初心者の心得も伝授!サウナ教授・加藤容崇先生が「サウナの正しい入り方」教えます

医師として病気に向き合う中で、予防医療の大切さに気がついたという加藤容崇先生に、サウナはアラフィーの体にどんないいことがあるのか、また初心者の心得についてうかがった。
教えてくれた人
医学博士加藤容崇先生

医学博士加藤容崇先生

慶應義塾大学医学部特任助教、日本サウナ学会代表理事。サウナ教授の異名ももつ。都内でおすすめのサウナは、ROOFTOP。旅先はサウナがあるところしか選ばない、という筋金入りのサウナー。

<著書>
加藤容崇著『医者が教えるサウナの教科書』 ダイヤモンド社 ¥1,540 サウナの効果を医学的に紐解き、サウナのよさや活用法を指南する一冊。

サウナは医学的にも健康に効果あり!

約5年前、フィンランドでサウナの健康効果に関する疫学的なデータが発表されて以降、医師の視点でサウナの研究を重ねる加藤先生。ぜひ「サウナ→水風呂→外気浴」をセットで行ってほしいという。

サウナの正しい入り方

「サウナで体の深部体温を上げ、それを水風呂で冷やすことで、体の表面の血管が拡張・収縮し、血管の弾力性が上がることが医学的にわかっています。その結果、週4回以上入ることで心筋梗塞のリスクが約50%、認知症のリスクが約66%軽減することもアメリカの病院のレポートで発表されました。また自律神経の働きがリセットされるので、睡眠の質の向上や、アラフィー女性の場合は更年期障害の症状の緩和も期待できます」

初心者が意識すべき点は?
「一番大事なのは無理をしないこと。サウナ室では心拍数を指標に体調を把握し、しんどくない程度に体をしっかり温めることも大切です。顔をタオルで覆うことで、感じる熱さの負担はかなり軽減できます。水風呂が苦手という人もきちんと体を温めれば気持ちよく自律神経がととのいますよ」

サウナの正しい入り方

【1】サウナ

事前に体調を把握して。目安は10分程度。

事前に体調を把握して。 目安は10分程度。

体と髪を洗ってからサウナへ入室。体育座りやあぐらなど頭と足の高低差が少ない体勢でリラックス。初心者はヒーターから遠い下段に座るのがおすすめ。退出は汗の量ではなく、心拍数が速くなったか、さらに背中の真ん中が温まったかで判断を。

―加藤先生のアドバイス―

髪の乾燥とのぼせ防止のため、サウナハットをかぶるのもおすすめ

【2】水風呂

汗をきちんと流してから全身で入ること

汗をきちんと流してから 全身で入ること

サウナ室から出たらシャワーで汗を流し、速やかに水風呂へ。体の表面の血管がきゅっと締まることで体内に熱がとどまり、体がポカポカに。「ゆっくり息を吐きながら入水すると、心臓に負担なく入れる」と加藤先生。1分程度、肩までつかる。

―加藤先生のアドバイス―

慣れてくると、サウナ室より水風呂のほうが好きになってきますよ(笑)

【3】外気浴

できるだけ横になったほうが“ととのう”

できるだけ横になった ほうが"ととのう"

体の水滴をしっかりふき取り、すばやく外気浴へ。なるべくリクライニングできる椅子で、サウナ室に入っていたのと同じ程度の時間休む。ここまでで1セット。一般的には3セット程度繰り返す人が多い。次にサウナ室に入る前に、水分補給をしっかりすること。

―加藤先生のアドバイス―

おなじみの“ととのう”感覚は、この外気浴のときに感じるものです

ととのうって、どんな状態?

「主観的な言葉でいうと、頭の芯はハッキリ覚醒しているのに、体は軽くリラックスしている状態。副交感神経が活性化しているのに、血中アドレナリンが存在している稀(けう)な状態のことで、サウナのあと水風呂から出た直後の2〜3分のみに訪れます」(加藤先生)

加藤先生

アラフィーは、ここに気をつけよう!

1.入浴前に体温と心拍数をチェック。
2.サウナ→水風呂→外気浴の順にセットで。
3.サウナ内では、体育座りやあぐらなどの体勢で、下段に座る。

4.熱いときには顔をタオルで覆って。

5.サウナも水風呂も、無理は禁物!

体調がすぐれない日は入らないほうがベター。心拍数を測るのにウェアラブルデバイスも便利。平常時の脈拍(=心拍数)をあらかじめ知っておき、その2倍近くの心拍数になったらサウナ室退出のサイン。体を休ませると負担が減るので必ず外気浴まで行って。

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