鼻・喉からくる不調の原因は?「上咽頭炎」「喉頭炎」について医師が解説

長引く咳や、喉の痛み、声がれなど喉のトラブルの原因となる疾患の中で、エクラ世代に多いものをピックアップ。自分に当てはまるものをチェックしてみて。
教えてくれたのは…
耳鼻咽喉科医 鳴戸理佐先生

耳鼻咽喉科医 鳴戸理佐先生

五反田なると耳鼻咽喉科院長。日本耳鼻咽喉科学会専門医。藤田保健衛生大学医学部卒業後、医療法人尚豊会みたき総合病院で医長を務めたのち、開業。分子整合栄養学も学ぶ。
呼吸器内科医 大谷義夫先生

呼吸器内科医 大谷義夫先生

池袋大谷クリニック院長。日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医。テレビ番組などでも情報を発信。著書は『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』(主婦の友社)など。

上咽頭炎

鼻・喉からくる不調の原因は?「上咽頭炎」「喉頭炎」について医師が解説_1_3

こんな症状

□喉の痛み、イガイガ感

□痰がからむ

□声がかれる

風邪のウイルスに感染すると体を守るために上咽頭のリンパ球が活性化し、炎症が起きることで急性の“喉風邪”に。これを医学的には急性上咽頭炎といい、喉に痛みやイガイガ感、痰、声がれなどの症状が出る。体の免疫機能が働きウイルスが死滅すると改善する場合がほとんどだが、死滅後も喉に炎症や鬱血(うっけつ)が残ると慢性上咽頭炎になることが。すると、上記の喉の症状以外にもめまい、倦怠感、睡眠障害、胃腸障害など全身症状も起きやすくなるので注意。抗生物質などの薬のほか最近ではEATという治療法も。

EATとは?

塩化亜鉛をしみ込ませた綿棒で上咽頭をこすり、活性化リンパ球や老廃物を除去する治療法。炎症が抑えられ、鬱滞(うったい)や自律神経系機能も改善するため高い効果が。週1回〜10日に1回を3カ月ほど続ける。

【セルフケアは?】

「座って頭を60度以上後ろに倒すか、あおむけで、生理食塩水をスポイトで片鼻に2ccほどずつ入れる上咽頭洗浄を。消炎効果がある梅エキス配合の洗浄剤を使えば、より効果的」(鳴戸先生)

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喉頭炎

鼻・喉からくる不調の原因は?「上咽頭炎」「喉頭炎」について医師が解説_1_5

こんな症状

□声が出にくい、声がれ

□喉の痛み、ヒリヒリ感

□咳、痰、発熱

喉頭炎は、“喉仏”の中にある喉頭の部分に炎症が起きる病気。原因は、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染のことが多いが、細菌感染や、アレルギー、声の出しすぎ、喫煙などが原因になる場合も。声がかすれたり、声が出しづらくなる症状が出やすく、ほかに、喉の痛みやヒリヒリ感、痰、咳、発熱などの症状が起きることもある。病院での治療は、消炎鎮痛剤や抗生物質などの薬のほか、薬剤を鼻や口から吸入するネブライザー治療を行うこともある。

【セルフケアは?】

「声を出しすぎると悪化しやすいので、声を出すのを控えること。また、乾燥予防に、加湿器などで適度な湿度を保ち、水分補給も心がけて。免疫力アップに役立つビタミンDの補給も有効」(鳴戸先生)

<編集部セレクト>

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現代の生活環境の変化から喉のトラブルが増加

ここ数年、喉の不調を訴える人が以前に比べてずいぶん増えている、と話すのが耳鼻咽喉科の鳴戸先生。

「特にウイルスや細菌の感染による上咽頭炎にかかる人が多く、症状が長引く人も多数。喉は最初にウイルスや菌が入ってくる部分なので防御機能が発達しています。が、黄砂や花粉、化学物質など空気中に飛散するものが多すぎる現代環境の中では、防御しきれず喉に過剰に負担がかかっている可能性大。女性ホルモンが減少するエクラ世代なら、体の回復力も落ちるので喉にもより不調が起きやすいと考えられます」(鳴戸先生)


長引く咳を伴う喉の不調なら、呼吸器からくるものも。

「50代女性に限ったことではないですが、近年多いのが咳喘息。アレルギー疾患ですが、風邪、寒暖差、ダニやホコリの暴露、疲労、ストレスなどを契機に発症し、しつこい咳が一番の特徴です」(大谷先生)

このように現代の喉不調の原因は多岐にわたるので、下記のよくある原因を参考に、気になる場合は受診を。また、喉トラブルの予防策は? 「栄養をしっかりとること。特に粘膜を強化するビタミンA、D、E、Kは意識して補給を。睡眠を十分にとるのも大事」(鳴戸先生)。

「肺炎に結びつく誤嚥は40代から始まります。喉の筋肉強化のために、人とよく会話を」(大谷先生)

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