実は女性以上に大変!? 夫の更年期・症状編 【自覚症状・症状の違い・治療法】

男性の40~50代は働き盛り。一方で無理がきかなくなってくる時期でもあります。夫に「疲れた」「調子が悪い」などの口癖が増えてきたら、男性更年期障害かも。典型的な自覚症状のリストや、うつ病などとの症状の違い、受診や治療法をご紹介。

Q2.どんな症状があったら、LOH症候群を疑うべきですか?

A.疲れやすい、朝立ちが減ってきたなどエイジングに伴う悩みと重なる症状が多い。

精神的な症状はうつ病と似ています。

「よくある症状としては、やる気が出ない、だるい、疲れやすい、何もかもおっくうになる、少しのことで落ち込む、イライラする、仕事でミスが増えたなど。仕事はもちろん、今まで没頭していた趣味や習い事にまで興味をなくし、あっさりやめてしまったりします。

ちょっとしたことで腹を立てるなど怒りっぽくなる人もいて、家庭や職場で孤立し、居場所をなくしてしまう人も。

 身体症状では、ほてって大量の汗が出る、不眠、頻尿になる、関節が痛いなど、女性の更年期障害と似た症状が起こります。テストステロンは筋肉の合成を促し、内臓脂肪の蓄積を抑える働きがあるため、減ってしまうと筋肉も減少し中年太りへまっしぐら。男性特有の症状としては、性欲が減退し朝立ちも減ってきます(下表参照)」

 更年期の精神症状は、うつ病と間違えられやすいので注意が必要。逆に更年期の不調かと放っておいたら、病気が隠れていたというケースも。

「うつ症状がなかなか改善しない場合は、まずかかりつけ医に相談してみてもよいでしょう。自己判断で決めつけないことも肝心です。もし、これらの症状が男性ホルモン量の低下によるものであれば、ホルモン補充療法などの治療で改善が望めます」。

LOH症候群の典型的な自覚症状

1.性欲が減退し、セックスの喜びも低下した
2.朝立ちの回数が減ってきた
3.筋力が弱くなってきたと感じる
4.太りやすくなり、おなかが出てきた
5.寝つけない、早く目が覚めるなどの睡眠障害がある
6.やる気が低下、気分が沈む日が増えた
7.すでに燃え尽きたという感覚がある

出典:『病はケから 老けない体と心の作り方』(小林一広著/幻冬舎)
教えてくれたのは…
実は女性以上に大変!? 夫の更年期・症状編 【自覚症状・症状の違い・治療法】_3_1
メンズヘルスクリニック東京 院長 小林一広先生
北里大学医学部卒。精神科医の立場からメンタルヘルスケアや頭髪治療、男性更年期の診察・治療などに力を注ぐ。精神保険指定医。
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