-
【三ツ星よりもっと先へ。そのパワーとセンスの源】小林圭シェフ「進化し続ける KEIの世界」〈前編〉
パリの三ツ星『Restaurant KEI』の小林圭シェフが監修する2軒の店が’24年4月、東京・銀座で幕を開けた。一貫して「店を増やしたいわけではない」と話す小林が、出店の先に見据えるものとは何か。躍進の原動力、未来へのヴィジョンについて話を聞いた。
【三ツ星よりもっと先へ。そのパワーとセンスの源】小林圭シェフ「進化し続ける KEIの世界」〈後編〉
ESPRIT C. KEI GINZA(エスプリ・セー・ケイ・ギンザ)
ST LOUIS BAR by KEI(サンルイ・バー・バイ・ケイ)
ライバルは自分。昨日の自分を超えて
――偉業を達成する人ほど、毎日を大切にされている。日々、心がけていることはどんなことですか。
すごくシンプルです。ほかにライバルをつくらず、常に自分自身をライバルと考えること。毎日、少しずつ昨日の自分を超えていく。知識、技術、経験すべて。
――日常のルーティンはありますか。
帰宅後に、必ず筋トレをします。腹筋と背筋、あと腕立て伏せも。立ち仕事ですから、体のコンディションを保つことは重要です。その後、お風呂に入って湯ぶねにもつかります。食生活は毎日ほぼ同じ。朝はフルーツとヨーグルト。少しパンを食べる日もあります。昼はスムージー。仕事中は味見がありますが、きちんとした食事は一日一回。夜のサービスの前に賄いを食べます。
――どんなものを召し上がりますか。
ひと皿で完結するものが中心ですが、内容は厳しく見ます。私が中途半端なものを食べたくないですし、賄いはレストランの礎(いしずえ)ですから。食材を注文する。メニューを開発する。何人分必要で、ひとりで作るのか、誰かと一緒に作るのか。二十数食を一気に仕上げるにはどうするか。あらゆることを考慮し、チームの健康とおいしさを考えたうえで「お金をいただけるものを作れ」と。スタッフには「自分は料理人やパティシエを育てる気はない。シェフになる人間を育てたい」と話しています。賄いでも任されたら真剣に、どこまでできるか勝負できなくては、と。
「やりたいのは“F1”です。瞬間に、息を合わせて、一気にやる」
――フランスと日本で厨房の雰囲気の違いはありますか。マネジメント術は?
違いはあまりないですね。フランス、日本にかかわらず大事にしていることは、自分のやりたいこと、方向性を明確に打ち出し、そして、チームの透明性を出すことです。もうひとつ、パリの厨房は、フランス人、日本人、アジア・アフリカ人まで多国籍なので「言葉の能力=仕事の能力ではない」と言い聞かせています。厨房ではフランス語を使いますが、外国人が指示を即、理解できなくても、能力自体が低いわけではない。カバーする方法を考え、チームでいいパフォーマンスをしようと。
――ひとりのタレントよりも、強固なチームワークを、と。
やりたいのは“F1”です。レース中、タイヤを交換するとき、1台に10人前後のスタッフがつきますよね。ひとりでも遅れたら事故になる。瞬間に、息を合わせ、一気にやるからタイムが出る。料理も同じです。いかに私のペースに合わせられるか、全員で考えてもらっている。スタッフにとってはタフな環境だと思います。
「一流、完璧、天才という言葉が嫌いです」
――リスペクトする対象は? どんな人、仕事から刺激を受けますか。
アーティストです。ファッションなら川久保玲さん、建築なら安藤忠雄さんや妹島(せじま)和世さん。ご自身の世界観を築き、日本の内外で活躍されている。すべての創造は素材からですよね。洋服なら繊維、建物なら建材。それらから、誰もがひと目で彼らの仕事とわかる表現、世界をつくり上げている。料理で、それをやりたい。
――座右の銘は。
嫌いな言葉ならあります。一流、完璧、天才。一流じゃないから一生懸命やっている。完璧などはるか遠く、天才じゃないから毎日作り続けられるんです。
小林圭シェフのこれまで
1998年 渡仏
2003年 『アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ』に職を得て7年間働く。このうち5年間はスーシェフも
2011年 オーナーシェフとしてパリに『Restaurant KEI』を開く
2020年 フランス版ミシュランガイド三ツ星獲得
2021年 日本で1店舗目となる御殿場『Maison KEI』をオープン
2024年1月 六本木「ザ・リッツ・カールトン 東京」内に『Héritage by Kei Kobayashi』をオープン
2024年3月 虎ノ門「TOKYO NODE」内に『KEI Collection PARIS』をオープン
小林圭
ESPRIT C. KEI GINZA
エスプリ・セー・ケイ・ギンザ
東京都中央区銀座7の8の17
虎屋銀座ビル11F
☎03・6274・6611(予約受付13:00~21:00、日・月曜除く)
17:30~23:00(20:30LO)
定休日:日・月曜
ST LOUIS BAR by KEI
サンルイ・バー・バイ・ケイ
東京都中央区銀座7の8の17虎屋
銀座ビル12F
☎03・6274・6612(予約受付13:00~22:30、日・月曜除く)
17:30~23:00(食事22:30、ドリンク23:00LO)
定休日:日・月曜
-
ランチも充実!アラフィーが今行くべきホテルダイニング「Héritage by Kei Kobayashi」
ミシュラン三ツ星シェフ・小林圭さんが監修のホテルダイニング「Héritage by Kei Kobayashi」が誕生。洗練された空間で、ここでしか味わえない料理を楽しむことができる。
-
世界が注目!ミシュラン三つ星シェフのフレンチ「アジュール フォーティーファイブ」へ【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#32】
ザ・リッツ・カールトン東京45階のフレンチダイニング「アジュール フォーティーファイブ」が、新たに生まれ変わると聞き、プレス内覧会に伺いました。料理監修を務めるのは、いま最も注目されている日本人シェフ、あの小林圭氏です!
-
パリの三ツ星シェフと『とらや』の刺激的な出会いを楽しむ『Maison KEI』
フランス版ミシュランガイドで、アジア人初の三ツ星を獲得した小林圭シェフが、和菓子の老舗『とらや』と組み、静岡・御殿場にレストランをオープン。
What's New
-
食の未来を見据える料理人の挑戦を味わう。今、通いたい一軒『TROIS VISAGES(トワヴィサージュ)』【50代 新しいグルメ】
次の会食に予約したい店を厳選。今回は、銀座の一角で太陽や土、風の香りをまとうフランス料理に出会える『TROIS VISAGES(トワヴィサージュ)』を紹介。ミシュランで一ツ星とグリーンスターをW受賞した店は、規格外食材を使用したリーズナブルな月イチの平日ランチにも注目。
旅行&グルメ
2025年12月8日
-
駿河湾の絶景を望む最新“オフグリッド”の宿『WEAZER 西伊豆 廻-KAI-』がオープン
良いものを知る大人が、次の休みにステイするなら? ’25年11月1日に開業した『WEAZER 西伊豆 廻-KAI-』は、電力や水を自給自足するオフグリッド型の宿泊施設「WEAZER 西伊豆」の二号棟。駿河湾のすばらしい絶景を一望できるリビングで、自然に抱かれリフレッシュしたい。
旅行&グルメ
2025年12月6日
-
【東京のホテルアフタヌーンティー】クリスマスを彩る華やかなティータイムおすすめ6選
街にイルミネーションが煌めき、いよいよ本格的なクリスマスシーズンが到来。都内の人気ホテルでは、ホリデームードをさらに盛り上げる華やかなアフタヌーンティーを開催中です。目も心も満足させてくれる、趣向を凝らしたメニューを厳選してご紹介します。
旅行&グルメ
2025年12月5日
-
ピッツァと薪窯料理で、美食の新たな地平を開く『PER TE(ペルテ)』【50代 新しいグルメ】
ナポリピッツァ職人が技術を競う大会で日本一に輝いた腕をもつ鈴川充高さんが、赤坂で『PER TE(ペルテ)』をオープン。新天地で掲げる旗印は「ピッツァを柱としたガストロノミー」。絶品ピッツァと薪窯料理のコースを味わいたい。
旅行&グルメ
2025年12月5日
-
トスカーナの鬼才が放つ白ワイン『ビアンコ・ディ・トリノーロ』【今週末、持っていくならこの1本】
イタリアンアンティークショップを経営する古澤千恵さんのおすすめワインは『ビアンコ・ディ・トリノーロ』。トスカーナの鬼才が放つ白ワインは複雑で深みがある味わいながら飲みやすさも。
旅行&グルメ
2025年12月5日
-
-
-
-
-
-
ルイ・ヴィトンのモチーフジュエリーをシンプルブラックコーデで楽しむ【俳優・板谷由夏の私をつくるジュエリー】
俳優・板谷由夏が愛するファッションルールと、それにマッチするジュエリー。今回は、大人がモチーフジュエリーを楽しむメソッドを。
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
大人のきれいめデニムを探しているなら
イタリアの感性と日本の職人技の美しき融合、ジーフランコのデニム
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
松井陽子の「エクラ ゴルフ部へようこそ!」
松井陽子さんが50代におすすめのゴルフウェアやゴルフの楽しみ方をご紹介。
-
年末年始の華やぎシーンは自信のある髪で!
人気ヘアマスク「Gyutto(ギュット)」で美映え髪に
-
「幹細胞コスメ」大人の最適解とは?
シミ、シワ、たるみ、毛穴悩みに。大人肌のスキンケアの最適解
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき秋の服
-
クリスマスのお出かけスポットはここ!
映画「ハリー・ポッター」の世界に没入!大人も楽しめるアート体験
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
12月から2月のアウターはこれ!”気温で選ぶ”50代のおしゃれな「冬のコート」
12月から2月にかけて、寒さに負けず、季節のおしゃれを楽しむための“気温別コートガイド”。平均気温に合わせて、動きやすいライトコートから防寒重視のダウンまで、最適なアウター選びの参考に。
-
【韓国ドラマ】見逃せない!「Netflix」配信ラインナップ(2025年10月・11月)心ときめくラブロマンスや衝撃のミステリー
2025年10月・11月に配信された最新作をジャンル別にご紹介。胸を熱くするラブロマンスから、心に沁みるヒューマンドラマ、そして息を呑むサスペンスまで注目作を一気にチェックして!
-
【50代のアフタヌーンティーコーデ5選】落ち着いた色合いで季節感も◎上品見えがかなう"ヌン活”コーデ
紅茶を飲みながらスイーツや軽食を楽しむアフタヌーンティー。季節ごとに"ヌン活”を楽しむ女性も多くいます。そこで今回は"ヌン活”を楽しむ40代・50代のエクラの読者モデル・華組&チームJマダムのブログから参考に…
-
【鈴木京香が着こなす「冬の白のスタイル」】極上の着心地に癒される「ロロピアーナ」のカシミヤニット&パンツ
時に凛々しく、時にまろやかな印象を放つホワイト。今回は、俳優・鈴木京香さんが、ホワイトで統一した洗練コーデを披露。鈴木さんに"ホワイト”が持つ魅力についても聞いた。
-
50代の"しぼみ目”をアイラインで解決!広瀬あつこさんの一発逆転アイメイク術【人気記事週間ランキングTOP10】
ウェブエクラ週間(2025/11/23~11/29)ランキングトップ10にランクインした人気記事をピックアップ。小さく"しょぼん”としてきた50代の目元悩みを解消する、アイラインの引き方を伝授!