鼻・喉からくる不調の原因は?「副鼻腔炎、後鼻漏」「声帯ポリープ」「扁桃炎」について医師が解説

長引く咳や、喉の痛み、声がれなど喉のトラブルの原因となる疾患の中で、エクラ世代に多い「副鼻腔炎、後鼻漏」「声帯ポリープ」「扁桃炎」をピックアップ。症状やケア方法をチェックして。
教えてくれたのは…
耳鼻咽喉科医 鳴戸理佐先生

耳鼻咽喉科医 鳴戸理佐先生

五反田なると耳鼻咽喉科院長。日本耳鼻咽喉科学会専門医。藤田保健衛生大学医学部卒業後、医療法人尚豊会みたき総合病院で医長を務めたのち、開業。分子整合栄養学も学ぶ。
呼吸器内科医 大谷義夫先生

呼吸器内科医 大谷義夫先生

池袋大谷クリニック院長。日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医。テレビ番組などでも情報を発信。著書は『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』(主婦の友社)など。

副鼻腔炎、後鼻漏

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こんな症状
慢性的な咳、黄色い鼻汁

□喉の違和感や不快感

後鼻漏は、分泌された鼻汁が喉に流れ落ちて刺激となり咳が出てしまう症状。その大きな原因になるのが鼻腔周辺の空洞がウイルスや細菌に感染して炎症を起こし膿がたまる副鼻腔炎。その黄色い鼻汁が喉に流れて咳が出てしまう。後鼻漏はアレルギー性鼻炎や上咽頭炎も原因になるほか、咳喘息や気管支喘息と合併していることも。治療は、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、上咽頭炎など原因となっている病気を治すことが基本。重症化すると手術が必要になることもあるので早めに耳鼻咽喉科へ。

【セルフケアは?】

「副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの改善によいとされる“鼻うがい”は、後鼻漏の改善効果も期待できるのでおすすめです」(鳴戸先生)。市販の鼻うがい用商品を利用して行ってもOK。

鼻うがい

❶片鼻を指でふさぎ、水100mlに食塩0.9gを入れた生理食塩水を反対側の鼻ですする。

鼻うがい

❷生理食塩水を鼻咽喉へ流し込んだら喉から排水。これを両鼻一日2回を限度に。

<編集部セレクト>

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どんな鼻にもフィットするキャップから洗浄液が噴射され鼻腔や副鼻腔を洗浄。サイナス・リンス スターターキット 10包¥1,100/ニールメッド

声帯ポリープ

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こんな症状
□声が出にくい、声がれ

□喉の違和感

声帯に炎症が起き、小さい隆起(ポリープ)ができる病気。発声するとき、声帯は適度な強さで閉じ、左右の声帯を振動させて声を出すが、ポリープができると声帯がうまく閉じず、振動もじゃまされて声が出しにくくなり声がれに。主な原因は声の出しすぎ。治療は消炎剤やステロイド剤の服用など。改善しない場合は手術を検討。

【セルフケアは?】

「声帯を刺激することを避け、極力声を出さずに安静に。また、喉を乾燥させないよう加湿器などで湿度を保ち、口呼吸の人は鼻呼吸にスイッチするよう意識を」(鳴戸先生)

<編集部セレクト>

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睡眠中の口呼吸を抑制し、鼻呼吸へ誘導。優肌 口とじテープ オープン価格/ニトムズ

扁桃炎

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こんな症状
□喉の痛み、違和感

□高熱、全身倦怠感

喉の奥の扁桃が細菌やウイルスが感染することで起こる。原因菌はレンサ球菌、ブドウ球菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌など。喉の痛みや違和感、飲み込むときの痛みのほか、高熱、全身倦怠感、食欲不振など全身症状が出ることも。治療には抗菌薬や消炎鎮痛剤などが用いられる。

【セルフケアは?】

「声を出しすぎると悪化しやすいので、声を出すのを控えること。また、乾燥予防に、加湿器などで適度な湿度を保ち、水分補給も心がけて。免疫力アップに役立つビタミンDの補給も有効」(鳴戸先生)

現代の生活環境の変化から喉のトラブルが増加

ここ数年、喉の不調を訴える人が以前に比べてずいぶん増えている、と話すのが耳鼻咽喉科の鳴戸先生。

「特にウイルスや細菌の感染による上咽頭炎にかかる人が多く、症状が長引く人も多数。喉は最初にウイルスや菌が入ってくる部分なので防御機能が発達しています。が、黄砂や花粉、化学物質など空気中に飛散するものが多すぎる現代環境の中では、防御しきれず喉に過剰に負担がかかっている可能性大。女性ホルモンが減少するエクラ世代なら、体の回復力も落ちるので喉にもより不調が起きやすいと考えられます」(鳴戸先生)


長引く咳を伴う喉の不調なら、呼吸器からくるものも。

「50代女性に限ったことではないですが、近年多いのが咳喘息。アレルギー疾患ですが、風邪、寒暖差、ダニやホコリの暴露、疲労、ストレスなどを契機に発症し、しつこい咳が一番の特徴です」(大谷先生)

このように現代の喉不調の原因は多岐にわたるので、下記のよくある原因を参考に、気になる場合は受診を。また、喉トラブルの予防策は? 「栄養をしっかりとること。特に粘膜を強化するビタミンA、D、E、Kは意識して補給を。睡眠を十分にとるのも大事」(鳴戸先生)。

「肺炎に結びつく誤嚥は40代から始まります。喉の筋肉強化のために、人とよく会話を」(大谷先生)

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