また、バブル経済崩壊後、非正規雇用が急増。非正規雇用者は、正規雇用者に比べて収入が低く、経済的に不安定なため、結婚にも二の足を踏んでしまいがち。結果、生涯未婚率が増え、少子化や人口減少も加速している。一方で、自治体のパートナーシップ制度導入が広がり、証明書を交付された同性のカップルも増えつつある。それを考えると、私たちの子ども世代は、「結婚し、子どもをもつ」のがあたりまえではなくなっていても不思議はない。だとしたら……、今私たちにすり込まれている「親は子どもを育て、成人した子どもは老齢になった親の世話をする」という“家族の役割”は、おのずと消滅しそう。
「家族のあり方は、社会と密接に関係していて、普遍的なものではありません。同じ国や時代であっても、属している階級や地域、民族などによって違いがあるのも当然ですし……。 家族の機能にしても、『こうあるべき』という決まりはなく、自分たちの家族で考えるしかないのだと思います」