状が軽いため感染に気づきにくい。臭いが非常に強いおりものが出るので、シャワー洗浄などで膣内を洗いすぎて皮膚の乾燥、かゆみにつながることも。
対処法
健康なおりものは半透明~クリーム色で、やや酸味のある臭い。細菌性膣炎になると生臭く強い臭いになるため、日々おりものを確認して。色や臭いに変化があったら婦人科で治療を。
頭皮のかゆみ
洗いすぎや乾かしすぎで頭皮がどんどん乾燥してかゆく
「皮脂量が多い頭皮は乾燥しにくい部位ですが、それでもエストロゲン減少でやはり細胞間脂質は減ります。特に乾燥しやすい冬場は角質が粉を吹いたような状態になりがちで、それをフケと勘違いして洗いすぎて、かゆみを招くことも。また、加齢によって頭皮の常在菌が変化し、赤みや炎症を起こしてかゆみが起きてしまう場合もあります」
《考えられる原因&対処法》
頭皮常在菌のバランスが変化して炎症・かゆみに
原因
表皮ブドウ球菌・アクネ菌・コリネバクテリウムの3つの菌のバランスがよいのが若い健康な頭皮。ところが加齢でコリネバクテリウムだけが増えると、炎症やかゆみが出ることも。
対処法
頭皮常在菌のバランスを整える効果のあるシャンプー剤を使うのも手。一定期間使っても赤みが続いたり皮がむけるなどしたら、湿疹の可能性があるので皮膚科へ。
ドライヤーは温冷交互に頭皮を優しく乾かして
原因
顔と同じで頭皮もエストロゲンの減少によって保水力が減るため、乾燥がかゆみの原因に。髪を乾かす際にドライヤーの温風を長く当てすぎると、頭皮の過乾燥を招いてしまう。
対処法
ドライヤーを使う際は風が熱くない「頭皮モード」や、温冷交互に風が出るモードなどで。頭皮とドライヤーの距離をやや離し、風量もやや弱めにするのがポイント。
手のかゆみ
家事や手洗い、アルコール……かゆくなる要素がいっぱい!
「炊事洗濯など家事仕事は水を使うことが多く、どうしても乾燥しがちなパーツ。そこに年齢による肌質の変化も加わり、さらにここ2~3年では新型コロナ感染予防のためのアルコール消毒が普及したことで、手の乾燥からのかゆみが増えています。特にアトピーがある人や乾燥性敏感肌の人、職業的に手洗いが多い人は、かゆみを繰り返しがち」
《考えられる原因&対処法》
野菜に含まれる刺激物質から手を守るために手袋を
原因
野菜に含まれるシュウ酸などの刺激物質は、エストロゲン減少で肌のバリア機能が落ちている手にとっては大きなリスク。素手で触るとかゆみやかぶれを引き起こすことが。
対処法
刺激物質がダイレクトに手につかないよう、調理の際は手袋を使うのがおすすめ。かゆみが強くかき壊してしまったり、水疱やひび割れができていたら要受診。
石鹸やアルコール消毒は手の潤いをどんどん奪う!
原因
感染予防でこまめな手洗いが推奨されるが、石鹸は肌によい菌まで洗い流すことも。肌の常在菌のバランスが乱れ、手のバリア機能を低下させてしまい、刺激に弱くなる。
対処法
手洗いは調理前や食事前、トイレ後などにかぎり石鹸を使い、そのほかは水で入念に洗うようにして。またアルコール消毒も習慣化しているなら、回数を見直しても。
耳の中のかゆみ
傷つけてかさぶた、はがしてまた傷つけて……かゆみの連鎖
「耳の入口から鼓膜の手前までを『外耳道』といい、耳のかゆみは外耳道が傷ついて起こる場合が多数。外耳道の皮膚は肌と同じでターンオーバーするので、本来掃除は不要なのですが、耳かきや爪など硬くとがったものを使って掃除をすると外耳道の皮膚を傷つけてしまい、そこにかさぶたのようなものができると、それをまた掃除……という負のスパイラルに」
《考えられる原因&対処法》
耳掃除はできるだけやらない! やるなら綿棒でなでるだけに
原因
耳掃除で外耳道を傷つけると修復途中で皮膚が厚くなり、それをまた耳アカだと勘違いしがち。傷ついてバリア機能が低下している部分はかゆみを感じやすくなるため、かゆみを繰り返すことに。
対処法
本来耳掃除は不要だが、やる場合は風呂あがりに綿棒で優しく、耳の入口部分を2~3周なでるように水分を吸い取るだけにとどめて。傷ついた部分がジュクジュクして浸出液が出ている場合は、皮膚科や耳鼻科を受診して。
かゆみがくせになってしまったら保冷剤で冷やして鎮静化
原因
かゆいところをいじったりかさぶたをはがすのは気持ちがいいもの。わかってはいても耳掃除がやめられない、引っかく刺激がくせになっている人は、傷が治る暇がなくかゆみが長引く。
対処法
どうしてもかゆいときは保冷剤を耳に当て、外から冷やしてかゆみを鎮静化させるのが正解。かさぶたのようなものができたら最低1週間はできるだけ触らないで、治る時間を与えて。
すね・腰まわりのかゆみ
もともと乾燥しやすい部分に年齢による変化が追い打ちを
「更年期は肌という肌の潤いが減っていきます。なかでも腰とすねはもともと皮脂が少なくかゆくなりやすい部分なので要注意。また、加齢によって皮膚から分泌される皮脂の臭いが変わり、いわゆる『加齢臭』が気になってくる人も。臭いを消そうと強く洗ったりこすったりすることも、肌の潤いを低下させかゆみを助長させてしまいます」
《考えられる原因&対処法》
汗臭は水でオフ! おしりふきシートで潤い残してサッパリ
原因
更年期のホットフラッシュで汗をたくさんかく人に多いのが、ボディシートによる肌の乾燥。市販のボディシートは刺激が強く、皮膚を乾燥させやすい。
対処法
汗は本来無臭なので、かいたらすぐ水でふけば臭いは十分防げる。ぬらしたハンカチやエタノールを含まない赤ちゃん用おしりふきで、ゴシゴシこすらずにふき取って。
優しく洗浄して十分な潤いを朝晩しっかり補給
原因
加齢臭が気になるからと洗浄力高めのボディソープを使うと、乾燥が進行。さらに、服で目立たない場所だからと保湿をサボると、かゆみが強くなる。
対処法
体を洗う際は保湿成分入りで洗浄力がマイルドなボディソープを使用。そして保湿剤を朝晩の一日2回、たっぷり塗って潤いを補って。
おしりの穴のかゆみ
洗いすぎでバリア機能が低下! 刺激がかゆみを引き起こす
「おしりの穴は便が通る刺激でもともとかゆみが起きやすい部分。粘膜なので更年期になればやはり潤いは低下し、バリア機能が落ちて、よりかゆみは出やすくなります。特にシャワー洗浄が習慣化している人は、洗いすぎによるバリア機能の低下や乾燥が心配。過敏性腸症候群の人も、下痢が続くと刺激になるので、かゆくなりやすい傾向が」
《考えられる原因&対処法》
シャワーはサッと、水気は優しくふき取って
原因
シャワーで洗い流す時間が長すぎたり頻回すぎるのは乾燥によるかゆみのもと。シャワーの刺激がないと排便できない人は、排便力の低下とかゆみの連鎖に陥っている可能性も。
対処法
シャワーを使う際は短い時間にとどめ、温風乾燥は避けて水気を優しくふき取るようにして。赤くなっていたり強いかゆみがある場合は、皮膚科や肛門科へ。
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